連載「意欲的新作ウォッチ」の第143回は、タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ × ポルシェ オレンジレーシング」を取り上げる。
モータースポーツへの情熱を色彩で表現したスペシャルエディション
2021年2月にパートナーシップを締結したタグ・ホイヤーとポルシェは、これまで5本のコラボレーションモデルを発表し、いずれも成功を収めてきた。
モータースポーツを接点に約70年にわたって、レーストラックの内外で交流を深めてきた両社の共通点のなかでも象徴的なもののひとつが、「カレラ」の名称。この名は、世界で最も危険なレースと評される『カレラ パナメリカーナ』に由来する。1954年、ポルシェはこのレースで念願のクラス初優勝を果たし、それ以来、モデル名の「カレラ」の名を冠するようになった。一方、ホイヤー社（現タグ・ホイヤー）の創業家四代目のジャック・ホイヤーは、1962年のセブリング12時間レースでロドリゲス兄弟からこの刺激的なレースの名を聞いて、1963年の発表予定の新作クロノグラフにその名を付けることを決定した。
6本目となる最新作「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ × ポルシェ オレンジレーシング」は、モータースポーツに対する限りない情熱をタイムピースとして表現したものだ。
タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ × ポルシェ オレンジレーシング
自動巻き、SSケース（ブラックDLC）、径44mm。¥852,500 ※4月1日より¥885,500に価格改定。
時計の所々で見られるオレンジは、アスファルト上でマシンが放つ灼熱の閃光、あるいはスピードの象徴である「火」を連想させる。さらに、もうひとつのキーカラーであるブラックとのコントラストによって、オレンジはアクセントカラーとしての効果を強めている。パーツごとの質感にも徹底してこだわり、ケースは美しさと耐久性を兼ね備えた最高品質のブラックのDLC加工を、ダイヤルの仕上げはキネティクスやスピードから着想を得ている。またストラップにはテクスチャー加工を施す。
ベセルのポルシェのロゴをはじめ、キーカラーのオレンジはレースの世界観を表現する上で欠かせない。
これまで発表されたスペシャルエディションと同様、ポルシェのステアリングホイールに敬意を示し、自動巻きムーブメントCal.ホイヤー02に搭載したローターはカスタムデザインを採用。そこには、コラボレーションの証である「Porsche」と「TAG Heuer」の文字が記されている。
ケースの裏側にもブラック×オレンジのカラーリングを取り入れている。
2023年はタグ・ホイヤーの「カレラ」の誕生60周年記念にあたる節目の年。これに続く、スペシャルエディションの登場に大いに期待したい。
問い合わせ
LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL:03-5635-7054
■連載「意欲的新作ウォッチ」とは……
2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる“活きのいい”モデルを厳選！ 時代を超えて輝き続ける、腕時計のパワーを改めて感じて欲しい。
