CAINOYA塩澤シェフが憧れていたカノビアーノ植竹シェフとのコラボナイト

会員制美食サロンとして、これまで数々のシェフたちとのコラボを実現させてきた「CHEF-1×GOETHE 北参道倶楽部」。今回のコラボレーションは、昨年京都へと移転した「CAINOYA」塩澤シェフが「一度でいいからコラボレーションしてみたかった」と語る、カノビアーノの植竹シェフ。イノベーティブジャパニーズレストランとして注目を集める塩澤シェフと自然派イタリアンの魔術師と呼ばれる植竹シェフによる饗宴は、イベント史上最多のゲストが集うほどの賑わいを見せた。

知られざる、幻の鹿児島産食材が多数登場

奇跡のコラボナイトと呼ぶにふさわしい、ふたりのスターシェフによるディナーの舞台となったのは、ホテル雅叙園 東京にあるカノビアーノ。今回は北参道倶楽部のメンバーだけでなく、それぞれのレストランのVIPたちを招待して、約50名という参加者を迎えてスタートした。各テーブルではシェフと談笑する姿も見られ、会場は和やかなムードに。昨年12月に京都へ移転したばかりの「CAINOYA」を早速訪れたゲストも数人いるなど、メンバーたちのグルマンとしてのレベルの高さもうかがえた。

会場からの盛大な拍手に迎えられ、まず登場したのは塩澤シェフ。「深夜のパスタ専門店が原点だった僕にとって、植竹シェフはいまも憧れの存在。人生で一度いいからコラボしたかった人です」。そう語るとスクリーンには、何度も繰り返し、読み込んだであろう一冊の本が映し出された。「これは植竹シェフの料理書です。ずいぶんと年季が入ってしまいましたが、それにサインしてもらったものです」。夢を叶えた少年のような笑顔の塩澤シェフと植竹シェフの「サルーテ!」のひと声から、スペシャルディナーは幕を開けた。

まず登場したのは塩澤シェフのスペシャリテとして知られる「クリスタルサラダ」。京都から、このイベントのためにガストロバック(低圧調理器具)を持ち込んで調理された一皿は、減圧させて野菜のスープを葉脈へと浸透させる技法によって、これまでのサラダの概念を覆すほどのみずみずしい仕上がり。焼き野菜として添えられた京都産丸大根、カブ、紫カリフラワーが食感のコントラストを織りなす、見事なスターターとなった。

クリスタルサラダ

続いてテーブルには、植竹シェフによる「薩摩タカ海老と薩摩天照トマト カラスミの冷製カッペリーニ」が。カッペリーニといえば「27年間毎日つくっています(笑)」と植竹シェフが言う通り、「カノビアーノ」のスペシャリテとしておなじみの存在。「いつもと違う薩摩の食材を使うことで、つくっていてもおもしろさがありましたね」とのコメントの通り、その味わいも別格。弾けるような海老の食感のあとに訪れるのは、ねっとりとした甘み。そしてトマトのさわやかな香りと力強く、濃厚な旨みが伝わってくる。そこにサルディーニャ産のカラスミの塩気が加わり、渾然一体となった美味が感じられる。

薩摩タカ海老と薩摩天照トマト カラスミの冷製カッペリーニ

塩澤シェフがお椀スープとして披露したのは、黒椀に張ったスープに皮付きの豚バラ肉を浮かべ、金時人参やオレンジ白菜、菜の花をトッピングした一品。スープには、こちらも鹿児島産のシャポーン鶏のブロードと枕崎のプロシュート、ドライポルチーニ、鮎魚醤を使用。これらの食材を聞くだけでも旨みの集大成であることがうかがえるが、そこにアクセントを添えるのがオリーブオイルをキャビア状に仕上げたもので、口のなかでフレッシュな香りが弾ける。シェフセレクトによるヴィーガンワインとの相性も抜群で、まさにイノベーティブジャパニーズの面目躍起。会場からもこのペアリングには感心と驚きの声が上がっていた。

お椀スープ

そしていよいよ京都「CAINOYA」の新メニューである「GV SUSHI(ガストロバックすし)」が登場。鹿児島産の黒酢を使い、手毬で仕上げたコハダはワサビとマスタードがアクセントとして効いた味で、酸味とコハダのなじみ加減も抜群。イカはエビ殻のフォンとアマトリチャーナをガストロバックしたもので、うっすらと透けて見えるナスタチウムが清涼感を誘う。円形にカットされた海苔の上に盛りつけられたのは、カツオから煮出した旨みをカツオにガストロバックしたもの。酢飯はドライトマトのエキスで炊いて、黒酢やヴィネガーを加えたもので、赤身の風味をトマトが包み込むような、新たなおいしさという感覚を体験できた。ゲストも想像を超えた料理の数々を食べるほどに口数が増し、会場はより賑やかな雰囲気へと変わってきたようだ。

ガストロバックすし

「金目鯛のポワレ ハマグリと冬野菜 白子のスープ」を植竹シェフがマイクをもって解説。「冬野菜は高知県の伝統野菜田村カブです。これは全国1位の透明度を誇る清流、仁淀川の元で地域住民の方々によって受け継がれた高知の財産。そこに沼津産の金目鯛を鱗焼きにして、両面焼きの大洗のハマグリを合わせました」。水から煮出した野菜の旨みが金目鯛にしみ込んでおり、まろやかな口当たりの白ワインと抜群の相性の良さを見せる。  

金目鯛のポワレ ハマグリと冬野菜 白子のスープ

続けて植竹シェフが繰り出したのは「サドルバックの赤ワイン煮 ラグーの香草タリアテッレ」。このサドルバックがまた貴重な豚で、もともとは塩澤シェフに教えてもらったとのこと。「鹿児島を訪れて、飼育している福留ファームを視察したのですが、環境が素晴らしいんです。豚舎も臭わないし、風も空気もまったく違う。良質な餌を与えられ、ゆったりと、のんびり育ったサドルバックは生ハムの本場イタリアでも、幻の豚といわれているんですよ。実際に食してみると、脂の香りも味も甘く、ほろほろと解きほぐれる肉の食感に魅了される。

サドルバックの赤ワイン煮 ラグーの香草タリアテッラ

塩澤シェフの肉料理は「シャポーン鶏のカイノヤ風焼き鳥」。シャポーン鶏とはフランスで最高級食材として知られる去勢した鶏のことで、シャポーン鹿児島鶏は、有機飼料のみで飼育し、放し飼いされる土壌は徹底的に残留農薬を除去している。その地で約8カ月という長期飼育に成功したのが、龍治農場だという。「このメニューは牛のすき焼きに対抗して、つくったものです。僕自身も生産者と会って、食べて、モモや胸、それぞれの部位のおいしさを感じてほしいと感じました」。その味わいたるや、割り下につけた黄身に絡ませると鶏すきのようでもあり、何よりも肉の弾力の豊かさに驚く。そして皮は香ばしく、実に表情豊か。

シャポーン鶏のカイノヤ風焼き鳥

その幻の鶏の流れ受け継いで登場したご飯物は、植竹シェフの「カルボナーラおじや 黒トリュフ風味」だ。日本で初めて栽培に成功したイタリア米、たけもと農園の国産カルナローリを磨かずに同量の水で炊き、ブロードで温め、溶き卵とパルミジャーノでとじたおじやは、たっぷりの黒トリュフが官能的な香りを立ち上らせる。華やかでありながら、日本人にもなじみのある料理を食した会場からは「死んでもいい(笑)」との声も。

カルボナーラおじや 黒トリュフ風味

デザートはふたりのシェフの饗宴で、塩澤シェフが「ガストロバックイチゴとタルトジェラート」、そして植竹シェフは「栗のカフェラテ」を提供。イチゴにクランベリーとブルーベリーのビネガーをガストロパックしたデザートは、意外性に満ちた味で、そこにタルトジェラートがほっとするような甘味をプラス。「栗のカフェラテ」はシェフがイタリアで見かけたおじいさんからインスピレーションを受けたメニューで、プリンと栗のスープをスプーンで深く混ぜ合わせていただく。マロングラッセとエスプレッソを交互に食べたかのような味わいは、最後の一品としてふさわしい、落ち着いた感覚をもたらした。

ガストロバックイチゴとタルトジェラート
くりのカフェラッテ

すべての料理が提供されると、ふたりのスターシェフが再び登場。今回のコラボナイトについて、植竹シェフは「まさか、本当に一緒ににやるとは思わなかった。僕にとっては刺激を得られる、いい機会になりましたね」。一方の塩澤シェフは「植竹シェフと同じキッチンに立つ喜びは特別なもの。それぞれのスタイルは違うけれども、かつてイタリアで励ましてもらったり、アドバイスをもらったことは忘れません」。そう語る塩澤シェフを「自分の美学がある人。だからこそ、これからも応援したい」と植竹シェフは言う。憧れの存在と、その姿を追いかけ、夢を叶えた男。それぞれのこだわりと美学を心ゆくまで堪能できた一夜であった。

スターシェフによる奇跡のコラボを堪能した参加者たち


Text=いとうゆうじ

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