【RED U-35】日本一の若手料理人が決定!

RED U-35の"RED" は、RYORININ's EMERGING DREAMの略。 35才以下の若き才能を発掘する日本最大級の料理人コンペティションだ。今年で6年目を迎える本大会の応募総数は過去最多567名。グランプリの"RED EGG"を手にするのは誰なのか、その最終審査と運命の授賞式の模様をお届けする。


未来を担う料理人の発掘とその育成

若き料理人の「スターシェフへの登竜門、RED-U35が、先日、ついにファイナルを迎えた。半年間にわたる審査を乗り越え、応募者567名のなかから最終選考に進んだのは6名。「誰がグランプリを受賞してもおかしくない」という実力派がそろうなか、ファイナルステージでは実際に調理師専門学校の生徒たちに先輩料理人として"授業"を行うという課題が与えられた。

そもそも、RED-U35のテーマは未来を担う料理人の発掘とその育成であり、これまで審査員によってその可能性を持つ人材が選出されてきたのだが、最後は「料理人として、次世代のシェフにどういうメッセージを届けることができるのか」が、問われる形になった。

6人6様、それぞれの実体験をもとにしたエピソードを織り交ぜながら、料理人にできること、料理人でなければできないこと、を伝えるという内容に生徒たちも興味津々の様子で、授業後の質疑応答でもファイナリストたちに多くの質問が寄せられた。

「近い将来、AIシェフが登場すると思う。AIの料理人にできること、できないことは?」といった生徒の質問に対し、「仕事の緻密さは確かに間違いがないと思うが、料理人にとって一番大切なのは、人と人とのコミュニケーション。人の心を想いながら料理をするという気持ちが、創造力をさらに高め、人間性を豊かにしてくれる」と答えたのは、海外修行経験を持つフランス料理・Restaurant Pèir PIERRE GAGNAIRE​・小林環希。

ただ単に料理を作る人間ではなく「ご縁をつなげる人であれ」というメッセージを伝えたのは能登出身の日本料理・日本の宿 のと楽 宵待・川嶋 亨。地元の素晴らしい食材や美しい風景、生産者の思いを料理を通して伝えたいという願いが強い料理人らしい授業で生徒の心を惹きつけた。

食材の尊さとそれをあつかう責任の重さ、楽しさを語った中国料理・Wakiya 一笑美茶樓・立岩幸四郎は、中華料理に多く用いられる干貝柱の乾物を持参して生徒の五感に訴える内容に。

自作の紙芝居で「思いやりこそが料理の根本」と丁寧に伝えたフランス料理・コンラッド東京・山本紗希。

BGMを流しながらこの授業のために作ってきたというマッシュルームのコンソメスープを生徒たちにふるまい「相手に幸せを感じてもらえることが自分の最大の喜び」と、真心を込めた料理で生徒の心を動かしたフランス料理・Maison de Taka Ashiya・糸井章太。

アンカーを務めた最年少ファイナリストのフランス料理・レストラン Bio-s・本岡 将も人柄がにじむ温かい言葉で、堂々と料理人という生き方の素晴らしさを伝えた。

すべての審査を終え、迎えた運命の授賞式。滝久雄賞、岸朝子賞に続き、準グランプリを伝えるレフェルヴェソンス・生江史伸シェフが登壇。立岩と本岡の2名が準グランプリに選ばれるという異例の事態に会場が湧くと同時に、ファイナリストにはさらなる緊張が走る。残るは4名。泣いても笑っても2018年のレッドエッグに輝くのはただひとりだ。

審査委員長、Wakiya 一笑美茶樓の脇屋友詞シェフによってその名が発表されると、会場のボルテージは最高潮に。勝利の女神は、最終審査でも説得力と真心のある授業で生徒たちの心を掴んだ糸井章太に微笑む形となった。

大きな拍手が鳴り止まないなか、審査員からはファイナリストたちに激励の言葉が。LA BETTOLAの落合 務シェフは全員の努力を讃え「年齢的に孫でもおかしくない世代の台頭が本当に喜ばしい。最終審査でも激論を交わしたくらい、レベルの高い大会であった」と語り、作曲家の千住 明氏からも「同じ職人としてクリエーターとしてとても刺激を受けた。6人の個性をこれからも見守り続けたい」とエールが。

総合プロデューサーであり放送作家の小山薫堂氏は「今回、グランプリを受賞した糸井くんが未成年のころにこの大会が始まったというのが感慨深い。数年前までは、美味しいものを作ることこそが使命というシェフが多かったが、いまは環境や社会問題にもきちんと目を向ける若手が増えていることが頼もしい。この大会も2020年、またその先を見据えてさらなる飛躍を目指したい」と結んだ。

いま、日本の食は大きな過渡期を迎えている。若手の躍進は目覚ましく、世界で活躍する日本人シェフも少なくない。夢と希望を持ち、努力を重ねる若き情熱が、日本の食文化をますます発展させていくことは間違いない。


RED U-35公式サイト
https://www.redu35.jp/


Text=小寺慶子


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