今さら聞けない! 機械式腕時計7大機構【まとめ】

クロノグラフ、トゥールビヨン、永久カレンダー、ムーンフェイズ、レトログレード、パワーリザーブ、ミニッツリピーター。いつの時代も大人の男たちを魅了し続けてきた機械式腕時計には、こうした数々の革新的な「機構」が存在する。時計好きを公言しているあたなは、本当にすべてを理解しているだろうか? 今さら聞けない基本的な機構を、時計ジャーナリストの篠田哲生氏が徹底解説する。


【クロノグラフ編】

要するに時間を計測する「ストップウォッチ機能」のこと。考案者は数々の時計機構を開発した天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲであり、ふたつの秒針を使うことで経過時間を計測する機構を1820年に考案。さらに1822年には愛弟子ファットンとの共作で、回転する秒針が文字盤上にインクがポタリを落下させて時間を計測する機構を作った。


【トゥールビヨン編】

懐中時計は、普段胸ポケットに垂直に収まっているため、重力が一方向にかかる。こうなると時計の精度を司るヒゲゼンマイがたわんでしまい、精度が劣化してしまう。これを「姿勢差」と呼ぶ。この姿勢差を解消させるために、天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲが考案したのが「トゥールビヨン」。


【永久カレンダー編】

古代エジプト人は、太陽を克明に観察することで、太陽が東の空から上がってくる(1日)現象を、365回繰り返すと同じ季節が巡ってくる(1年)ことに気が付いた。さらに星や月を組み合わせて記録をつけることで、実は1年問というのは、365.25日であるということを理解した。


【ムーンフェイズ編】

地球が光を遮ることで発生する月の満ち欠けは、肉眼で簡単に観察できるうえに、1日ごとの変化がはっきりしているため、古代から暦作りの基準だった。いうなれば、月は"巨大な時計"でもあるのだが、そんな月の満ち欠けを時計上で再現するのが「ムーンフェイズ機構」である。


【パワーリザーブ編】

機械式ムーブメントは香箱と呼ばれる動力ゼンマイが歯車を回す力を、脱進機というパーツ群で正確に制御している。脱進機はテンプとアンクル、ガンギ車で構成され、このテンプというパーツが常に正確に振動することが、回転をコントロールするカギとなる。


【ミニッツリピーター編】

機械式時計における超複雑機構は、トゥールビヨンと永久カレンダー、そしてミニッツリピーターである。その中でもミニッツリピーターは、最も歴史と権威がある。もともと時計は教会の塔などに取り付けられ、任意の時間になると鐘を鳴らして、祈りの時間を知らせた。


【レトログラード編】

時計は円運動の集合体。ムーブメントの内部では歯車が回転し、その動きをに合わせて針も円運動を行う。カレンダーやムーンフェイズのディスクも、もちろん円運動だ。円は終わりも始まりもない「永遠の象徴」であり、ひいては、止まることのない時間の流れを表現しているともいえるだろう。