アールデコ様式で作られた
荘厳なるダイヤモンドの宮殿
ハリー・ウィンストンの名が時計愛好家の話題になり始めたのは、2001年から始まった「オーパス」がきっかけだ。このプロジェクトは、毎回一組の時計師と組んで、独創的かつ美しい限定モデルを製作するもの。ここで蓄積した技術が、現在のハイコンプリケーションに生かされている。
ハリー・ウィンストンは’07年にジュネーブ近郊プラン・レ・ワットに近代的な時計工場を造り、さらに’13年には世界最大の時計コングロマリットであるスウォッチグループに参入する。つまりジュエラーとしての創造性に加えて、一流時計師との結びつきによって得たハイコンプリケーションウォッチに対する知見を獲得し、そしてスイスに時計の製造拠点を造って高度な人材を雇い入れることで、時計メーカーとしての環境を整えていった。そして現在ではラグジュアリーウォッチブランドとして、確固たる地位を確立するにいたっている。
時計機構の歴史に
新たなる地平線を築く
ハリー・ウィンストンの最高峰時計を語るうえで、まず知ってほしいのはトゥールビヨン機構への情熱だ。天才時計師アブラアン-ル イ・ブレゲが1801年に特許を取得した高精度機構は、調速脱進機を丸ごと回転させる高度な技術が求められる。この機構をハリー・ウィンストンでは〝究極のトゥールビヨンの創造〞をテーマとする「Histoire de Tourbillon(イストワール・ドゥ・トゥールビヨン=トゥールビヨンの歴史の意)」シリーズを通じて、新たなスタイル機構表現に挑んでいる。10作目となる「イストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10」は、ブランド史上初めて4つのトゥールビヨンキャリッジを回転させる機構を実現した。またこの技術を発展させた懐中時計「ポケットウォッチ・クアドリ・トゥールビヨン・バイ・ハリー・ウィンストン」は、いにしえの時計文化への敬意を表したモデルでもある。そして、もちろんジュエラーらしいダイヤモンドウォッチも製作しており、爪が見えないインビジブルセッティングを駆使して、隙間もないほどダイヤモンドをあしらった「HW アヴェニューCラージ」の荘厳さには驚かされる。
ハリー・ウィンストンのハイエンドウォッチは、卓越した技術と 柔軟かつ大胆な創造性の融合から生まれた。その魅力を多くの言葉で語ることもできるが、時計を実際に目にすると誰もが言葉を失うだろう。その圧倒的なオーラこそ、最高峰の証でもあるのだ。
クラシックとモダンを
自由に往来する懐中時計
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ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション
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TEXT=篠田哲生
PHOTOGRAPH=Ken Mizoguchi