日伊のスターシェフが18年ぶりのコラボ! 気合の入ったコース料理で熱気に包まれた夜

シェフ同士の奇跡的なコラボで美食家たちを唸らせてきた、会員制美食サロン「CHEF-1×GOETHE 北参道倶楽部」。今回、『テストキッチンエイチ』の山田宏巳シェフとタッグを組んだのは世界屈指のスターシェフ、ハインツ・ベック氏だ。ハインツシェフとの来日はこの日の数日前。20年来の付き合いという山田シェフは1ヵ月間、約1万km離れたハインツシェフと何度も連絡を取り合い作戦を練ってきた。そんなスペシャルな一夜が幕を上げた。    


腕の見せ合いでヒートアップする、豪華食材の数々

舞台は丸の内『ハインツ・ベック』。世界で唯一シェフの名を冠したレストランは、皇居前という"気”の良さもあってか荘厳な静けさに包まれつつ、これから始まるショーへの期待感で満ちていた。今回は北参道倶楽部のメンバーだけでなく、『ハインツ・ベック』のVIPも招待。2人のシェフが乾杯の挨拶に登場するや、美食家たちの高揚感がもう一つ上がった。

ハインツシェフといえば、ローマの三つ星レストラン『ラ・ペルゴラ』に始まり、イタリア、日本、ポルトガルに出店する6つのレストランでミシュランガイドの星を取得した、正真正銘の“スター”シェフ。そのほかの輝かしい受賞歴は、枚挙にいとまがない。そんな世界最高峰のイタリアンシェフは「医食同源」の哲学を提唱し、美しさ、美味しさ、ヘルシーさを兼ね備えたガストロノミーを実現している。日本の食文化にも惚れ込んだハインツシェフは、どんな料理を繰り出すのか。

ハインツシェフと20年来の付き合いだという山田シェフは、過去に1度だけ『ラ・ペルゴラ』でのコラボを経験。これまで数々のコラボを叶えてきた山田シェフでも「ローマの三つ星レストランに来た気持ちで、今回は非常に緊張しています」と苦笑い。一段と熱のこもった様子に、メンバーたちもワクワクが止まらない。

  コース料理の前に供されたフォアグラのきび団子のアミューズ(山田シェフ)  

今回は全10品のコース料理。前菜、パスタ、メイン、デザートのそれぞれを1品ずつ発表する、対決の形で展開された。

山田シェフの前菜は「モッツァレラチーズ 50種類の野菜」という美しく鮮やかな一皿。この日のためにオーストラリアの水牛を輸入(!)し、しぼりたての乳で作ったモッツァレラは新鮮そのもの。ゴボウ、ネギ、かぶ、など、甘味と苦味をバランスよく散りばめた上に、旨味の詰まったアンチョビバターをとろりとトッピング。50種類の野菜は調理工程もすべて変えているという逸品で、スタートからエンジン全開だ。

  モッツァレラチーズ 50種類の野菜(山田シェフ)  

対するハインツシェフは、「北海道噴火湾産帆立貝 有機カリフラワー」で勝負。旬の野菜、カリフラワーをボイルしてスープに、ベイクしてチップスに、と豊かな技で舌が楽しい。イタリア北部の名産であるカリフラワー、シチリアの夏の代表格・ケイパー、中部イタリアの伝統料理・カルピオーネ(マリネ)を使い、イタリア全土への愛も表現。「全ての要素を一緒に食べると、ヘーゼルナッツのような風味になりますよ」と、料理の遊びも教えてくれた。試してみると、確かにほのかな木の実の味わい。  

  北海道噴火湾産帆立貝 有機カリフラワー(ハインツシェフ)  

次なるパスタ対決は、イタリアンの大定番であり、『ハインツ・ベック』のスペシャリテでもあるカルボナーラだ。先攻は山田シェフ。

まず、真っ白なパスタが運ばれてきた。鶏卵を使っていないと言うし、料理名の語源ともなる炭を表す黒胡椒も目立たない。こちらは「トラフグのカルボナーラ」。白子のクリームでパスタを和え、仕上げには黒胡椒代わりの黒トリュフがこれでもかと削られた。芳醇な香りが店内いっぱいに漂い、口に運ぶ前から旨いのがわかる。ごく薄く削ったトリュフがクリームと溶け合い、旨味を格段にアップさせている。

  トラフグのカルボナーラ(山田シェフ)  
  黒トリュフをこれでもかとかける山田シェフ  

  続いてハインツシェフのファゴッテッリ。カルボナーラが大好物だというシェフが、自然療法の考えで「胃もたれしない」レシピを追い求めてたどり着いたのが、カルボナーラソースをパスタで包むこの形だ。ただ、今回は通常とは違うスペシャルバージョン。『ハインツ・ベック』のVIPも食べたことがない、白トリュフの大サービスがあった。山田シェフに触発されたのか、削り方も勢いがいい。パスタを一口で頬張ると、中からとろりとクリームが。卵のフレッシュな味わいに、歓声が沸いた。 

  ファゴッテッリ(ハインツシェフ)  
  ハインツシェフも山田シェフにまけじと白トリュフをふりかける  

白黒のトリュフと『ハインツ・ベック』渾身のペアリングワインに気分が高まり、初対面のメンバーたちもすっかり打ち解けた頃、いよいよメインに突入。山田シェフが最高級オマール海老のフランス産ブルーオマール、ハインツシェフが岐阜古川直送の飛騨牛のフィレ肉を大胆に使い、両者一歩も譲らずに進んでいく。

山田シェフの定番、オマールとトマトの組み合わせは、最高級のフランス産ブルーオマールで普段の何倍もゴージャスに。ナスの皮まで余すところなく調理したハインツシェフの一皿は、野菜の濃厚な旨みと岐阜古川直送の飛騨牛の甘味がマッチしていた。

ずわい蟹のスプリングロール
熟成古川産飛騨牛のフィレ肉     茄子のパルミジャーナ ※岐阜古川は古里精肉店より店主渾身の選別雌牛のフィレ肉を使用    

フィナーレに向かって、デザートの攻防へ。ハインツシェフが日本の柑橘で一番好きだという柚子を使ったプレートは、画家を目指したシェフならではの可憐な美しさ。砂糖はジェラート部分だけの最低限に抑え、体への負担の配慮も忘れない。最後に削ったフリーズドライの柚子で、今度は爽やかな香りが部屋を充満させる。

山田シェフのオレンジスフレは、まだ熱さの残るフワフワ生地にオレンジリキュール入りの冷たいソースをかけていただく。優しい味わいにリキュールがアクセントとなり、百花繚乱だったコース料理をキリリと締めくくった。

  柚子を使ったプレート(ハインツシェフ)  
  オレンジスフレ(山田シェフ)  

北参道倶楽部メンバーの満足度もさることながら、ハインツシェフと山田シェフの熱気も冷めない。会を終えた山田シェフに聞くと、「まだ夢を見ているみたい」と興奮状態。「まさか実現するとは」とシェフ自身も驚くほどの、想像を超える奇跡が起きたのだった。

18年ぶりのコラボレーション。次回はそう遠くない未来に果たされることを期待してやまない。


  当日供されたワイン(左より) ①ランソン ダブルマグナム ②チェレット ブランシュ マグナム ③ナダン ピュリニーモンラッシェ レ・シャルム ④バローロ ブルナーテ ⑤カイアロッサ マグナム  

 

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Text-=西村佳芳子