1961年生まれと1997年生まれ。
親子ほど年齢の離れたふたりの俳優だが、
その感性は驚くほど似ていた。
Text=篠田哲生 Photograph=岡村昌宏 (CROSSOVER)
中井貴一/Styling=荒木大輔 Hair & Make-up=藤井俊二
北村匠海/Styling=鴇田晋哉 Hair & Make-up=佐鳥麻子
中井北村君の年齢になる少し前に、ドラマ『ふぞろいの林檎たち』が始まったけど、出演者は僕も含めてみんな無名。徐々に注目されるようになったけど、当の本人は必死。目の前の階段を一歩ずつ上るしかなかった。
北村僕は8歳でデビューしました。同じというのもおこがましいのですが、僕も小さな階段を少しずつ上ってきた感覚です。
中井大人の俳優へと変化することは難しくなかった?
北村転機となった仕事では、いつも同世代の俳優に影響を受けました。みんなで最高の作品をつくりたいという思いが、自分を成長させたのだと思います。
中井同世代の仲間がいるから、苦しい時を乗り切れたのも僕と同じだね。今年齢を重ねて感じるのは、40代までは上の世代を目指すけど、50代になると今度は下の世代を目指すようになる。半世紀たつと世の中はがらりと変わる。だから“自分のプライドの向き”を変えなきゃいけない。北村君たちの世代を見ると、自分たちにはできないことをやっていて、羨ましいって思うこともあります。
北村僕らは俳優の先輩たちに憧れを抱いていますし、その挑戦する姿勢に突き動かされることも多い。だから“下を目指す”と言ってもらえることは驚きですし、そんな中井さんの姿勢が嬉しくもあります。
クラシック・フュージョン
クロノグラフ キングゴールド
レーシンググレー
ウブロが1980年の創業以来大切に守ってきたスタイルを現代的にアップデートした、ウブロ流のクラシックウォッチ。赤みの強い独自素材キングゴールドを使用し、グレーの色味で上品な雰囲気に仕立てた。自動巻き、18Kキングゴールドケース、径42mm。¥2,830,000
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中井同世代の俳優だけでなく、先輩と付き合うことも大切だと思いますよ。僕も若い時に“粋な先輩”から、仕事だけでなく遊びも学んだ。時計の知識についても、いろいろと教えてもらった。そういった先輩がつけていたのが初期の「ウブロ」で、形がシンプルかつ格好よくて印象的でした。だから現代の「クラシック・フュージョン」を見ると、当時の懐かしい記憶が蘇ってくるんだよね。でも北村君の世代は「時計なんていらない」って感じじゃない?
北村それが逆で、リバイバルブームもあってか僕の周りは時計とかクルマに興味があります。僕の場合は父の影響が大きくて、時計もファッションもカメラも父から学びました。「ビッグ・バン」は爆発力のある人の象徴たる時計のイメージ。それをつけるということ自体が嬉しくなりますよね。
中井ウブロのような一生モノの時計は、若い時に無理してでも買ったほうがいい。すると30年以上の時を経て、自分流のヴィンテージウォッチになる。
北村デニムのように、“時計を育てていく”ってことですね。
中井そこをわかってもらえるのが嬉しい。話が合う世代が、ようやく出てきたね(笑)。
ビッグ・バン
スチール セラミック
2005年に衝撃的デビューを果たした「ビッグ・バン」の初代モデルは現在も人気が高い。セラミックベゼルやカーボンプリントのダイヤルなど、さまざまな質感をミックスすることで立体的に仕上げ、腕元に存在感をつくりだす。自動巻き、SSケース、径44mm。¥1,440,000
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北村匠海/ジャケット¥56,800、ハイネックシャツ¥21,800、パンツ¥36,800(すべてレインメーカー 075-708-2280)、その他スタイリスト私物
中井貴一/スーツ、シャツ、タイ、チーフ、すべて参考価格(すべてブリオーニ/ブリオーニ ジャパン 03-6264-6422)メガネ¥37,400(オリバー ゴールドスミス/コンティニュエ 03-3792-8978)