外食産業のカリスマ 西山知義 プレミアムな男たちが行きついたワイン好きの果て Part.3

ワインは「カベルネ・ソーヴィニヨンが最高」と思っていたのに、突如ピノ・ノワール、それもブルゴーニュの極上物に目覚めてしまったのは、ダイニングイノベーション代表取締役会長の西山知義氏だ。自ら現地まで赴き、造り手のワイナリーを回るほどののめりこみようである。昨年は2度もブルゴーニュを訪れた。

改めて開眼す! 目で見て肌で知るブルゴーニュの魔力

軽井沢の別荘の完成に合わせて買いこんだ、700本を超えるワインに囲まれてご満悦の西山氏。

「カベルネ・ソーヴィニヨンで外すことはまずないけれど、ピノ・ノワールって失敗のリスクが大きいじゃないですか。ところが偉大なビンテージのDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)のワインを飲んで、これはやっぱりすごいなと感動したんです」

自分の目でブドウ畑をつぶさに観察し、帰国後はさらにブルゴーニュ関連の本を買いこんだという西山氏。「わずか半年足らずで、その成長ぶりがすごいと、私にブルゴーニュ・ウイルスを感染させた人たちから驚かれます」と苦笑い。

1997年のロマネ・コンティ。同じ年に生まれた息子さんのために購入した1本で、10数年間、飲まずに保管していたもの。息子さんの20歳を祝ってついに抜栓したという。

昨年10月に完成した軽井沢の別荘のセラーには、コルギンやハーランなど、西山氏が以前から好んで飲んでいたカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンに交じり、ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニー、モレ・サン・ドニといった村で造られるブルゴーニュの素晴しいワインが並んでいる。その中央に鎮座しているのが1983年物のロマネ・コンティ、しかも1.5リットルのマグナムボトルだ。「次に上場したら、これを開けてお祝いしたいね」と抱負を語る。

ブルゴーニュワインのどこにそれほど惹きつけられるのかとうかがえば、「繊細さ」と答える西山氏。

「まず香りを楽しんで、口の中に含んでから味わいの変化を楽しみ、最後に余韻を楽しむでしょ。まるで和食の繊細なお出汁をいただくような感覚ですね」

またブルゴーニュのワインを飲むようになって、自身の料理の味わい方にも変化が見られるようになったそうだ。

「美味しい不味いといった単純な評価ではなく、料理の食感や余韻まで、以前よりも細かく分析的に見るようになりました」

さすが、食の世界を極めた男である。そんな西山氏にとって、ワインとはどんな存在かをひと言で表すとすれば、「人生を豊かにするもの」。ブルゴーニュワインを好きになって造り手とじかに触れ合い、その実感はより増したという。しかし同時に「お金がかかりすぎます」との悲鳴も漏れるのであった。

ブルゴーニュ好きの経営者仲間の影響もあり、突如としてブルゴーニュに目覚めた。昨年は5月と11月の2度、ブルゴーニュを訪問。エレガントだが長命なワイン造りで知られるドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエや、白ワインの名手として名高いエティエンヌ・ソゼを回った。


WINE PROFILE

ワインの師匠は?
――グループ会社の役員でソムリエの高田賢介
  白ワインは幻冬舎社長の見城 徹氏
  赤ワインはGMOインターネット代表の熊谷氏

好きなワインの傾向は?
――昨年からブルゴーニュにはまっている

ワイン消費量は?
――週5本前後

“ワインバカ”なエピソード
――別荘の完成に合わせ、ワインを大量に買いこんだこと

昨年10月に完成した軽井沢の別荘にて。広々としたサロンには、オープンキッチンとワインセラーが備わっている。愛用グラスはオーストリアのザルトによるハンドメイド。オリジナルのロゴ入りだ。
Tomoyoshi Nishiyama
1966年生まれ。焼肉レストラン「牛角」など数々の外食チェーンを育て上げ、2012年にダイニングイノベーションを新たに創業。日本の外食産業に新風を吹き込み、海外展開も図る。

MY BEST PREMIUM WINE

Text=柳忠之 Photograph=枦木功