【タグ・ホイヤー】暗雲を吹き飛ばすような意欲的新作ウォッチ⑩

新型コロナウイルスにより、新作発表会が中止や延期を余儀なくされたウォッチシーン。一体新作はどうなるのか!? しかし心配ご無用。主要ブランドからは、新作情報が続々と届いている。そんな中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる“活きのいい”モデルを厳選した!

機械式時計の転換期に登場した角型の自動巻きクロノグラフ

定番が持つ信頼性や安心感。そこに特別なアレンジが加わった限定モデルは唯一無二の味わいがある。

2020年7月に世界限定1000本での発売を予定している「タグ・ホイヤー グランプリ・トゥ・モナコ・ヒストリック リミテッド エディション」は、この条件を完璧に満たす話題作として早くも注目を集めている。

このモデルの魅力を伝えるために、ここで改めて「モナコ」が持つ伝説的なストーリーに触れていこう。

「モナコ」の誕生は、時計史という側面から見てもエポックメイキングな出来事であり、今では“角型時計のクラシック”と評価されている同モデルだが、発表当時の1969年では極めてアバンギャルドな腕時計に映ったはずに違いない。

奇しくもクオーツ式時計が発表された同年は、スイス時計業界にとって激動の幕開けとなり、これから訪れるであろうクオーツの驚異、そして時代に打ち勝つため、あらゆる時計メーカーが機械式時計における新しい方向性を模索していた。

ケースの左側にリューズを備えるCal.11を搭載した記念すべきモナコのファーストモデル。

「モナコ」はまさに時代の寵児であり、「世界初の自動巻きクロノグラフ専用ムーブメントを搭載した角型の防水時計」という革新的なスペックを備えていたが、搭載されているCal.11の構造上の都合から左側にリューズがある個性的なデザインであったことなどが重なり、評価を得るまでトントン拍子には進まなかったという。

転機となったのは、1971年に公開された映画『栄光のルマン』。主演のスティーブ・マックイーンが劇中で着用したことで「モナコ」は腕時計の枠を超えたアイコンへと生まれ変わっていく。

それから数十年、「モナコ」は幾度もマイナーチェンジを繰り返し、今では時計好きなら誰もが知る定番時計としての地位を手にしている。

クラシックカーレースの熱狂を伝えるカラーコードに注目!

さて、本題に入ろう。今回ご紹介するタグ・ホイヤーの限定モデル「タグ・ホイヤー グランプリ・トゥ・モナコ・ヒストリック リミテッド エディション」は、モナコ自動車クラブ(ACM=Automobile Club de Monaco)、「グランプリ・ドゥ・モナコ・ヒストリック」との提携から生まれたものだ。

大胆な色使いで生まれ変わった「モナコ」の限定モデル。チェッカーフラッグがあしらわれた専用ウォッチボックスが付属する。世界1000本限定。自動巻き、SSケース、径39mm、¥740,000

2年に一度開催される「グランプリ・ドゥ・モナコ・ヒストリック」は、1930~'70年代に活躍した歴史的な価値を持つクラシックカーが集う歴史的なレースであり、タグ・ホイヤーは去る2020年5月8日、オフィシャルウォッチの公式スポンサー及びタイムキーパーに就任。

新型コロナウイルスのパンデミックから中止になった第12回の開催を予定していた'20年5月8~10日の期間中、タグ・ホイヤーは権威ある「グランプリ・ドゥ・モナコ・ヒストリック」へのオマージュを掲げ、この限定モデルを発表した。

情熱的なレッドを採用したクリムゾンブラッシュダイヤルの1時位置には、ユニークなクラシックカーのロゴが見受けられる。

ひと目見て分かるこのモデルの一番の特徴は、ブルーを基調とした通常の「モナコ」とは異なる赤と白を採用した大胆なカラーコードにある。

リューズをケースの右側に備えた自社製自動巻きムーブメント「キャリバー ホイヤー02」によるレイアウトは、「モナコ」の伝統的なスタイルをモダンに仕上げる重要なエッセンスにほかならない。

文字盤の1時位置、サファイヤガラスの裏蓋に記された「グランプリ・ドゥ・モナコ・ヒストリック」のロゴなど、限定モデルらしい意匠も見逃せない。

最高にクールな「モナコ」のデザインと歴史あるモーターレースの邂逅は、我々の予想以上に意義深いものとなっている。

裏蓋では、レースのロゴマーク、限定本数を記した「One of 1000」の刻印などが見受けられる。

問い合わせ先
タグ・ホイヤー TEL:03-5635-7054


Text=戸叶庸之