第2回クレイジーワインの会! マニアックワインに“逆ペアリング”の料理で大興奮!!

美食家をあっと言わせる奇跡的な料理を次々披露してきた会員制美食サロン「CHEF-1×GOETHE 北参道倶楽部」では、昨年末大好評だった“クレイジーワインの会”第2弾を2月末に開催した。北参道倶楽部のイベントには珍しくワインをメインに据えた宴は、驚きの連続だった。

「新世界のイタリア固有品種」で揃えられたワインと引き立て合う圧倒的料理

ワインのペアリングは料理に合わせてソムリエが構成するのが主流。だが、このイベントで提案する“逆ペアリング”は、ワインのコースに料理を合わせていくチャレンジングな内容だ。ソムリエは、ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」の青木 晃先生と瀬川あずさ先生。カリスマと称される2人は、今ワイン界で注目されている分野 「新世界のイタリア固有品種」をテーマにした。

このお題を受けたのが、「テストキッチンエイチ」の山田宏巳シェフと、今回の会場である銀座「クラッティーニ」の倉谷義成シェフだ。2人の天才イタリアンシェフがどう応えたのか、会場はスタート前からボルテージが上がっていた。

  ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」の青木晃先生、瀬川あずさ先生  

「まずは手始めに、イタリアの泡を」と青木先生が選んだのは、「フランチャコルタ フェルゲッティーナ・ミレディ・ブリュット ブラン・ド・ブラン2015」。こちらはシャルドネ100%だ。今回はオーストラリアやアメリカなど、イタリア以外でつくられるイタリア固有種のワインをリストアップするが、乾杯でスタンダードの味を確認し、レアなワインの世界へ入っていく。

対するペアリング料理は、山田シェフがつくる「牡蠣とシャルドネのスープ」だ。水を使わず、スプマンテと牡蠣の出汁だけで仕上げた濃厚な一杯は、無論ワインとぴったり。「料理にフランチャコルタを使うという贅沢で姑息な(笑)技を使いましたが、王道は正解ですね」と山田さん。

一夜を通して楽しめるように、黒トリュフの名品・仏ペリゴール産の厚切りトリュフもオプションでサーブ。スライスとはまた異なる風味に、歓声が沸いた。

「フランチャコルタ フェルゲッティーナ・ミレディ・ブリュット ブラン・ド・ブラン2015」 と  「牡蠣とシャルドネのスープ」

2杯目は瀬川先生セレクトの「サム・ハロップ ブリッジ・パ・フィアーノ2018」だ。フィアーノはカンパーニャ地方で有名な品種。「今、世界のつくり手が注目している品種なんですよ。ナチュラルで酸がきれいに残る味わいです」と評する瀬川先生に重ねて、「ドライだけど、イタリア固有種には珍しく甘みを感じます。ニュージーランドの土がそうさせているのか? と考えるのが楽しいですよね」と青木先生がコメント。

フルーツの冷製パスタを仕上げる倉谷シェフ

それに合わせるのは倉谷シェフのスペシャリテ、フルーツの冷製パスタだ。フルーツトマトソース、イチゴ、金柑で爽やかな果実感を演出。続けてワインを口に含めば、その見事な組み合わせに驚嘆。「隠し味にパッションフルーツ⁉ こんなパスタ食べたことない!」と参加者は声をあげた。クラッティーニで開催される料理教室ではこのパスタを習えるとあって、一堂、レシピにも興味津々の様子だった。

「サム・ハロップ ブリッジ・パ・フィアーノ2018」と「フルーツの冷製パスタ」

3杯目。瀬川先生が選んだのは、アメリカ・カリフォルニアの「シャトーイガイタカハ オヤジダンディー2018」。このユニークな名前からも分かる通り、オーナーは日本人の夫妻だ。黒ブドウ品種であるバルベーラとドルチェットを使い、白ワインの製法でつくった珍しい1本。ペールイエローの液色だが、オレンジワイン(白ブドウを使い赤ワインの製法で造ったもの)とは違うそう。

このワインに、山田シェフは「渡辺農園の野菜を焼いたアンティパスト」をペアリング。プレートスタイルのプレゼンテーションで、レア品種を含めた色とりどりの野菜を提供した。「ワインのシャープな酸味に合わせて、胡椒を使わずオリーブオイルと塩だけで仕上げました」(山田シェフ)。野菜の苦味や甘味を直に感じられる、ストレートな一品だ。

「ポリフェノールを多く含んだ野菜は黒ブドウのワインに間違いなくマッチ。アンチエイジングな一皿ですね。ピエモンテの郷土料理、バーニャカウダを思い出します」と、ドクターでもある青木先生も高評価。

「サム・ハロップ ブリッジ・パ・フィアーノ2018」と 「渡辺農園の野菜を焼いたアンティパスト」

続くワインは「大沢ワインズ フライングシープ サンジョベーゼ2013」を瀬川先生がセレクト。こちらは日本人オーナーがニュージーランドの自社畑で育てた最高品質のブドウを使用。「2013は2010に並ぶ素晴らしいヴィンテージと言われています。オーナーさんはなんと55歳で農業をスタートしたのですが、今や大成功しているワイナリーなんですよ」と瀬川先生。サンジョベーゼはイタリア固有種のなかでも鉄板。普段の食卓にも取り入れやすいコスパの高さも、参加者に大好評だった。

「あえて赤ワインに魚を合わせてみました」と倉谷シェフが考案したのが、「メジナのカリカリ焼き シヴェソース」。高級魚のイメージがない磯魚のメジナ。この日は、海藻を食べて育った「海苔メジナ」を京都から取り寄せた。「新鮮な上物が手に入ったので、内臓でソースをつくりました」。言うまでもなく、この日のためのスペシャルメニューだ。旨味たっぷりのシヴェソースが、ワインの余韻とマッチする。「サンジョヴェーゼは元々とてもバランスの良い品種です。イタリアでは内陸性気候のもとでつくられますが、フライングシープはNZのホークスベイという海洋性気候のもとでサンジョヴェーゼを仕込みました。普通は肉に合わせる品種ですが、こういった背景もあり魚にもマッチしたのかもしれませんね」と青木先生。和食材を抜擢する、倉谷シェフのアイデアが光った。

「大沢ワインズ フライングシープ サンジョベーゼ2013」と「メジナのカリカリ焼き シヴェソース」

そろそろ後半戦。ワインに合わせて考えられた特別な料理は、予想もつかないレシピのオンパレード。このままの勢いでラストスパートを駆け抜ける。

5杯目はアメリカから。「シダーヴィル・ヴィンヤード ジンファンデル・エステート2017」(青木先生セレクト)に使われる品種は、イタリアから持ち込まれたプリミティーヴォ(黒ブドウ)が「ジンファンデル」という名でアメリカに根づいたものだ。ジャミーでカジュアルなイメージが強いジンファンデルを、プリミティーヴォのエレガントな魅力も兼ね備えた味に実現したこのワイナリーが注目だそう。今回はブランドアンバサダーの村田さんも食事に参加して魅力をアピール。

「日本には年間250本ほどしか輸入されない、小規模生産のつくり手です。丁寧に育てたブドウだからこそ、繊細な味になるんですね。ボルドーグラスで飲めば、さらにエレガンスを感じられますよ」

プラムのような味わいも感じられるこのワインに合わせ、ミルクとゴルゴンゾーラのパスタが登場。山田シェフのこだわりは、生クリームを使わずに牛乳で絡める手法だ。「麺離れが良くなり、スパゲティに好相性です。ぜひトリュフと合わせてくださいね。味のしっかりしたブルーチーズには、ハチミツやドライフルーツなどの甘味がマッチしますが、ジンファンデルの豊かな果実味がその役割を果たしてくれています。ゴルゴンゾーラはイタリアを代表するブルーチーズですから、イタリアにルーツを持つこの品種との親和性は抜群です! 」と瀬川先生もこの逆ペアリングを絶賛。

「シダーヴィル・ヴィンヤード ジンファンデル・エステート2017」と「ミルクとゴルゴンゾーラのパスタ」 

ラストの1杯は、青木先生が選んだ「デントン・ヴューヒル・ヴィンヤード デントン・ネッビオーロ2016」。

「 ネッビオーロはジャジャ馬的品種で、タンニンが強いので、イタリアの古典的なものは通常は数年〜十数年寝かせてから飲むのですが、オーストラリアで育てられたこちらは若いヴィンテージでもバランスがいい。昔から、サンジョベーゼと双璧をなすイタリア赤ワインの人気品種です。このオーストラリアのものは透明感がありますね」(青木先生)

最後の料理は、ワインの産地に合わせて倉谷シェフが食材をチョイス。「子羊のカチャトーラ、赤ワインソース」は、ローマで働いていた時代に学んだ煮込み料理だ。臭みがなく、それでいて羊らしさをしっかり感じられる肉は、柔らかくジューシー。羊を赤ワインに丸1日漬け込み、カルダモンやシナモンと煮詰めた倉谷シェフ入魂の一品と言える。さらに思い出の味がデザートに登場する。

「デントン・ヴューヒル・ヴィンヤード デントン・ネッビオーロ2016」と「子羊のカチャトーラ、赤ワインソース」   

かつて山田シェフと倉谷シェフがともに腕を振るった「バスタパスタ」で人気を集めたドルチェ、ノッチョーラ。余ったリコッタチーズを使い創作したレシピは当時珍しかったらしい。昔と全く同じ味が、ここに再現された。

  ノッチョーラ  

最後はシェフ2人のルーツに想いを馳せてフィニッシュ。イタリア固有種のワインという縛りのもと、世界各地の味が料理に組み込まれ、イタリア料理を超えた境地に達した。「最初は無理難題を押しつけてしまったと思いましたが、さすがは山田シェフと倉谷シェフ。思いも寄らない料理が出てきて刺激的でした!」と瀬川先生。青木先生は、「このメンバーで、この料理とともに、このタイミングで同じワインを飲めることは2度とありません。事前に試飲をしていても、その頃と違う味わいになっていることも常。期待から外れるものに出合えるのがクレイジーワイン会らしさなのではないでしょうか」と振り返った。

最後に、と青木先生から切り出されたのが、6杯目に出された オーストラリア「デントン・ヴューヒル・ヴィンヤード デントン・ネッビオーロ2016」 のエチケットに関するエピソード。よく見ると、死んだネズミが皿の上に横たわった不気味なイラストだ。「これは、ワインのネガティヴな香り(劣化臭)を連想させる絵ですよね。先代のオーナーが描いたものなのですが、『ワインづくりに対して常に謙虚にいられるように』という謙虚なメッセージだそうです。ここにもニューワールドの国のワインのトレンドが表れていて、面白いですね 」。ストーリーを知ると、ワインの奥深さをより一層感じられる。

一方で、ソムリエ2人の挑戦状を受け取ったシェフの感想はというと、「ワインから料理の構想を膨らませ、形にするのはすごく新鮮でした。日本人は昔から口中調味をするように、料理とワインのペアリングが大好きなんだと、再確認しました」と倉谷シェフ。また山田シェフは「大胆で複雑なテーマだったので、直球なメニューはなるべく避けようと思って、倉谷シェフと相談しながら変化球も用意しました。今回も楽しかったです!」と語った。

料理とワインの余韻に浸りながら、第2回クレイジーワインの会は終演。次回、また素晴らしいワインとの出合いがあることを期待して、解散となった。


※本イベントは2020年2月23日に行われました。


Text=西村佳芳子


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