【ヴァシュロン・コンスタンタン】購入できるヘリテージ展開催!<インタビュー>

世界最古の高級時計マニュファクチュールであるヴァシュロン・コンスタンタンは、毎年大好評の"購入できる"ヘリテージ展を10月27日より約1ヵ月間、東京・銀座ブティックにて期間限定で開催中。3回目の今年は、過去の懐中時計や腕時計20点以上が展示・販売される。さらに、「ニックネーム」と称される特別なヘリテージピース19点も一堂に集まるエキシビションを同時開催。編集部では、本イベント担当のスタイル・アンド・ヘリテージディレクター、クリスチャン・セルモニ氏をインタビューした。


コミュニケーションの道具となる「ヘリテージ」

――1920年代から作られている懐中時計や腕時計20点以上が展示・販売されるヘリテージ展。まずは、担当者として作品を選ぶプロセスを教えてください。

「特に何かテーマを決めるわけではなく、ヘリテージ展の関連性を考えたりとか、ひとつひとつの作品がどういうものなのかという観点から選びます。作品選定においての条件は、懐中時計と腕時計のどちらも絶対に入れること。そして、シンプルなものから複雑時計までミックスしていきます。さらに興味深い年代というところも考慮します。1920年代から70年代前半までの作品から選びますが、90年代前半のストライキングウォッチのような珍しいハイコンプリケーションモデルも含まれることがあります」

――ヘリテージの価値を高め、発展させていくために、具体的にどのような活動をされていますか?

「ヘリテージは、ヴァシュロン・コンスタンタンにとって重要な部署であります。2017年に担当となった私がまず何をしたかというと、ヘリテージとその価値のプロモーションでした。今回の展示はまさにそれを具現化しています。ヘリテージ展を通して、ブランドの歴史やクリエイティブの精神、伝統を誇るデザイン性だったりなどをコミュニケーションとしてプロモーションしています。別の観点からいうと、ヴィンテージ専用のインスタグラム公式アカウント(@thehouelaunge)を作り、アンティークのコミュニケーションとして活用しています」

――ヘリテージの最大の魅力は何だと思いますか?

「オーセンティックであり、それぞれの時計がユニークなものであり、それぞれが違い、それぞれにストーリーがあるところが非常に興味深いところです。時計のデザインやコンディション、歴史の部分でも興味を持ってもらえると思います」

――ヴァシュロン・コンスタンタンにとって、ヘリテージタイムピースとは、どういう位置づけ、存在でしょうか?

「素晴らしい遺産、ブランドのストーリーを伝えられることがひとつ。以前、私はアーティスティックディレクターという役職で、商品開発デザインチームをまとめていました。その観点から、ビンテージを見ながら新しい商品のデザインのインスピレーション、ポテンシャルとなる要素がないかなというところにも活用してました」

――やはり、過去の歴史的なタイムピースの存在が新作時計の製作において、影響を与えるものなのですね。

「クラシックということが、ヴァシュロン・コンスタンタンにとって重要な部分。ということは、今後もブランドとしてクラシックの代表格であることが責任としてある。そのために、過去からインスピレーションをもらい、今後の新作に繋げて行かなければならない。過去と現在の繋がりがないといけない。クラシックというのは、エレガントであって、洗練されて、控えめであること。それは常に過去と未来で共通していないといけないのです。クラシックなスタイルが貫かれていることを念頭に時計作りを行っていかなければならない」

――3回目の今年は、世界ツアー「ニックネーム」エキシビジョンも同時開催。今年1月にはジュネーブ、6月にパリと世界各国のブティックを旅してきたエキシビション。どのような経緯で、こういったエキシビジョンを開催することになったのですか?

「このようなエキシビジョンを毎年開催することで、ブランドの歴史や遺産、時計の製造をお披露目する機会をつくっています。今回はどういった展示にしようかな、といったところで興味深いテーマを探しているなかで、ニックネーム展を開催することになりました。歴史を伝えるという観点と、面白さというところを求めてこの企画にしました」

――ヘリテージの価値を高めて行くには、時計コレクターとの交流も大事。彼らとの繋がりを作るために、どのようなことを最も大切にしていますか?

「コレクターというのはそれぞれにストーリーがある。私は彼に対し、なぜアンティークのヘリテージを持っているのか、ということをいつも聞きます。なぜ、ヴァシュロンの時計を持っているのかというところを意識して聞いて、理解するようにしています。彼らの方が時計について知っていることがある。彼らの知識にいつもびっくりしていますよ。しかも、コレクターにはそれぞれの価値観があります。たとえば、高いものだけ集めている人、時代にこだわって集めている人などです」

――最後に質問です。セルモニ氏は、スイスの時計職人一家に生まれたと聞いています。セルモニ氏にとって、世界最古のマニファクチュールであるヴァシュロン・コンスタンタンでの仕事とはどのようなものですか?

「祖父がスケルトン時計の職人だったので、子どもの頃いつも彼の作業部屋に行って、説明を受けて、興味深いなあと思っていました。それをきっかけに時計について興味を持った事は確かです。職人にはならなかったのはなぜか? ひとつは、大学卒業時にクオーツショックがあり、当時、“時計業界は難しい状況に直面している”と思われていたから。ふたつ目の理由は、手が器用はなかったから。細かい作業ができなかったんですよ(笑)。でも、こうしてヴァシュロン・コンスタンタンで働けていることは、ラッキーだと思います。というのも、このブランドは有名で長い歴史を誇り、インスピレーションや発見のもとになる宝物が多いです。誇りに思います」


Christian Selmoni
1959年スイス生まれ。時計づくりの発祥地のひとつであるヴァレ・ド・ジュウの時計職人一家に育った。’90年、ヴァシュロン・コンスタンタンに入社。2001年に、商品開発におけるすべての取り組みをまとめ上げ、商品部としてコンセプト作りから試作品の作成から商品化まで担当。またブランドの歴史的にも名高い創業250周年モデルの商品デザインならびに開発も務めた。’10年、アーティスティック・ディレクターに就任。’17年、スタイル・アンド・ヘリテージディレクターに就任。「ヘリテージ部門」においては、ヘリテージの価値を高めて発展させるとともに、過去のデザインや関連要素を現行ラインアップおよび今後の商品製作に反映させていくことが主な役割となる。


VACHERON CONSTANTIN’S LES COLLECTIONNEURS & NICKNAMES EXHIBITION
日程:10月27日(土)~ 11月30日(金)
営業時間:12:00〜20:00
場所:ヴァシュロン・コンスタンタン 銀座ブティック 2階(東京都中央区銀座 7-8-8)
TEL: 03-3569-1755


問い合わせ
ヴァシュロン・コンスタンタン TEL 0120-63-1755

Text=鈴木 悟(ゲーテWEB編集部) Photograph=濱野井雅俊(A.K.A.)