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2021.11.30

シチズン
シリーズエイト
「引き算の美意識」が
もたらす
上質なるスタイル

【CITIZEN】

エコ・ドライブや電波時計など、時計を実用的に進化させてきたシチズンには、知られざる魅力がある。ひとつはモダンなデザイン。そしてもうひとつが機械式ムーブメントだ。シチズンは長年機械式時計を作り続けてきた、マニュファクチュールでもあるため、デザインと機能の両方で妥協なき時計を作ることができる。その信念が結実したのが「シリーズエイト」。スタイルを楽しむ、上質な時計である。

力強さが際立つ
モダン・スポーティなデザイン

昨今の時計業界を席巻しているジャンルが、「ラグジュアリースポーツ」である。これは1970年代に生まれたジャンルで、ラグジュアリーウォッチ級の仕上げや美しさを持ちつつ、スポーツウォッチとしての機能やデザインを持つ時計のこと。スーツスタイルにもカジュアルスタイルにも対応できる、スマートながら存在感のあるデザインと機能性を持ち、ONとOFFの境界が曖昧になりつつある現代のライフスタイルに最も適切な時計といえるだろう。

シチズン「シリーズエイト」も、その系譜に連なる時計だ。そもそもシリーズエイトは、“引き算の美意識”をテーマにして2008年に生まれたコレクションであり、2021年に機械式ムーブメントとして再始動した。

ブランドを代表する「870 Mechanical」は、二体構造になったベゼルが特徴で、ダイナミックな表情を作り出している。その一方でダイヤルはシンプルに徹しており、大きな針とインデックスで視認性を高めている。平面と斜面で構成されるキレのあるデザインのケースは、ブレスレットやラバーストラップへと連なり、全体的にヘアライン仕上げを施すことでマットな力強さを表現する。

かなり存在感のあるデザインだが、搭載ムーブメントは、細かな調整を行うために「微動緩急針」というシステムを採用するなど本格派。シチズン製の自動巻き式ムーブメントCal.0950は、その精度の高さに絶対的な自信を持つ。

個性的だが高品質。そして美しいディテールをもつ「シリーズエイト」は、シチズンの“創造性”を表現するコレクションである。その筆頭の「870 Mechanical」は、まずはそのデザインに惹かれ、その細部に惚れる。まさに自分らしさを語る時計になっている。

左:シリーズエイト 870 NA1004-87E。モノトーン配色で使いやすい。自動巻き、SSケース、径40.8㎜。10気圧防水。耐磁2種。¥220,000 右:シリーズエイト 870 NA1005-17L。ウレタンラバーストラップなどに、メンズファッションの定番色ブルーを取り入れた。自動巻き、SSケース、径40.8㎜。10気圧防水。耐磁2種。¥209,000

洗練さを際立たせる
シンプルコーディネート

ツートンのベゼルはかなり個性的ではあるが、ラウンドケースの佇まいには正統感があるので、ファッションもベーシックなアイテム×モノトーン配色で洗練された雰囲気を演出。スーツは軽やかな機能系生地のスーツ、インナーはポロシャツで軽やかに。スーツ ¥203,500(ラルディーニ/トヨダトレーディング プレスルームTEL:03-5350-5567)ポロシャツ ¥27,500(ビナイン/エヌエスナイン TEL:03-5877-9442)チーフ スタイリスト私物

ブルーを楽しむ色合わせ

発色のよいブルーのダイヤル&ストラップを活かすために、ファッションはオフホワイトのワントーンでまとめた。単調にならないように、スウェットの下にはモックネットのカットソーを合わせており、首元からチラリと見せるのもテクニック。カジュアルなアイテムだからこそ、素材の良さにもこだわっておきたい。スウェット ¥33,000(アスペジ/トヨダトレーディング プレスルーム TEL:03-5350-5567)中に着たインナー スタイリスト私物

力強いケースと遊び心のあるダイヤル

左:シリーズエイト 830 NA1010-84X。ダイヤルの表現力を楽しみたい。自動巻き、SSケース、径40㎜。10気圧防水。耐磁2種。¥198,000 右:シリーズエイト 830 NA1015-81Z。ケースもブレスレットもブラックでまとめて、ダイヤルの華やかさを強調する。自動巻き、SSケース、径40㎜。10気圧防水。耐磁2種。¥209,000

先述した「870 Mechanical」が大胆さを感じさせるデザインであるなら、この「830 Mechanical」は、より艶やかさや色気を際立たせたモデルといえるだろう。870 Mechanicalと同様にラグジュアリースポーツウォッチの文脈にありながら、ケースはさらに多面構造を強めた。それはまるで最高峰のスーパーカーのようでもある。さらに別体パーツを組み合わせたリューズガードの迫力も特筆ものだ。

しかし存在感があるのは、ケースだけではない。不思議な光沢感を持つダイヤルは、白蝶貝(真珠母貝の内側層)を薄くカットした円盤の上に幾何学模様のカットを施した金属プレートを組み合わせたもの。カットしたプレートの下で輝く白蝶貝が印象的だ。ケース径は40㎜と、現代のスポーツウォッチとしてはやや小ぶり。しかしケースのカット面やダイヤルが華やかなので、十分に手元のアクセントになるだろう。

「830 Mechanical」はデザインを楽しむだけの時計ではない。「870 Mechanical」にも共通するのだが、シリーズエイトの時計たちに搭載するシチズン製のムーブメントCal.0950は、現代的なデジタル環境にも耐えうる「第二種耐磁時計」になっている。そのためスマホやパソコンなど強力な磁気を発するものに近づけても磁気帯びする可能性は低い。しかも高性能でありながら厚みが4.13㎜しかないため、時計全体の厚みを11.7㎜(870 Mechanicalの場合は10.9㎜)に抑えることができた。このケースの薄さのおかげで、スポーティなデザインにエレガントな雰囲気も加わったのだ。

シリーズエイトは、凝った仕上げやデザイン、優秀なムーブメントを持つ時計であるが、過剰な主張はない。実際に腕につけ、時計を眺める。その瞬間に、いい時計だなと思う……。それこそが“引き算の美意識”なのである。

ビジネス色を薄めて時計をこなす

白蝶貝ダイヤルの華やかな存在感を楽しむなら、ファッションは硬くなりすぎない方がいい。ややダークなブラウンのジャケットは、ニュアンスのある生地なので重たくならない。インナーはシャツ&タイではなく、クルーネックのニットでカジュアルにまとめたい。ジャケット ¥69,300、パンツ ¥36,300(チルコロ 1901)ニット ¥35,200(アスペジ/すべてトヨダトレーディング プレスルームTEL:03-5350-5567)

洒脱なデザインを楽しむなら

ブラックのケース&ブレスレットのおかげで、さらに白蝶貝のダイヤルの華やかさが際立つこのモデルは、まさしく休日のための時計。リラックス感のあるアイテムと合わせて楽しみたい。フラップポケットのカーキシャツはミリタリーっぽさがあるが、素材は柔らかでシルエットもオーバーサイズ。トレンド感を感じさせるコーディネートで時計を引き立てる。シャツジャケット ¥26,400(スケアー/アンシングス TEL:03-6447-0135)

腕元にアクセントを加える限定モデル

高級時計市場における2021年のトレンドカラーだったグリーンを、ダイヤルとレザーストラップに取り入れた限定モデルが登場。さらにケースの色をグリーンと相性の良いゴールドにすることで、華やかさを際立たせている。一見すると派手にも見えるが、グリーンの色味がダーク系にしており、さらにケースは面によってヘアラインとポリッシュで仕上げを変えているので、輝きにメリハリが生まれている。本格的な機械式時計を、あえてファッション的に楽しみたいなら、こういう選択肢も正解だろう。シリーズエイト 870 NA1002-15W。世界限定400本。自動巻き、SSケース、径40.8㎜。10気圧防水。耐磁2種。¥220,000

お問い合わせ

シチズンお客様時計相談室

TEL:0120-78-4807

シリーズエイトの詳細はこちら

TEXT=篠田哲生
PHOTOGRAPH=高橋敬大<静物>, 多田 悟(Rooster)<人物>
STYLING=仲唐英俊