ヴィンテージウォッチという選択#1 ヘアサロンオーナー松田貴浩さんの場合

時短とは無縁。手間暇を惜しまず掘れば掘るほど面白くなる、ヴィンテージウォッチ。愛用者のリアルな体験談から「はじめての高級腕時計」という視点でその魅力について触れる本企画。前編はヘアサロンオーナーの松田 貴浩さんのロレックス&チューダーのコレクションを紹介する。


王道を知ることではじめて見えた奥深いヴィンテージの世界

松田貴浩さん

アースホールディングスの取締役であり、ヘアサロンを数店舗運営する松田貴浩さんは、ファッションの延長線上から機械式時計に興味を持ち、これまでさまざまな時計を所有してきたという。

「僕も含め、周りは時計好きの人が多いです。はじめて機械式時計を買ったのは独立したばかりの30歳の頃。当時流行っていたカルティエのパシャを皮切りに、パネライのルミノール、シャネルのJ12などを買い続けてみたのですが、若気のいたりだったこともあり、最終的にすべての時計を手放してしまいました」

そこから時計への興味が失せてしまっていた松田さんを振り向かせたのが、ロレックスのスポーツウォッチだった。

「何も知らないのに王道を毛嫌いする人っていますよね? 若い頃の僕もそうでしたが、少なからず色眼鏡をかけて時計を見ていた部分があったと思います。ところが、5~6年前に最新のエクスプローラーⅡを買ってみたら、なぜみんながロレックスを欲しがるのか、なぜ世界中に熱狂的なファンがいるのか、定番と呼ばれる理由を僕なりに理解することができました」

(左から)ロレックス「シードゥエラー Ref.1665」、ロレックス「エクスプローラーⅡ Ref.1655」、チューダー「サブマリーナー Ref.7928」、チューダー「オイスターデイト Ref.7169/0」

それからロレックスの魅力にハマった松田さんの興味の対象はヴィンテージへとシフトしていく。

「3~4年前、マニアの間で“赤サブ”と呼ばれているカレンダー表示付きのサブマリーナー Ref.1680を買って以来、ヴィンテージの世界にのめり込んでいます。たとえ同じ品番でも経年変化などの理由から個体差が生まれるため、ひとつたりとも同じモノがないのが今の時代の時計との違いです。前々から旧車が好きだったこともあり、ヴィンテージロレックスは僕のライフスタイルに馴染んでくれます」

昨今、ヴィンテージウォッチの価格の高騰はすさまじく、とりわけロレックスのスポーツウォッチの評価は非常に高い。その傾向は世界的なオークションハウスの落札価格からも一目瞭然である。

「僕はまだ買いはじめてから3~4年ですが、聞くところによると、いくら掘っても掘りきれないぐらいディープな世界が広がっているそうだから(笑)。これからもマイペースに買い集めていきたいと思います」

初めての腕時計を購入する人にとっても、自らのライフスタイルに合致すればヴィンテージウォッチという選択は"あり"なのではないだろうか。

所有する4本の中でも松田さんが一番のお気に入りが、こちらのロレックス エクスプローラーⅡ Ref.1655。前期型は秒針のディテールなどが異なるというのがマニア間での通説である。


Text=戸叶庸之