GMO熊谷正寿 プレミアムな男たちが行きついたワイン好きの果て Part1

行く先々にセラーを備える者、人生を懸けた趣味にした者、生産者を訪ね歩く者。一流が極めたワイン道は、その生き様を映す鏡でもある。プレミアムワインに魅せられし6名の、究極のワイン生活をご覧あれ!

もてなしの枠を超越する究極の空間とワイン

渋谷の本社にあるおもてなし施設 「マイセラー渋谷」。ワインセラーにDJセット、それに寿司カウンターまで。
タイプ別に揃うリーデルのグラスはすべてGMOのロゴ入り。

「一番の趣味は笑顔と仕事。素晴らしいワインでもてなすのも、相手の笑顔が見たいからなんです」

そのように語るのは、実業界随一のワイン通として知られるGMOインターネット代表の熊谷正寿氏。向かう先々にワイン、グラス、オープナーを持参し、さらに専属ソムリエまで帯同する徹底ぶりだ。さらに別荘はもちろん、クルマやプライベートジェットなどの移動手段にいたるまで、ゲストを迎えるスペースにはワインセラーを欠かさないという。1年前には渋谷の本社に特別なゲストをもてなすための空間を設け、そこにもワインセラーを用意した。

セラーの中に収まるのはアルマン・ルソーなど、 トップクラスのブルゴーニュばかり。右のグラン・エシェゾーは、夢の実現を目指す若手経営者に向けてサインしたもの。

熊谷氏のワイン番を長年務めているソムリエの山中 真氏は、「4年前にブルゴーニュを訪問してから、熊谷さんのワインの飲み方が変わった」と証言する。

「ワインを開ける際、必ずブラインド(銘柄を隠すこと)で出すようにと言うんです。お客様の前でも答えが出るまで粘ります。畑、ビンテージ、造り手の名前
までズバリ! 8割は当たります!」と、山中氏も驚愕の的中率。

「自分が今飲んでいるワインはいったい何なのか。畑の斜度や土壌構成にいたるまで、深く理解したうえで飲まないと気が済まないようですね」

専属ソムリエの山中氏 (左)と語らう熊谷氏。入店後わずか半年で西麻布のワインバーの支配人を任された山中氏は、その店で熊谷氏と出会い、2010年から専属ソムリエに。

ワインセラーの中に収まるのは、アルマン・ルソーのシャンベルタンやコント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエのミュジニーなど、珠玉のブルゴーニュワインがほとんど。とりわけ花のような芳かぐわしい香りに、出汁のごとく味わいに奥行きのある、熊谷用語で言うところの"出汁花"系ブルゴーニュがお気に入り。’60年代や’70年代の古酒はオークションで競り落とすこともあるが、それも山中氏が信頼するオークショナーを介して手に入れる。カラーコピーしただけのラベルが貼られた、稚拙な偽ワインを過去に摑まされたのも、今となってはいい笑い話だ。

「繊細で気品溢れるブルゴーニュワインは、人と人とをつなぐ潤滑油のような存在。年をとってくると、ボルドーワインは時に主張が強すぎることもあるんですよ」

所蔵本数は約7000本。もしも自分の身に何かあったら「飲み残したワインはすべて弔問客に振る舞え」が遺言という。・・・・・・なんて明かしてしまったら、熊谷氏と面識がなくとも、日本中のワイン好きが弔問に訪れてしまうだろうか。それでも熊谷氏なら追い返さず、笑顔でもてなすことを望みそうだが。


WINE PROFILE

ワインの師匠は?
――西麻布「TSUBAKI」の名物ソムリエール、イクちゃん

好きなワインの傾向は?
――花のような香りと出汁の味わいを持つブルゴーニュ

ワイン消費量は?
――年に1000本前後

”ワインバカ”なエピソード
――あちこちに設置したワインセラーの数は50台

Masatoshi Kumagai
1963年生まれ。インターネット黎明期に創業、2005年に東証一部上場を果たす。現在、グループ106社、パートナー約5,300名を率いる。ワイン輸入会社の外部筆頭株主でもある。


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