第5回ゲーテ・レストラン大賞 悶絶レストラン ゲーテイスト2017 東の「天ぷら」VS 西の「串揚げ」

江戸前の天ぷらに、聖地・大阪で育まれてきた串揚げ。奥深い文化を持つこの両美食に、粋な料理人の創意工夫で革新を起こす店が登場。秋元康・小山薫堂・見城徹、その最前線から、注目の2店を紹介!

天婦羅 あら井(Tempura Arai)
<天ぷら/神楽坂>

【キラーのひと皿】「変わりダネ天ぷら」/「変わり皿」は¥10,000のコースの一例。左から雲丹のしそ巻き、ズワイガニの湯葉巻き、鱈の白子。丁寧な仕事を施したオリジナル天ぷらも多数。

 天ぷらの話が上がったところで、僕は東京、神楽坂で感動した店を。以前、秋元さんが『天孝』の話をされていたと思うんですが......。

 そうだね、フジテレビが河田町にあった頃からよく通ったな。今でも天ぷらを食べるとなると『天孝』に落ち着く。ご主人の、お客さんの雑談をうまく流す感じが見事なの。

 その『天孝』のセカンド店が昨年オープンしまして。息子さんが始められた店なのですが、伝統的な江戸前の仕事を踏まえつつ、斬新なネタを揚げてくれるのが面白くて。

 へえ。どんな?

 前回は海苔を揚げてもらったし、今度は貸し切りで竹輪を持っていこうなんて話もあります(笑)。イチゴの天ぷらも旨かったですね。天ぷら職人って「そんなものは揚げられない」みたいな職人気質や頑固な感じがあるけど、ここは店主の新井さんが"ラボ"と言っているように、自由度が高いところがあって、そこがまた魅力なんです。

江戸前の王道、穴子や海老ももちろん健在。

 また東京に天ぷらの新星が現れたんだね。僕は、天ぷらは塩じゃなくて天つゆで食べたいんだよね。大阪には旨い天ぷら屋がないというのが僕の持論。天つゆを使うのは邪道だというのが大阪にはあるような気がする。だから大阪には天ぷら文化が定着しないのかなぁ。

 『あら井』の天つゆはすっきりしていて、見城さんも好きだと思いますよ。

 何より、伝統を守りながら積極的に新しいことにチャレンジする料理店や職人が出てくるのは、頼もしいことだね。

 深夜まで営業していてまだ席が取りやすいので、ゲーテ読者の方も今が狙い目です!

職人の仕事を間近に見られるのもカウンターの醍醐味/21時以降はコースの他にアラカルトのオーダーも可能。
天婦羅 あら井(Tempura Arai)
TEL:03-3269-1441
住所:東京都新宿区神楽坂4-8 AGEビルB1
営業時間:17:00~L.O.24:00(土曜のみ11:30~22:00)
休み:日曜、祝日
備考:席数:カウンター12席、個室:なし

銀座 六覺燈 麻布十番店
(Ginza Rokukakutei Azabujyubanten)
<串揚げ/麻布十番>

【キラーのひと皿】「こんにゃくの串揚げ」/「こんにゃくの串揚げ」は、赤ワインのオーガニックソースがベースのゴマとからしのソースで。水分を抜いて味を入れてあり、独特の食感が楽しめる。

 東京の天ぷらもいいけど、じゃあ僕は大阪発の串揚げ屋さんを推そうかな。最近ハマっている麻布十番『六覺燈(ろくかくてい)』です。

 確か銀座の交詢ビルの中にも店がありますよね。

 そうそう!

 俺も大阪の本店は行ったことがあるけど、これはいいことを聞いたよ。串揚げは好きなのに、東京には旨い店がないってずっと思っていたから。

 ないでしょう? 僕もそう思っていたんですけど、あったんですよ。麻布十番に。

 美味しい串揚げ屋って、みんな大阪だからね。

 あれは不思議ですよね。東京に旨い天ぷら屋はあっても、旨い串揚げ屋はない。

 その反対で、大阪には旨い天ぷら屋は1軒もない(笑)。

 ここは大阪人気ナンバーワンの東京店ですからね。

 どういう食べさせ方? ほら、ストップのかけ方とか?

趣の異なる2フロアで展開。

 20本のおまかせコースで、最初の5本は定番。それ以降は通年メニューや季節の旬素材を提供するスタイルですね。

 時々、うかうかしてると2回転して腹いっぱいになっちゃう店もあるからね。

 キラーメニューは?

 「こんにゃくの串揚げ」。

 こんにゃく!? 珍しい。串揚げにできるんですね。

 刺し身こんにゃくをスライスしてお出汁で炊いてから、ささみとインゲンを包んで串揚げにしてあるの。歯ごたえがあって旨いよ。あと、とんぶりマヨネーズをのせた鶏ささみのしそ巻も美味しいし。キャビアじゃないのがいい。

 僕はキャビアがいい(笑)。

 いいね。これは嬉しい発見。絶対に行くよ。

左から、和牛ヒレ肉、鶏ささみのしそ巻 とんぶりマヨネーズ、春日鯛/料理はすべてコース¥12,830の一例。
銀座 六覺燈 麻布十番店(Ginza Rokukakutei Azabujyubanten)
TEL:03-5775-5020
住所:東京都港区六本木6-11-18 HOU1F・2F
営業時間:17:30~L.O.23:00(土曜、日曜、祝日17:00~)
休み:火曜
備考:席数:1Fカウンター6席、テーブル6席、2Fカウンター13席、個室:なし

Cooperation=Sweet Thick Omelet,inc. Text=粂 真美子、小寺慶子、藤田実子、山本真由美、中井シノブ Photograph=薄井一議、上田佳代子、鈴木拓也、中庭諭生、大谷次郎、菊池陽一郎、内藤貞保、福森クニヒロ、笹原健裕、比田勝大直

*本記事の内容は17年1月1日取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)