ポール ピコが伝承するスイス時計作りの精緻な技巧

イタリア人起業家のマリオ・ボイオッキ氏の手によって、1976年にジュラ州ル・ノワールモン(スイス)で設立されたポール ピコ。その時計は、熟練の職人たちが小さな工房で協力しながら生産しているため大量生産はできない。しかし、スイス時計の伝統に基づいた優れた技術により丁寧に1本1本手作りしているため、希少価値が生まれるのである。ここでは、本物の職人たちによる精緻な技巧によって製造されたポール ピコの時計の真髄に迫る。

ジュラ州ル・ノワールモンにあるポール ピコの本社

ブランドを象徴する「フィルシャー」コレクション

ポール ピコの時計を語るにおいて、まずはその代名詞である「フィルシャー」コレクションに言及しなければならない。本社や工房が置かれているジュラ州の象徴である”モミの木(fir=フィル)”にちなんで命名。その最大の特徴は、シースルーバックモデルのローター部分に彫金された”フィル”のモチーフである。

モミの木のモチーフが彫金された「フィルシャー」コレクションのケースバック

同コレクションには、センターローターと極薄ムーブメントを合わせた「エキストラ フラット」、3時位置の日付表示と6時位置のスモールセコンドが特徴の「スモールセコンド」、巻時間短縮の独自技術・メガローターと華麗なエナメル色彩を組み込んだ「メガローター GMT グランフー」など、バリエーション豊かな複数のモデルが存在。新作の「メガローター GMT」は、ダイヤルに世界大陸が描かれており、その機能性のみならず、腕元をエレガントに彩るアイテムとなっている。


ケースデザインに情熱を注いだ「アトリエ」コレクション

次に紹介するのが、ユニークなデザインを特徴とした「アトリエ」コレクション。ベゼルやケースサイドに施された「フルーティングデコレーション」という独特の刻みが、デザインを際立たせている。

スイス時計作りの伝統に基づいた技術を受け継ぐポール ピコの職人

もちろん、ケースのデコレーションはすべて手作業で施されており、時計製造の伝統と技術、そして美的面での新しい発想を見事に融合。職人のディテールへのなみなみならぬ情熱を、このコレクションから見て取ることができる。


伝説的な自動車レースの王者をたたえた「ジェントルマン」コレクション

ポール ピコの時計作りの幅の広さを示すのが「ジェントルマン」コレクションである。1927年の伝説的なミッレ・ミリア自動車レースで最初の優勝を飾ったフェルディナンド・ミノイヤと、ジュゼッペ・モランディをたたえる限定版(下の写真はすべてミノイヤモデル)。ジェントルマン・クロノグラフと3針を特徴とした優雅かつ古典的で洗練された自動巻き時計となっている。


古典的伝統と現代的革新が融合した「ニューテクニカム」コレクション

1993年に発売されたポール ピコを代表するフラッグシップモデル「テクニカム」の重要な後継モデルがこの「ニューテクニカム」コレクション。ケースには、希少で美しきビンテージクロノグラフの伝説的な手巻きムーブメント「レマニア」が搭載されている。

「ニューテクニカム」に搭載されている伝説的な手巻きムーブメント「レマニア」

真のスイス時計製作の古典的な伝統、そして、現代を生き生きと感じさせる優雅なデザインと技術力を見事に融合させたコレクションとなっている。

問い合わせ
一新時計 TEL 03-6854-5802

Text=鈴木 悟(ゲーテWEB編集部)