奔放で寛容。唯一無二のシャンパーニュ「クリュッグ 2006」の秘密とは?

すべてのボトルを最高の個性を備えたシャンパーニュとして世に贈るメゾン クリュッグ。その唯一無二のシャンパーニュメゾンから、今月、ヴィンテージ「クリュッグ2006」がついに発売された。


比類なきシャンパーニュメゾン

時は1843年。当時のフランスで最も有力なシャンパーニュメゾンで働いていたヨーゼフクリュッグは、自分の思うシャンパーニュを造ることができないことに疑問を持っていた。天候に恵まれた年には素晴らしいシャンパーニュができるが、そうでなければ凡庸なものになってしまう。彼はそれが許せなかったのだ。そこでブドウの出来のいい年も悪い年も最高のシャンパーニュを造るために、彼は自らの名を冠したメゾン クリュッグを創設。

6代目の当主、オリヴィエクリュッグ。

ヨーゼフクリュッグが造り上げたのは、複数の収穫年、そして多数の畑、区画から構成されるワインを巧みにアッサンブラージュしたシャンパーニュ。その「キュヴェ No.1」は後に「クリュッグ グランド・キュヴェ」となり、その味はメゾン クリュッグ現当主で6代目のオリヴィエクリュッグに受け継がれている。現在、発売されている「クリュッグ グランド・キュヴェ エディション167」、つまり167回目のブレンドは、13の異なる年の191種類のワインから造られているのだという。

それからもうひとつ、ヨーゼフクリュッグが造り上げたのが「キュヴェ No.2」。特別な年のさまざまな環境を表現する「クリュッグ ヴィンテージ」は飲む人を感動させている。

ヨーゼフクリュッグがシャンパーニュへの想いや哲学を書き綴り、現在まで代々引き継がれるダークチェリー色の手帳にはこう記されている。

クリュぐ家の宝、ヨーゼフクリュッグの手帳。

「原則として、優れたメゾンは同種のブレンドによって2種類のシャンパーニュを造るべきである。キュヴェ No.1:構成はその年ごとに変えるべきであり、その年に収穫されたワインをベースに、前年度までのリザーブワインを組み合わせる・・・その逆もまた然りで、その年のワインが軽すぎるようであれば、例えば、1848年のワインを組み合わせる。キュヴェ No.2:キュヴェ No.1と原則変わらないが、その年の環境によって単一年のブドウのみのブレンドが求められる」

こうしてメゾン クリュッグは、すべてのボトルを最高の個性を備えたシャンパーニュとして毎年、世に贈り続けているのだ。

目まぐるしく変化した一年の物語

日当たり具合や傾斜など様々な条件で区画されるブドウ畑。

今回発売になった「クリュッグ 2006」は、豊かなアロマが特徴。決して華美になることなく、広がりや上品さをもつ。ピノ・ノワール区画から生まれたワインがブレンドの約半分を占め(48%)、その多くがモンターニュ・ド・ランスの南部や北部、レ・リセの区画で収穫されたブドウ。さらに、成熟したフルボディのシャルドネ(35%)がまろやかさと豊かさを、ルヴリニーとサント・ジェム産のムニエ(17%)が緊張と余韻を演出する。その後、セラーで12年間熟成させてバランスと繊細さを育むことで完成された。

2006年はシャンパーニュ地方としては気温が上がり、猛暑日も多く、30℃を超える日が23日もあった。さらに、乾季から豪雨に一変したり、通常は2ヵ月の雨期が8月の2週間にとどまるなど変化の激しい気候だった。しかし、幸いにもブドウの成熟期には再び太陽が戻り、収穫されたブドウは見事なバランスを見せ、傑作ヴィンテージといわれる2002年や1989年と匹敵する出来となった。

クリュッグ最高醸造責任者、エリックルベル。

メゾンは、このクリュッグ 2006を「奔放と寛容」と表現し、満を持してリリース。クリュッグ最高醸造責任者のエリックルベルは「クリュッグ 2006が綴る物語は、寛容と魅力、まろやかさ、上品さそのものです」とコメントした。

メゾン クリュッグが誇る偉大なシャンパーニュが、また一つ生まれた。

クリュッグ 2006
まろやかな円熟味を感じられるゴールドカラー。その香りは黄色のドライフルーツや、ローストしたアーモンド、ヘーゼルナッツ、メープルシロップ、メレンゲ、マンダリン酒を想起させる。口に含むと、芳醇さやふくよかさ、鮮やかさが心地よい香りとともに広がり、長い余韻へと続く。その風味はヌガーやフランジパン、ペストリー、タルトタタン、柑橘類を感じさせ、後味はピンクグレープフルーツの皮を思わせる。希望小売価格¥31,800(税別)

メゾン クリュッグとは
1843年、ランスに創業以来、現在に至るまで、プレステージシャンパーニュのみを造り続ける唯一のシャンパーニュメゾン。毎年、気候に左右されることなく、最高のシャンパーニュを提供すべく、いっさい妥協することなく造り続けられる。その技術は代々引き継がれ、毎年、その年に収穫された約250種のベースワインと、リザーブされている150種類のワインをテイスティングし、その年と未来を見据え、ブレンドを行っている。


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Text=八木基之(ゲーテWEB編集部)