見城 徹の感涙レストラン16【ゲーテイスト2020】

毎年恒例のゲーテレストラン大賞「ゲーテイスト」。今回も秋元 康さん、小山薫堂さん、中田英寿さん、見城 徹の食を愛する4兄弟が集結、ここ1年のお薦めのレストラン(全52店)を教えてもらった。今回は、幻冬舎代表取締役社長・見城徹が厳選した極上レストランをまとめて公開!

薪焼 銀座おのでら|選りすぐりの食材による薪焼きキュイジーヌ

――鮨、鉄板焼きなど日本の伝統的な食を世界主要7都市で展開する『ONODERA GROUP』。昨年7月、スターシェフ寺田惠一氏を迎えて新たに手がけたのが薪焼き。選りすぐりの食材による革新的薪焼きキュイジーヌが楽しめる。

見城:まずは、ヒデ以外は行ったことがある3人の推薦店からいきましょう。薪窯を取り入れる店が増えているのは嬉しいね。炭より温度の維持が難しそうだけど、あの香りがいいよね。

小山:薪の炎を見ながら、というロマンティックな視覚効果で気分も上がりますし。

見城:薪は豪快な料理のイメージが強いけど、ここは野菜も魚も、肉もどのお皿も繊細で美しい! 軽井沢に昔からあるクラシックホテルのような雰囲気にもすごく落ち着けるよ。西陣織の椅子の座り心地もいいし。

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虎ノ門 虓|伝説の料理人のイノベーティブレストラン

――3年前、長く親しんだ関西を離れ、銀座で勝負に出た佐藤 慶氏。美味を磨き抜いた料理と心尽くしのもてなしで、密やかながらもグルマンたちを瞬く間に魅了。一旦半年間休業するも、昨年5月、虎ノ門 虓(こう)としてバージョンアップし、再開した。

見城:銀座『盡(じん)』を止む無く閉めた佐藤さんが、見事に復活劇を遂げました。

秋元:見城さんとご一緒して以来虜になって何度かうかがっています。銀座の時はカウンター6席の小さな店でしたが、今度は焼き場、揚げ場、竃もあり。持ち場ごとに技術を極めようとする若手が立ち、頼もしいですね。

見城:後進を育てたいと言っていた佐藤さんの思いが実現できてよかったよ。

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Sio|メディアで大注目! 代々木上原のモダンフレンチ

――料理人の父を持ち、幼少期から料理好きだった鳥羽周作シェフ。32歳で料理界に入り、『ディリット』、『フロリレージュ』を経て、2016年に今の店の前身『グリ』の料理長に抜擢された。’18年7月に独立し、店名を『Sio(シオ)』に改名。

見城:薫堂も通っているんでしょ。

小山:はい、『グリ』の時から。

見城:とにかく、鳥羽シェフがパワフルだよね。

小山:「ワンチームで成果を出していこう」みたいなスポーツマンシップにのっとった爽やかなリーダーシップが魅力的ですよね。ラグビーじゃなくて、Jリーグの練習生だったそうですけど。料理人の世界をもっとよくしたいとか、料理で社会を変えたいみたいな思いもすごく強くて。

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日本料理 久丹|知る人ぞ知る新富町の隠れ家

――福岡の温泉旅館で料理人をしていたが、『料理の鉄人』の森本正治氏の料理に衝撃を受けて渡米。『NOBU』の前身、『Matsuhisa』で研鑽を積んだ。帰国後『鮨 秋月』を経て『かんだ』で10年修業、2018年に独立。

見城:10年連続ミシュランの三つ星を守り続けている『かんだ』で研鑽を積んできた中島功太郎さんの店です。早々と星をひとつ取っていますよ。

秋元:独立されていたんですね。

見城:2年前に新富町にひっそりと。小さな看板のみで、知る人ぞ知るという隠れ家風。インテリアも素敵ですよ。入るとまず待合があって、杉の木のベンチでひと息つける。いきなりカウンターっていう造りにしていないところに、客への心配りや店主のストイックさを感じるよね。

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K’s room|すべてがオーダーメイド! 西麻布の秘密のレストラン

「今年は原点に戻って料理を作りたいんです。『スダチ』の定休日、月曜日にカウンターに立とうと思います」と見城のところに『ラ・ボンバンス』のオーナーシェフ岡元 信氏から連絡が来た。

『スダチ』は、『ラ・ボンバンス』が10年経過した6年ほど前、スタッフの新しい活躍の場として誕生したレストランだ。

「当初3人だったスタッフも30人と順調に育ちました。彼らが楽しんで仕事をしている姿を見て幸せです」と岡元氏。

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焼鶏 ひらこ|ペアリングを愉しみたい! 西麻布のニューウェーブ焼き鳥

――宮崎県・小林市の平川で、店主の高岩 誠氏の家族が育てる飛来幸鶏(ひらこどり)を使用。純血地鶏、餌にこだわり、通常は生後90日前後で出荷されるところを、1年以上と採算度外視で飼育。究極の地鶏と注目を集めている。

見城:店主・高岩 誠さんは、美味しい焼き鳥を提供するならまずは鶏からと、自身で養鶏場を始めたっていうすごい人です。

中田:「飛来幸鶏」って初めて聞きました。

見城:平飼いで、餌も無農薬野菜を与えて、一般的な地鶏より7倍くらい手間暇やコストをかけている。10年くらい試行錯誤して究極の地鶏に育て上げたそうです。でもいきなり高級焼き鳥をやっても受け入れられないだろうからと、値段はだいぶ抑えているって。

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なゆた|ノンヴィンテージの古酒の品揃えに脱帽! 西麻布の隠れ家バー

西麻布で見城が通う会員制のワインバーがある。名前は明かせないため、『u』としておこう。この店のワインセラーには、日本で1、2を争う極上のヴィンテージワインが眠っている。会員は30人のみで、会員とその同伴者しか入店を許されない極めて閉じられたバーだ。

しかしながら、「めくるめくワインの世界をもう少し広く知ってもらえたら」と考えたオーナーが昨年末新たにバーをオープンさせた。それが『なゆた』だ。

ここで楽しめるのは、主に1950〜’90年代に造られた、オールドノンヴィンテージ(以下NV)シャンパーニュ。「保存状態が極めていいNVの古酒がこれだけ揃っている店も珍しい」と見城。

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ちょこっと|家庭料理が100品以上! 紹介制の隠れ家

――ビルの1室で密やかに営む看板のない秘密の隠れ家。7席のカウンター、テーブル席の部屋、いずれも個室として利用可能。寛げる雰囲気のなか、ほっと落ち着ける家庭料理100品以上をよりどりみどりで楽しめる。

見城:ここは住所は非公開という約束で紹介させてもらいます。

小山:会員制なんですか?

見城:紹介制なんです。ビルの5階にあって、看板もないから、正真正銘の隠れ家。かつて六本木にあったんですよ。ところが忽然と消えて、連絡もなかったので閉店したのかと残念に思っていたところ、1年前にある方に招待されて再開したことを知ったんです。テーブルの個室2つとカウンター個室。他の客と顔をささないようになってる。

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オ パッキャマラード|人形町のモダンな鉄板割烹

ーー銀座の炭焼きステーキ『トロワフレーシュ』の姉妹店として昨年5月にオープン。鉄板を据えたカウンターでは、単なる鉄板焼きではなく、肉と旬の素材を生かした和仏折衷料理を、気取らない雰囲気で楽しませてくれる。

見城:オーナーは『トロワフレーシュ』の森地克行さん。浅草で何気なく入った鉄板焼きの店で、永瀬太郎さんっていう料理人と出会って、鉄板で今までにない新しい創作料理を作れないかなとチャレンジすることにしたそうです。『トロワフレーシュ』の料理の流れを、客の目の前でフレンドリーに表現したいって。

秋元:僕、1回目は見城さんに連れていってもらいました。一般的にイメージする鉄板焼きとは全然違う。割と静かに調理して、美しいお皿に繊細に盛りつけて出してくれるんです。

見城:そうだね、普通、鉄板焼きの店はニンニクの香りとか、ステーキを焼く音とか、そういう臨場感があるけど、ここは鉄板で表面だけさっと火を入れるとか、逆に蓋をしてじっくり静かに火を入れるとか、パフォーマンスよりも、季節の食材の味や香りを生かして出すという所に注力している。モダンな鉄板割烹と説明すればいいのかな。

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Fumi|大阪の名店『カハラ』出身シェフによる、東銀座の隠れ家

――ブルゴーニュワインと料理好きが高じて29歳から飲食業に転身した中井聖子さん。昨年3月にひとりで切り盛りするレストラン&ワインバーを開いた。雑居ビルの5階で秘密めいたロケーションが好奇心をくすぐる。

見城:中井さんは、大阪出身で、もともと客として『カハラ』をはじめ料理やワインが美味しい店に通うOLさんだったそうです。『カハラ』のシェフ、森 義文さんが料理の味をたずねると、的確な答えが返ってくる、その味覚の鋭さに感心したと言っていましたよ。

小山:29歳で料理界に入るって、相当に自信がないとできないことですよね。

見城:ブルゴーニュワインが大好きで、どうしても現地で働きたかったと、渡仏。醸造を学びながらレストランでソムリエールを、『TOYO』のパリ本店や日比谷店では料理もしていたり。度胸のある女性だよね。

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ナチュール・エ・サンス|感性を駆使した、鎌倉に佇む一軒家フレンチ

ーー鎌倉で愛されて17年の、閑静な住宅街で夫婦が営む一軒家フレンチ。店名の意味である「自然と感性」の通り、感性を駆使し、自然の美味しさを引きだした料理が心を打つ。シェフはフランス、ルクセンブルクでも修業。

見城:逗子に住む友人の薦めで行ったのをきっかけに、もう何回も通っています。こんな素晴らしい店がメディアに注目されていないのが不思議で堪らない。鎌倉の住宅街のなかにひっそりある一軒家で、知っている人に連れていかれないと絶対にわからない店だけど。

秋元:目立ちたくないんですかね?

見城:そうかも。シェフの河窪雅秀さん自身、シャイなのか、口下手なのか、謙虚なのか、「旨いね」って褒めてもあまり反応してこないんだよ。

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ピッコログランデ|名物料理に痺れる! 麻布十番にある老舗イタリアン

麻布十番のイタリアンで、有名人御用達といえば、ここ『ピッコログランデ』。

「石田純一、鈴木亜久里、阿川佐和子、中野浩一、ムッシュかまやつは“マイキッチン”と呼んでほぼ毎日通っていたというのも有名な話。とにかく行けば誰かしら芸能人や著名人が食事をしている。だけど、一般の人も分け隔てなく、というのがこの店の懐の深いところ。今は亡きマダムの客さばきもよかった。キビキビと気持ちのいいサービスは今もスタッフたちに受け継がれている」と見城。

秋元さん、小山さんも含め、毎年ゲーテイストのリストに挙げていたものの「有名すぎるかな」と掲載しないまま何年も時が過ぎた。しかし、「イノベーティブだったり、予約至難だったり、新しいイタリア料理ばかりが注目されているなか、昔ながらのよさを再評価したい」という意見で一致した。

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リストランテ イル・ピアット|奥沢の進化し続ける老舗イタリアン

「青山に数年間だけ存在した『キャンティ 青山店』出身の平野健三シェフの店。マダムの朋子さんがサービスだけでなくキッチンも手伝うおしどり夫婦ぶりも微笑ましい」と見城。

『キャンティ 青山店』は、VANの創業者・石津謙介氏や昭和期を代表するグラフィックデザイナー・田中一光氏など当時の新進気鋭の才能が集う店として知られていた。しかし、先輩スタッフと喧嘩した平野氏が辞職して間もなく閉店したという。

「平野さんの腕がずば抜けていたんだね。独立して開いたこの店に42年通い続けている」

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浪速割烹 㐂川|道頓堀の浪速割烹

ーー創業55年を越える大阪を代表する『浪速割烹 㐂川(きがわ)』。初代は浪速割烹を突き詰め大阪の食文化に貢献。後を継いだ上野 修氏は、志摩観光ホテルの高橋忠之氏の下でフレンチの経験も積んでいる。広い視野で文化を継承する名店だ。

見城:ご主人の上野 修さんは二代目で、初代は、“浪速割烹とは”ということを突き詰めて、京都とはまた違う関西の味を残そうと尽力された方なんです。

小山:法善寺横丁ですよね?

見城:そう、石畳の風情ある横丁。佇まいもいいし、店に入った途端「美味しいものを食べさせてくれる店だ」って気持ちが上がるような空気感を湛えている。

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ラ・ターチ|名店『御影ジュエンヌ』のDNAを継ぐ、神戸のフレンチ

――神戸の名店『御影ジュエンヌ』で父・大川尚宏氏の下、10年の経験を積んだ武士シェフが2016年に開いた。契約農家から届く無農薬野菜や神戸ビーフ、瀬戸内の魚など地元厳選食材を見事に使いこなす技は父親譲りだ。

見城:昨年のゲーテイストで「神戸の衝撃」として紹介した『御影ジュエンヌ』の長男、武士さんのお店。もうひとりの息子さんはお父さんと仕事をしてます。

小山:父親と息子ってうまくいかないことも多いのに、兄弟揃ってお父さんの下で修業を積むって珍しいですよね。

秋元:同じようなタイプの料理なんですか?

見城:うん、そうなんだけど、お父さんの才能が次の世代に確かに受け継がれているのを見るのも嬉しいよね。こういうのもレストランの楽しみだなと、つくづく感じて心が明るくなった。

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旧かつえ|衝撃の水炊きが食せる、博多の水炊き懐石

ーー博多には名物の水炊き専門店が多いが、ここでは創意溢れる日本料理のコースの最後に供されている。ポン酢を使わないなど味も食べ方も、幾多の水炊きとは違う新スタイルで密かに注目を集め、ミシュラン1つ星も獲得。

見城:福岡に行ったら絶対行ってくださいって言いたいくらい、衝撃の水炊きです。

小山:スープが旨いんですか?

見城:スープも鶏も、最後の雑炊も。水炊きの前に出される一品料理も、出てくるもの全部旨い。

秋元:755(SNS)に書いてましたよね。

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見城 徹
見城 徹
幻冬舎代表取締役社長。1950年静岡県清水生まれ。角川書店を経て、93年に幻冬舎を設立。23年間で22作ものミリオンセラーを世に送りだした。近著に『たった一人の熱狂』(幻冬舎文庫)。
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