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Sponsored by Suntory Spirits

2022.4.5

ウイスキー「碧Ao」
清塚信也×後閑信吾 
異質の出合いが生む
イノベーションとは?

【SUNTORY SPIRITS】

クラシックの世界に身を置きながら、独自の感性で活躍の場を広げ続けるピアニストと、日本人として初めて世界のトップに立ったバーテンダー。まったく異なる世界で伝統を打ち破ってきたイノベーターが出会った時、そこに何が生まれるのか。革新的なブレンドでつくられたサントリーワールドウイスキー「碧Ao」を片手にふたりが語り合った時間は、比類なきこだわりが響きあう貴重なひと時となった。

革新は王道を外れることから始まる

――この日、撮影スタジオに現れたのは、ピアニストとして数々の実績を残しながら、格式あるクラシック音楽の枠組みを軽々と超え、ポップスとの融合やドラマやバラエティ番組への出演など多方面で活躍する清塚信也氏と、バー業界のアカデミー賞といわれる「インターナショナル・バーテンダー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、独自の世界観を貫く店舗を経営するバーテンダー後閑信吾氏。実は同い年のふたり。お互いお酒好きということも相まって、今回が初対面とは思えないほどお酒論から仕事論まで話が弾んだ。

後閑信吾(以下後閑) ウイスキーお好きなんですよね。

清塚信也(以下清塚) コロナ禍でバーに行けなくなってからは、家でも愉しむようになりましたね。味わいの向こう側につくり方や産地などのストーリーを感じられて、身近に置いて気楽に愉しめるのがウイスキーだと思っています。 自分のYouTubeチャンネルでもよく、ウイスキーを飲みながらピアノを弾いています。すごく気持ちよく弾けるんですよね(笑)。その時の気分で銘柄を選んで、欲しい音を奏でるという感じです。

後閑 ウイスキー片手にクラシックの名曲を弾くなんて、そんなことをする方はクラシック界にいないのでは?

清塚 普通怒られます(笑)。YouTubeの生配信はもちろん、クラシックの技術でポップスを弾いたりしても、昔はよく批判されました。 後閑さんも最近はワインのカクテル専門店を出されたり、時には和牛を使ったカクテルを考えられたりと、ルールにとらわれず、面白いことをやってらっしゃいますよね。

SHINYA KIYOZUKA/1982年東京都生まれ。5歳よりクラシックピアノの英才教育を受ける。モスクワ音楽院に留学。日本ショパン協会主催ショパンピアノコンクール第1位など、国内外のコンクールで多くの賞を受賞。自身のコンサート開催、オリジナル曲を含めたCDの発表のほか、ドラマ『コウノドリ』ではピアノテーマ・監修と俳優を兼任。バラエティ番組などにも出演し、音楽の魅力を幅広く伝えている。

後閑 日本って、その業界でスタンダードとされること以外は“邪道”とみなしてしまう傾向がありますが、新たなことをすれば、必ず最初は“邪道”と言われてしまうもの。それが認められて定着することで“王道”になると思うんです。

清塚 ご自身でも邪道という意識を持って、続けてこられたわけですか?

後閑 そうです。例えば一番の邪道は、事前にカクテルの仕こみをすることかも。もちろん最後の仕上げはその場でしますが、1杯1杯お客様に合わせてつくるというこれまでの常識からしたら、それはありえないと言われてしまいます。でも、時間をかけた仕こみのおかげで、提供スピードを上げられるので、お客様を長く待たせることがないですし、味も安定します。商品としてもビジネス的にもいいことしかないんです。だから信念のある邪道なら、それでいいと僕自身は思っています。
でもバー以上にクラシックこそ、まさに伝統と歴史のある世界。そのなかで過去にとらわれない表現方法や活動をされている清塚さんも邪道を進んでいるのでは(笑)?

清塚 邪道と言われることが自分の評価だと思っています(笑)。私はコンサートで弾く前に曲の紹介をするんですが、コンサートでピアニストが喋るなんて、絶対タブーだったんです。もちろん若い時は、かなり批判されて悩んだこともありました。でも、この「ジャーン」という響きはベートーベンが耳が聞こえなくなった絶望を表しているとか、時代や宗教的な背景などを伝えることで、クラシックに詳しくなくても、その曲をより愉しんでいただける。それこそウイスキーやカクテルが、どういう工程でつくられたのだとか、つくり手が込めた想いなどを知って飲むと、いっそう美味しいと感じますよね。だから邪道と言われても、それがお客様のためだと信じて続けてきたんです。

SHINGO GOKAN/1983年神奈川県生まれ。2001年バーテンダーのキャリアをスタート。’06年に渡米し、NYの名門バー「Angel’s Share」のヘッドバーテンダーを10年務める。’12年バカルディ・レガシー・カクテル・コンペティションで世界大会優勝。’14年SGグループを創立し、中国・上海に「Speak Low」をオープン。現在国内外で8店舗を経営。’17年バー業界のアカデミー賞といわれる「インターナショナル・バーテンダー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。

無二の発想は揺るぎない
コンセプトから

――お客様のために邪道を貫く信念、それこそを最大の評価とする清塚氏と後閑氏。奇しくも彼らの傍らにある「碧Ao」は、世界で初めて、自社蒸溜所のみの5大ウイスキー原酒をブレンドしたウイスキーだ。これまで誰も実現しなかった革新の奥には、ふたりの信念に通じるものがある。

清塚 後閑さんも禁酒法時代のアメリカをイメージしたバーなど、今までにはないようなお店を手がけていますが、どういう発想から生まれるんですか?

後閑 カクテル作りもお店作りも同じなんですが、一番大事にしているのが、コンセプトの決定です。それがぶれると、どこに着地すればいいかわからなくなって、絶対に失敗します。

甘く華やかな香りとまろやかな口当たりながら、厚みのある味わいの「碧Ao」。世界5大ウイスキーの個性を1度に感じるストレート、甘み・スモーキー・スパイシーさが複雑に重なり合うロック、すっきりとした口当たりを味わうハイボールなど、1本でウイスキーの多様な個性を愉しめる。

清塚 そのコンセプトを信じるかどうかは、どう判断していますか?

後閑 その先の姿が描けるかどうか、が僕の判断基準です。未来が見えないと思ったら、どんなに目新しいコンセプトでもやらないですね。

清塚 確かにそれが一番大事だし、難しくもある。ものづくりをしていると、本当にそれを感じますね。よいピアノに、有名なピアニスト、最高のホールが揃えばいい音楽会になる、と思ったら大違い。ポップスでも、よいシンガーによいプロデューサーを合わせれば、絶対ミリオンヒットになるかといえば、必ずしもそうならないですよね。

後閑 清塚さんはクラシック以外のジャンルの方と共演されたりして、それぞれの方の個性を引きだしながら、ひとつの作品をつくってらっしゃる。どのようなアプローチで行っているんですか?

清塚 やっぱり同じで、ちゃんとコンセプトやビジョンを自分で持つこと。そしていくら一流の人材や素材であっても、そのコンセプトに合っていなければ、勇気を持って却下することも必要だと思っています。

後閑 それを成功に導くために意識していることはありますか?

清塚 人に感動してもらいたいという想いに軸を置くことですね。時に相手が面白いと思うことが自分と全然違っていても、です。そこでNOとはねのけるのではなく、自分のなかで昇華させる。そのためには常日頃からあらゆる情報をインプットし、未来を描いて突き進むための自信を持つことも必要だと思います。

後閑 そうですね。僕もインプットの量はすごく大事だと実感しています。清塚さんがおっしゃったように、何を求められているかを読み取る力をつけるためにも必要ですよね。
また僕が常に意識しているのが、記憶に残る体験を提供すること。素材は普遍的なものでも、その場の雰囲気や味のかけ合わせなどで、ストーリーを感じる新たな価値を提供したいんです。

清塚 後閑さんのお酒にとどまらない組み合わせで生まれるカクテルなどは、まさにクリエイティヴというか、味はもちろん保証されたうえで忘れられない体験になる。絶対、誰かに話したくなりますよね。

後閑 清塚さんがウイスキーにストーリーを感じるように、僕もカクテルづくりや店づくりにおいて、なぜこの素材なのか、なぜ照明がここにあるのかなど、ストーリーを大事にしています。その理由が重なれば重なるほど、より体験がリアルになって記憶に残っていくんです。

撮影中もグラスを持つたびに、「碧Ao」の香りに誘われていたふたり。ウイスキー好きの清塚氏に、後閑氏からバーテンダーならではの情報を伝授するなど、話は大いに盛り上がった。次回は、後閑氏のバーで会う約束も。

高めあう熱量が、異質の共鳴に

――同じ熱量を持つ者同士だからこそ、異質であっても互いに共鳴し、新たなものが生まれていく。そんな清塚氏と後閑氏のように、世界5大ウイスキーが持つ豊かな個性を共鳴させて生まれたのがウイスキー「碧Ao」だ。調和を重視する従来のアプローチだけでなく、個性を“重ね合わせ、活かす”という発想も加えたブレンドは、味わいのみならず、口にする者の記憶に残るストーリーをも生みだす。

清塚 ウイスキーを愉しむ大きな要因は香りと味だと思うんですが、この「碧Ao」は、1杯目を飲んだ時、すべての香りと味が一度にさっと抜けていったんですね。それがひとつの味でというのではなく、全部の地域の個性が順番にふわっと口の中を抜けていく感じ。列をなして味わえたっていう感じだったんです。奥行きとも違う、初めて感じる“順番”という感覚でした。全部が主のメロディとして聞こえながらバランスが取れている。ロックで飲んだ時もストレートで飲んだ時も、その違いが愉しくて。

後閑 バーテンダーとしては、世界5大ウイスキーの原酒をブレンドするなんて、なかなか思いつかなかった考えそのものが、単純に大好きですね。それを、小さなクラフトメーカーではなく、サントリーがやったということがすごく革新的。もちろん5大産地に素晴らしい蒸留所を持っているからこそ、できることでもありますよね。
僕はカナディアンとアメリカンウイスキーをベースに、スコッチのスモーキーさとジャパニーズのグリーンな感じが加わった味だと感じたんですが、清塚さんがおっしゃったように、本当にどうやって飲むかによって立ち上がってくる味が違うんです。世界5大ウイスキーの個性が生みだす味と、それを思い切って使った革新的なストーリーが、より味わいに愉しさをもたらすと思います。

清塚 「碧Ao」を飲みながらピアノを弾くなら、ちょっとジャジーな響きをイメージしますね。音楽にも味わいにも、いろんな要素が含まれているから、甘さを感じる日もあれば、苦さを感じる日もある。その人の気分によって際立ってくるところが変わるのが、実にユニークです。

――「碧Ao」を媒介に、今後のビジネスアイデアもどんどん沸いてきた二人。いつかタッグを組み、これまでにないコラボレーションを実現する。そんな話も、夢物語ではないはずだ。

後閑 清塚さんのピアノをセンターに置いた、オーケストラのような空間づくりをするのもいいかなと思いました。クラシックなんだけど、ちょっと雑音もありという空間とか面白そうです。

清塚 やっぱり1点ものというか、その時にしか生まれないものをやりたくなりますよね。ただ一緒にやっただけというコラボレーションではなく、この場でしか味わえない特別な体験というか。例えばお酒の味わいを何らかの形で数値化して、デジタル音楽化してみたり。クリエイティヴなことができそうな気がします。

――話はまだまだ尽きないふたり。音楽とお酒というまったく異なる世界だからこそ、個性と個性を重ね合わせ、未来の王道となる原石をつくりだす。豊かな個性を重ね合わせ、いくつもの味わいを与えてくれる「碧Ao」は、そんな革新者たちにふさわしいウイスキーになるはずだ。

世界5大ウイスキーといわれる「スコッチ」「アイリッシュ」「カナディアン」「アメリカン」「ジャパニーズ」。自社で所有する、それら原酒を世界で初めてブレンドしてできたのが「碧Ao」だ。5大産地に 蒸溜所を保有する世界唯一のウイスキーメーカーだからこそできる証でもある。各国の原酒の個性を重ね合わせることで、複雑ながらも豊かな広がりのある味わいに。700ml希望小売価格:¥5,500(税込)/350ml希望小売価格:¥2,750(税込) アルコール度数:43度

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清塚氏:スーツ¥401,500[オーダー価格]、Tシャツ参考商品、チーフ参考商品(すべてジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン TEL:03-6274-7070)
グラス¥9,900(バカラ/バカラショップ 丸の内 TEL:03-5223-8868)、その他スタイリスト私物
後閑氏:グラス¥9,350(バカラ/バカラショップ 丸の内 TEL:03-5223-8868)、その他本人私物

TEXT=牛丸由紀子
PHOTOGRAPH=片桐史郎(TROLLEY)
STYLING=JOE(JOE TOKYO/清塚氏)
HAIR&MAKE-UP=佐々木 篤 (清塚氏)
COOPERATION=バックグラウンズファクトリー