あのAmazonがスコッチウイスキーの聖地で出合った最高のひと樽とは?

世界5大ウイスキーの産地のなかでも、自然と歴史が造り上げた類たぐい稀まれな〝命の水〞であるスコッチウイスキー。Amazonの酒類事業部がその聖地を巡り、スコッチウイスキーの魅力を再発見したという、最高のひと樽との出合いを追った。

ウイスキーブームとネットは親和性が高い

世は空前のウイスキーブームである。ハイボール人気を皮切りに、ウイスキーそのものへの関心が上昇。今や老若男女を問わず、好んで飲む人が増加した。このウイスキー人気の背景として、ネットで容易く購入できるようになったことが大きい。

その立役者とも言えるのが、Amazonだ。2014年から酒類販売を開始したAmazonは、単にオンラインストアとして購入の場を提供するだけでなく、お酒の世界をより広く、深く楽しむための仕かけを絶やさない。欲しいワインについてAmazonソムリエに直接相談できる仕組みや、オリジナルブレンドのボジョレーワインの発売、さらに昨年、銀座の一角に期間限定の「Amazon Bar」までオープンした。Amazonがリアルワールドに打って出るというのは、考えてみれば相当に大胆である。

だが〝カスタマー目線〞に立っていなければどんなに利益が上がりそうな企画でも実行しない。逆に言えば、顧客に利するのであれば、前例のない企画も敢行するAmazonにすれば自然な成り行きだったのかもしれない。

琥珀の美酒を極める聖地巡礼の旅へ

今回訪れたのはスコットランドのアイラ島(ボウモア、ラフロイグ)、スペイサイド(マッカラン、グレンフィディック、バルヴェニー)、ハイランド(グレンギリー、アードモア)の3地域7箇所のウイスキー蒸溜所。ウイスキーの代名詞的存在とも言えるスコッチウイスキーを特徴づけるのは、ピート(泥炭)だ。湿度が高く、気温が低い土地のため植物が分解されずに堆積(たいせき)して形成されたもので、このピートを焚いて麦芽を乾燥させ、燻香(くんこう)をつける。スコットランドの地に豊富にあるこのピートの使い方や製法はもちろん、樽の種類、気候風土などにより、その味わいには驚くほどの違いがでる。

Amazonが、"酒屋"として満を持して打ち上げる次なる企画の目玉は、スコッチウイスキーだ。力強く、男性的なイメージだが、実際は十把一絡(じっぱひとからげ)的にくくれるものではない。地域によって造り手によって千差万別、まさに百花繚乱。そのなかで、Amazonがカスタマー目線でセレクトするとしたら何なのか。その見極めのために、酒類事業部のメンバーは現地へ飛んだ。

北大西洋に浮かぶイギリス、なかでも北部に位置するスコットランドは冷涼かつ穏やかな気候、高い湿度というウイスキー造りに最適な土地である。北部から広範囲に広がるハイランド、ハイランド東部のスペイサイド、南部のローランド、西の海に浮かぶアイラ島、キャンベルタウン、そして北西の海上に散らばるアイランズという6つの地域に分類される。そのうち、世界的に人気のあるウイスキーを生産しているのは、スコットランド全土の蒸溜所の半数近くが集まるというスペイサイドと、個性的な蒸溜所が点在するハイランド、ピート( 泥炭・でいたん)香と潮の香りが特徴的なウイスキーを生むアイラ島だ。

今回目指したのは、この3つの地域にある7つの蒸溜所。いずれも歴史ある老舗だが、そのウイスキーは7社7様である。ここから、日本の顧客に"特別なウイスキー"として楽しんでもらえるものを探すのが目的だ。

ピートと樽が織りなす魔法の味わいに酔う

真っ先に向かったのはアイラ島。スコットランド最大の都市グラスゴーから小型プロペラ機に乗ってたどりつく小さな島である。木というものはほとんど見当たらず、ヒースという花が茂るなだらかな丘と平原に覆われる。このヒースが、アイラのウイスキーをスモーキーな独特のものに仕上げるピートの元だ。

最初に訪れたのはラフロイグ蒸溜所。イギリス王室御用達でチャールズ皇太子が最も好むウイスキーのメーカーである。その名前はゲール語で「広々とした湾の美しい窪地」を意味し、ラフロイグと大きく文字が描かれた貯蔵庫がその湾の波打ち際に佇む。大麦を発芽させる伝統的なフロアモルティングを自社で行う数少ない生産者のひとつで、アイラモルトのなかでもピートによるスモーキーフレーバーが力強いことでも知られる。

アイラ島にある蒸溜所は全部で8つ。1779年に創業した最古の蒸溜所がボウモアだ。先のラフロイグ同様、伝統のフロアモルティングを行い、海に面した海抜0mの貯蔵庫でウイスキーに潮の香りをたっぷりと纏わせる。滑らかなスモーキーフレーバーと潮の香りが特徴。

ウイスキーの独特の香りは、麦芽の乾燥のためにピートや石炭を焚く以外に、熟成の場所も大きなポイントのひとつだ。アイラのふたつの蒸溜所はともに海辺で潮の影響を受けながらも、両者は明らかに異なる性格を見せる。わずかな環境の差が大きな違いを生むことを実証する。

潮と煙の香りをたっぷり味わった後に向かったのはスペイサイド。しっとりとした霧雨が緑の森と丘を潤す静謐の世界だが、実は大麦の栽培が盛んな土地で、しかもピートが豊富に眠る。この地に数多くある蒸溜所のなかでも、"シングルモルトのロールスロイス"と評されるのがザ・マッカラン。丘の懐に潜りこむように建てられた有機的フォルムの蒸溜所は、最新のデザインと技術で訪れた人を圧倒する。そのウイスキーはシェリー樽の持ち味を存分に生かした芳醇(ほうじゅん)かつ洗練された味わいで、まさに高級車の乗り心地のごとく優雅。

スペイサイドでもう1社、世界的な名声を獲得したのがグレンフィディックだ。1963年、初めてシングルモルトを世界に輸出した、スコッチウイスキーの代名詞的存在。1887年創業以来、同じ一族経営を維持し、フルーティで繊細なコクを持つシングルモルトというスタイルを守り続けている。この創業者が第2の蒸溜所として設立したのがバルヴェニー。バーボン樽、シェリー樽のみならず、ワイン樽、ポートワイン樽など多様な樽を使いこなし、甘美な熟成香と深みのあるコクで昨今、世界的な人気を集めている。

カスタマー目線で選んだ世界にふた樽の希少酒

聖地巡礼の最後に向かったのは東ハイランド。これまで訪れたのはすべてシングルモルトのメーカーだったが、ここで1軒、ブレンデッドウイスキーのキーモルトのために設立された、アードモア蒸溜所を訪問した。ハイランドにしては珍しいスモーキーな特徴を押しだして異端ともいわれている。だが、アイラに比べれば軽く、クリーミーでシルキーな余韻が心地よい。

ここまで回ってくるとスコッチウイスキーというものがどれだけバラエティに富んでいるかいやが上にもわかってくる。その締めくくりにたどりついたのが、グレンギリーだ。1797年創業、200年以上の歴史を持つ老舗である。が、日本では現在発売をしていない。独特の製法にこだわり、しかも生産量が非常に少ないため入手困難なうえ、一時は閉鎖の危機に瀕した。その後、新たなオーナーを得て再開、貯蔵庫に眠っていた樽が再び日の目を見る時が来たのだ。

そのウイスキーは花のような香りとクリーミーなコクが絶妙のバランスとされる。噂を耳にしていた酒類事業部のメンバーは、貯蔵庫に眠っていた1997年樽の原酒を試飲。20年熟成のエレガントで、しかもポテンシャル溢れる味わいに限りない可能性を感じ、一同驚嘆。

ウイスキーの世界に足を踏み入れ、もっと深く知りたいと思う顧客に向けて、これ以上のギフトはないはず。そう確信したメンバーは2018年にふた樽しか世界で樽売りされない、グレンギリーの1997年物の樽をひと樽入手。この希少なウイスキーはAmazonのお酒ストアで10月に開催される「ウイスキーフェスティバル」の目玉となる。

カスタマー目線を突き詰めた結果、Amazonの酒類事業部が出合えた最高峰のウイスキー。オンラインストアの裏側にある、そんなヒストリーや現地の息吹を感じつつ多彩な体験ができるのも、Amazonならではのお酒の楽しみ方のひとつと言える。

ついに出合えた、希少な最高峰のウイスキー「グレンギリー20年」¥27,500は、10月31日までの期間限定で開催される「Amazon ウイスキーフェスティバル」にて販売中。
Amazon「ウイスキーフェスティバル」の詳細はこちら!
https://www.amazon.co.jp/b?node=6111178051&nocache=1539934300833

Text=池田愛美 Photograph=峯岸進治