あらゆるビジネスシーンで頼りになる!難題解決レストラン

取引先のあの人を喜ばせたい、打ち合わせの会食だけど小腹を美食で満たしたい、時には部下の愚痴もゆっくり聞いてやらなければ……。どこにでもありそうな、そんなシチュエーション。ビジネスシーンの店選びにいつも頭を悩ませるビジネスマン諸兄。そんな難題を解決してくれる使い勝手抜群なレストラン選びを指南します。


『出雲蕎麦 錦織』

 高感度な人種と家賃の高さのおかげで、超人気店以外はくるくる変わる中目黒。そのせいか「大人がリラックスできる店が少ない」とお嘆きの諸兄が多い。今宵の接待相手もそんな方々だ。
 ならばとお連れしたのは『出雲蕎麦 錦織(にしこり)』。over40ともなれば夜は軽めにとの要望が出るのは世の常だが、ここは美味のそば、しかも都内では珍しい出雲そばが主役。さらに卵や豆腐などに使う素材も奥出雲産中心で、奇を衒(てら)わない味が安心の和みを約束する。ゆったりした、岩石と古材を使った一見シンプルだが実は贅沢な内装は、大人こそが落ち着ける雰囲気だ。

店の一番奥にある半個室は琉球畳敷き。堅苦しくなく、砕けすぎない雰囲気がいい。


 男性だけの会合だから、より寛(くつろ)ぎやすいだろうと半個室の座敷を用意してもらったが、「今度はデートにカウンターを使おうかな」と主賓が呟(つぶや)いたのはご愛敬。土曜・日曜・祝日は通し営業だから、ゆっくりと昼酒を楽しむことも可能。プライベートの食事にもぴったりだ。もしもそんな場面に遭遇しても、お互い暗黙の了解ということで。

1.出雲割子蕎麦¥850。割子追加一枚¥250。〆(しめ)はやはり、殻がついた玄そばを製粉する出雲そばの、高い香りと独特のコシを満喫したい。2.奥出雲和牛蕎麦¥2,100。柔らかく旨みの強い肉を生かす甘めの出汁が、また旨い。3.宍道湖蜆の酒蒸し¥650。4.島根名物赤天¥600は七味唐辛子マヨネーズ添え。
Izumo Soba Nishikori
TEL:03-6452-4725
住所東京都目黒区青葉台1-23-4 グランベル青葉台2F
営業時間11:30~L.O.14:30/17:00~L.O.22:30※土曜・日曜・祝日は通し営業
休み無休
席数50席
個室1室(8名)
アクセス東急線中目黒駅より徒歩4分

『リストランテ イタリアーノ グラッポロ』

 白金台『グラッポロ』で大切なクライアントとふたりで会食。しかし、急ぎの案件が携帯にかかってきた。やむを得ず席を外し、席に戻ると相手はすっかり不機嫌に……と思いきや、サービスの柴田さんと会話が弾んでいるではないか。まさに九死に一生、心の中で彼女に感謝。

絶妙なサービスで安心させてくれる柴田ルミ子さん。


 また、料理も大いにビジネスディナー向き。古典を尊(とうと)び、豪快で、素材の味が明快なイタリアンは昨今貴重。料理の薀蓄(うんちく)を長々と語られるよりも、ビジネストークの最中はパッと見て「いかにも旨そう」、ひと口食べて「これは旨い」とわかり合えるのが最高だ。ベテラン三浦仁シェフの料理はまさにそれ。国産を中心に極上の食材を吟味し、必要最低限の調理でビシッとキメてくれる。

心地よく話せるカウンター席。アンティークの真空管アンプから流れるBGMも居心地のよさの一部。
会食や接待の際に重宝するのが人目も気にならない半個室。

 料理を食べ終えて「もう少し話したい」となったら、すぐ近くにある系列のバー『オステリア ルスティカ ドムス』をさっと予約してくれる。ビジネスマンに必要な細やかな気配りをすべてサポートしてくれる援護射撃にこれからも頼りたい。

1.黒いちじくとプロシュートとピアダ¥1,400。ピアダは無発酵の素朴なパン。2.手長海老トマトクリームのパッパルデッレ¥2,400。3.牛ロース 黒トリュフソース¥4,800。
Ristorante Italiano Grappolo
TEL:03-5793-5300
住所東京都港区白金台4-9-18 バルビゾン32 B1
営業時間12:00~L.O.13:30/18:00~L.O.22:00
休み日曜
席数カウンター10席 テーブル14席
個室半個室1(2~10名)
アクセス地下鉄白金台駅1番出口より徒歩3分

『グランド ハイアット 東京 オーク ドア』

 ホストからの事前の要望をくみ、いかにゲストをハッピーにさせるか。そのためにスタッフ全員で事前ミーティングを行い、できる限りの準備をし、本番に備えてくれるレストランがあったら……。そんな願いをかなえてくれるのがグランド ハイアット 東京の『オーク ドア』だ。
「海外のゲストには出身地をたずねたり、少しずつ距離を縮めながら、ゲストもホストの方にもリラックスしていただくことが大事」とはマネージャーのヴィクター氏。時に英語力に不安を覚えても、そんな23カ国語を操るホテリエに任せれば問題なし。ジョークも交えながら、会食の場を解きほぐしてくれる。

ヴィクター氏をはじめ日本人を含めた多国籍な熟練スタッフが海外ゲストをもてなす。
開放的なダイニングルーム。奥にはもちろん個室も完備される。

そして、『オーク ドア』の料理は人の心だけでなく、胃袋も鷲摑(づか)みに。名物のウッドバーニングオーブンで焼き上げる料理は豪快にして繊細。ここ一番の海外ゲストとの会食は、やはり一流ホテルのサービスと美味に頼るのが正解である!

1.フルーツトマト オーガニックスイートオニオン エキストラバージンオリーブオイル¥1,900。2.北海道産帆立貝のロースト ハーブバター¥2,800。(すべて税・サ別)。
3.神戸牛サーロインステーキ(A5)300g¥24,800(税・サ別)。
GRAND HYATT TOKYO THE OAK DOOR 
TEL:03-4333-8784
住所東京都港区六本木6-10-3 グランドハイアット東京6F
営業時間11:30~14:30(土曜・日曜・祝日~15:00)
/15:00~17:00/18:00~22:00
休み無休
席数238席
個室1室(最大12名)
駐車場200台
アクセス地下鉄六本木駅1b出口より徒歩3分

『歌京』

 久しぶりに合う同期。今や彼とはライバル同士。みっちりと仕事の話をしたあとの2軒目には、同世代で行ってこそ楽しいダイニングを目指す。
 店内に一歩入れば、1980年代を中心に70~90年代のカルチャー一色。レコードジャケット、雑誌、久しぶりに見るカセットテープや黒電話。モニターには当時のCMも流れている!

カウンターやテーブルにある昔の雑誌は読み放題。アイドル雑誌を中心に漫画などもあり、青春時代を語り合える。


「この曲好きだったんだ」「いつも聴いてたなぁ、実家にまだあるよ」……さっきまでのビジネスマン面(ヅラ)はどこへやら、大はしゃぎの同期。もちろん自分も嫌いじゃないから、入社した頃の無邪気さで盛り上がるしかない。
 さらに、料理も秀逸。名物のたまごかけご飯にはウニやイクラがてんこ盛り、ポテトサラダにはトリュフがのり、「大人になったもんだ」としみじみ。
 明日からはまたビジネスの場で渡り合うけれど、やはり同期の絆は固い。時々気分をゆるめてゆっくり語り合うなら、ここしかないという1軒。


1.トリュフポテトサラダ¥1,080。(Sサイズ¥730)。2.海の宝石 たまごかけご飯¥1,780。(トリュフたまごかけご飯¥1,720もあり)。3.素朴ながら人気の、超分厚い! 銀ダラの西京焼き¥1,410。
Kakyo  
TEL:03-3403-7255
住所東京都港区麻布十番1-5-8 ヴェスタビルB1
営業時間18:00~翌4:00
休み日曜
席数カウンター10席 テーブル28席
アクセス地下鉄麻布十番駅7番出口より徒歩2分

『ザ・ギャンゲット バイ モジャ』

 要するに接点がないんである。それが、ゲーテ世代とunder30の問題点。それを無理矢理自分の世界に呼び込もうとするから、齟齬(そご)をきたす。「明日早いので」という決まり文句で2軒目を断られて鼻白む。それは、幾つになっても意外と傷つくもの。2015年現在、大人が格好よく誘(いざな)える世界を、ぜひ押さえておこう。
 お薦めするのが、渋谷『ザ・ギャンゲット バイ モジャ』。パリの古い社交場や遊園地をイメージしたここはビンテージ・ミュージックがかかり、バーレスクやベリーダンスなどのイベントも行われるユニークな遊び場。ポールダンスなどは特に若い女性に人気で、世代をまたぐ興味がここに集まっているから、普段よりずっと会話も弾む。

フレンチ・ビヤホール+和テイストは、健康的な大人の夜の遊び場。
左:店中央のステージは演奏のほか、パフォーマンスも。右:ポールダンスやヨガなどのイベントも開催している。
喧噪が楽しいホールをあとにし、秘密の小部屋での密談も可。


「イベントは、肉体感や生音重視でセレクトします」と店長の臼井俊輔さん。敢(あ)えてWi-Fiが繋がらないのも、出逢いと情報交換の場であろうとするが故。
 健康的な猥雑さとライヴ感が、部下たちとの適切な距離の縮め方をサポートしてくれる。

1.前菜4種盛り合わせ¥1,400。2.シーフードサーカス¥1,300。+¥100でできるバーボンフランベは場が盛り上がること必至のひと品。
THE GUINGUETTE by MOJA  
TEL:03-6418-8984
住所東京都渋谷区渋谷1-11-1-B1
営業時間17:00~L.O.翌1:00(金曜・土曜~L.O.翌2:00)
休み日曜
席数100席
個室1室(最大20名)
アクセスJRほか渋谷駅より徒歩4分

『ダイニング エス』

 とかくオンナの悩みは難しい。寄り添いすぎても放置しっぱなしでも問題が起こる。男女いかんにかかわらず、部下を持つ管理職の溜息は共通だ。
 とはいえ女性が求めるのは解決より共感・共鳴。彼女たちの秘めたる困難すべてを解決するのは不可能だが、健康面を気遣ってやることはできる。そんな時の奥の手が、良質な野菜や肉・魚をたっぷりいただける創作イタリアンの『ダイニング エス』。肉なら赤身を低温で酵素を残して焼き、魚は生を昆布で締めてカルパッチョにと、いずれも真空調理を中心に美味しく身体に優しい料理を提供する。

国産豚ロース肉 柔らか低温調理¥2,400。お好みでワサビやレモンなどをつけて。
1.本日の鮮魚のカルパッチョ¥1,400。2.ほたて貝といんげんのトマトソースパスタ¥900(ランチ)。原宿『バスタパスタ』出身の栗本シェフの生パスタは絶品。3.ランチ時のサラダビュッフェ¥200。


「僕もグレイシー柔術をやってきて、身体には人一倍気を遣っています」という栗本清シェフの料理は、一流アスリートがお忍びで訪れることからも信頼度が推し量れる。
 女性をもてなすならランチもいいが、少々奮発してコースを予約してみては? スタミナと美しさ、両方が手に入る食事は、絶対的な正義なのだから。

部内の少人数ランチでも敢えての個室使い。ざっくばらんな会食にも特別感を演出。
Dining S 
TEL:03-6455-4010
住所東京都港区南青山2-18-20 南青山コンパウンド B1
営業時間11:30~L.O.14:30/17:30~L.O.22:30
休み日曜・祝日
席数50席
個室4室(2名~)
アクセス地下鉄外苑前駅4a出口より徒歩4分


『矢の根寿司 日本橋本店』 

 接待ともなれば、流行や人気のレストランで、もてなして気分よく食事するのも悪くないが、今回は商談の席。しかも相手は鮨好きときた。商談をしながらの鮨。鮨といえば醍醐味はカウンターだが、それは避けたい。そんな時に必要なのは当然、個室。ならば、黙っていても味にも安心できる老舗を選択する。
 この店は場所柄、接待需要も多く、掘りごたつ式の個室もあれば、外国人には嬉しいテーブル個室も完備する。昭和27年創業、江戸前の伝統を守りつつも時代の流れを敏感に読んで、現代の需要に合わせ進化してきた。この柔軟な姿勢こそが、長年この地で店を営んできた強みといえるかもしれない。

1.カウンターは11席。少し商談も和んできたなら移動してもいい。2.テーブル使用の洋個室。落ち着いた雰囲気。外国人対応にもお薦め。3.掘りごたつ式の和室。じっくりと腰を据えて過ごしたいならこちらが最適。


 ネタは築地だけでなく、全国各地から届く新鮮なネタと独自の方法で炊き上げるシャリなど、こだわりは多岐にわたり、ゲストの喜びを一番に考える。
 すべてにおいて安心できる逸品と場面に応じた個室の数々。ビジネスチャンスの際、ここを予約をしておけば間違いない。

上:手前からコハダ、アジ、〆サバ。下:手前から大トロ、ノドグロの炙り、車エビ。江戸前の仕事を施した握りの味わいも秀逸。
お造り(写真は三人前)。スミイカ、トリガイ、中トロなど、旬のネタを揃える。料理はすべて¥7,000~のコースより。
Yanonezushi Nihonbashihonten
TEL:03-3241-4679
住所東京都中央区日本橋室町3-3-9 日本橋ITビル1F
営業時間11:00~L.O.22:00(土曜~21:00)
休み日曜・祝日
席数カウンター11席
個室7室(2名~)
アクセス地下鉄三越前駅A10出口より徒歩10分

『ダイニズテーブル』

 年齢的にも格を感じる行きつけが欲しいけど、単なる顔なじみでは物足りない。知る人ぞ知る名店で、ここぞの時に頼りになる店……。それが 『ダイニズテーブル』。創業35年、モダン中国料理店として最先端の遊び人たちに愛されてきた店だ。

まずはウェイティングバーで一献。バー横には秘密の個室もあり。


 80年代以降東京の夜の変遷に関わってきたオーナーの岡田大貳(だいに)さんは、すでに伝説的な人物。彼が今も、客を迎えてくれる。料理は今年、フランス料理人の梶間稔シェフを迎えてブラッシュアップ。開業当初より目指していた新中国料理を、新たにフレンチの概念で再構築し提供する。
「我々の挑戦に常連客も驚いているけど、概ね好評です」と笑う岡田さん。食事や酒の好み、連れの顔ぶれ、時には内緒話まで、常連たちは彼に情報を握られ、居心地よく掌の上で転がされる。
「初めてのお客様こそ長くお付き合いしたいから、より丁寧に対応させていただきます」とは心強い。老舗の神髄とは、オーナーの心意気にあるのだ。

1.三品盤を再構築したマグロのミキュイ¥1,000。2.ピータンと季節野菜と豆腐の和え物¥1,000。3.焼きフカヒレのコンソメスープ掛け¥6,000。フレンチベースのコンソメはこの1品のためだけに作られる。
DAINI’S table
TEL: 03-3407-0363
住所東京都港区南青山6-3-14 サントロペ南青山B1
営業時間11:30~L.O.14:30/17:30~L.O.22:00
休み日曜
席数58席(うちバー8席)
個室2室(各4名)
アクセス地下鉄表参道駅B1出口より徒歩10分


Text=木原美芽、北條芽以、吉田慎二、盛岡ツトム Photograph=中庭諭生、上田佳代子、富澤 元、大谷次郎、菅野祐二


*本記事の内容は15年9月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。
14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)