山野辺シェフだから入荷実現! 幻の「乳飲み仔鳩」をまるごと食す興奮の緊急夜食会をレポート

去る11月9日、銀座の江戸中華「やまの辺」で、会員制美食サロン「CHEF-1×GOETHE 北参道倶楽部」のゲリライベントが行われた。開催日のわずか5日前、山野辺シェフから幻の食材と呼ばれる「乳飲み仔鳩」が手に入ったとの連絡が入り、急遽夜食会を開催する運びに。興奮に彩られた緊急夜食会の様子を、「北参道倶楽部」のスタッフの一人で放送作家のすずきBがレポートする。

世の中に、こんなに旨い胸肉があったのか

「“ハト胸”って言葉があるぐらいですから……(笑)、鳩は胸肉が美味しいです。まずは胸肉から食べてみてください」

会場は銀座の江戸中華「やまの辺」。山野辺シェフにそう言われて、僕は初めて“エトフェの乳飲み仔鳩”にかぶりついた。パリッと音が聞こえるほど表面の皮は飴色に香ばしく焼かれている。フワッといい香りが漂い、噛んだ胸肉の断面を見ると、

「うわ、赤い!」

目を疑うほどに、濃いロゼ色。食べるとジューシーで、まるでブーダンノワールやレバーを食べてるかのような濃厚で血も滴る美味しさ。だが臭みなどまったくなく、汚れを知らぬ若々しさと柔らかさ。それでいて、鳩肉のあの香りも備えた、なんとも言えない不思議な味わいだ。僕が食べて思った言葉はこうだ。

「世の中に、こんなに旨い胸肉があったのか」

鶏や鴨、うずら、鳩など、過去に食べた鳥の胸肉を思い浮かべたとき、どうしてもパサパサした印象がある。フレンチであれば赤ワインソースなどをつけて美味しい印象。

しかし、山野辺シェフが仕上げたこの乳飲み仔鳩の胸肉は、肉自体がしっとりジューシーで、この上なく美味しい。赤ワインにも紹興酒にも合い、それらに負けないポテンシャル。これぞ幻の食材と言われる「エトフェの乳飲み仔鳩」たる所以なのだな。

乳飲み仔鳩が、なぜ幻の食材なのか? それは、突然の連絡だった……。先日の日曜、美食サロン「北参道倶楽部」所属シェフの一人、山野辺シェフから「横内商店の乳飲み仔鳩が入手できることになったので、『北参道倶楽部』で、ゲリラ的に、どうでしょう?」と電話が来た。

「横内商店の乳飲み仔鳩」といえば、「ナリサワ」「茶禅華」など、ごく限られたトップシェフの元にしか入荷されない食材。というのも、食用鳩が他の鳥に比べて入手困難な理由は、鳩は、人口孵化は可能でも人口育雛ができないから。したがって、鳩の子育ては、親鳩に頼るしかなく、1羽の親鳩が年間に育てられるのは15羽前後。しかも日本で、それを可能にしたのは、横内商店のみというのだから。

ところで「乳飲み」というけれど、鳩には哺乳類のような「お乳」はない。親鳩から口移しされるエサで育つのだが、ある期間、親の口で咀嚼されたエサがまるで乳のような乳白色で、栄養分も乳に似た状態となるので、それをピジョンミルクと呼ぶ。そして生後28日ほどまでの、いわゆる乳飲み状態の仔鳩を、「乳飲み仔鳩」と呼び、料理界では一目置かれるのだ。

まだ飛び立つ前の鳩なので、肉質が柔らかく、エサも親からのピジョンミルクのみなので臭みがないのも納得。そして中国料理では「血抜きした鳩」を使うのがほとんどだが、今回、山野辺シェフ曰く「エトフェの仔鳩を使います! なので超ジューシーですよ」という。

「エトフェ」……。あえて血抜きせずに筋肉の中に血をうっ血させる、フレンチでは有名な処理法で、こうすることで肉本来の濃いコクと深い味わいが得られるため、美食家はエトフェを求めるという。しかし、血抜きをしないということは、素材の新鮮さとシェフの腕も求められ、エトフェ処理の仔鳩はそう簡単に我々が口にすることができないという。

「エトフェの、横内商店の乳飲み仔鳩」は、ただの仔鳩とはワケが違う! 僕も食べたことがないし、食べてみたい人も多いはず。ならば、と、早速、火曜に「北参道倶楽部」で告知。その週の週末、金曜22時からという遅めのスタートにした。すると、あっという間に8名の応募が集まり、緊急開催を迎えた。まさに「北参道倶楽部」ならではのゲリライベントだ。

「うわ〜! あれが仔鳩ですか〜!すごい!」

8名のお客さんが入店すると、カウンターの向こうに、仕込み済みの丸の仔鳩がズラリと並んでいる姿に一同テンションが上がる。山野辺シェフから、開会の挨拶と料理の説明がされる。

「横内商店と取引するには、それなりの時間と根気がかかりました。そして、ついに入手に成功したので、これはぜひ北参道倶楽部のためにということで……。今回の仔鳩料理ですが、まず仔鳩の腹に、塩と山椒、オリジナルの味噌を塗りまして、皮には水飴を塗って、5度以下で、1週間乾燥させて、皮のハリと繊細な肉の旨味を出します。その仕込みが終わった状態がこちらです」

「おお〜〜」と感嘆と拍手が起こる。

「で、今日はこれを、この後、中華鍋でゆっくりと米油で揚げていき、皮をパリパリに仕上げます。頭から足の先まで、噛めるところは全て食べれますので」

一同、乾杯へ。するとそこへ、本日のスペシャルゲストが登場!我が「北参道倶楽部」のリーダーでもある「テストキッチンH」の山田宏巳シェフだ。

「手ぶらじゃ来れないので、これ、皆さんで!」

笑顔の山田シェフが手にしているのは、なんと先ほど自分の店でスライスしたばかりの極上ロースハム。これも前菜のひとつとして追加され、宴が始まった。山野辺さんが言う、

「ヒロさんからいただいたハム、そのままでも美味しいですが、うちのXO醬と、淡路島の玉葱マスタード、合わせてみてください」

山田シェフのハムに中華をコラボさせるアドリブ演出に加え、さらなる前菜も豪華。「牡蠣とあん肝の山椒ソース」は、山野辺シェフらしい四川の香り漂う山椒ソースが、なんとも牡蠣と相性がよく、磯の香りをより引き立たせながら、口の中をピリリと締めてくれる。

さらに「クラゲとザーサイ」で箸休めしながら、次なるシューマイに一同仰天。

「これ、実は肉を使っておらず、玉ねぎのみで作ったシューマイなんです」と山野辺シェフ。セイロで蒸された竹のいい香りの大きめのシューマイ。玉ねぎがこんなに甘くて美味しいとは……。

そして厨房では、山野辺シェフが仔鳩の仕上げをしながら説明を始めた。

「こうやって丁寧に何十回も油をかけて火を入れるんです。フレンチではアロゼって言いますが、中華だと、ユーリン(油淋)って言いますね。油淋鶏のユーリンと同じ字ですが、あれとは違いますね〜」

チリチリと油を回しかける音とともに、美味しそうなカラメル香が漂ってくる。そろそろ仔鳩が待ち遠しくなった頃、その胃袋を鎮めるかのように登場したのは、なんと、一人前1匹の上海蟹(メス)を使った、贅沢な上海蟹のスープ!

広東白菜の食感と甘みが、蟹味噌の内子と外子のプチプチ感と濃厚さとあいまって口の中でトロトロと溶け合う。

そして!「皆さん、お待たせしました!」と、ついに、本日のメインディッシュ、「エトフェの、乳飲み仔鳩」が登場。

飴色に輝く表皮は、なんとも妖艶で美しい。と言いつつ、よく見れば鳩の顔。目とクチバシに、多少のグロテスクさは拭えない。だが、ここからが、トップシェフと同席する我が「北参道倶楽部」ならでの醍醐味だった。

山田宏巳シェフが笑顔で補足する。

「見た目、北京ダックを小さくした感じでしょ?(笑)北京ダックは皮しか美味しくないけど、これは、まるごと全部食べて美味しいんですよ。あ、山野辺、それ切らないで! そのまま出そう!」

厨房で、山野辺シェフが、食べやすいように普段店で出してるように、半身に切りかけていたのを山田シェフが止めた。

「仔鳩は、手づかみで、豪快にちぎってむしゃぶりつくのが美味しいんですよ!」

そう、サービスという面では食べやすくし、上品にいただくのがマナーではある。しかし、本当に美味しいものを食べ尽くしてる者からすると、特にこういった貸切イベントとなれば、マナーなど、どうでもいい。美味しいものを、美味しく食べることが最重要。さすが山田シェフだ。

冒頭に書いたような胸肉のジューシーさに感動したら、今度は、モモ肉を手でちぎって頬張る。すると、熱々の肉と肉がちぎられる断面からフワッと湯気が立ち上り、溢れるジュースと香りにやられる。(なるほど、これを感じて欲しくて山田シェフは言っていたのだな)

ナイフでもない、食べやすく予め切ってあるのとも違う。豪快に、むしゃむしゃと原始人になった気分で、丸ごと一羽を無心で食らう至福のひととき。皮はパリっと香ばしいのに、肉はふっくらとしてジューシー。エトフェ効果か、仔鳩の柔らかさと、鉄分の旨味や滋味深さも感じる。

骨にしゃぶりつき、舐めるように肉を一通り食べ終えると、山野辺シェフが、残った鳩の頭に手を差し伸べる。

「これ、実は脳みそも美味いんですよ」

クチバシを上下にグイッと開いて、そのまま頭の骨を剥がす。メリメリと音を立て、目の前に現れたのは、真っ赤に染まった小鳩の頭の中。その中にある、小さな白い部分が、美味しい脳みそだという。これを、吸い出すようにチュチュっといただく。

「うわ、甘い!」

乳飲み仔鳩という貴重な食材を、脳みそまで美味しくいただく。これは、こういった宴だからこその貴重な「体験」だ。こうしてメインの仔鳩を食べ終え、一同、ご満悦。

すると山野辺シェフが言う。

「この後、坦々麺あります! 食べれる方は?」全員が挙手し、極上の坦々麺が〆の麺としてふるまわれる。肉味噌が特別。それ用のスプーンも用意され、粗挽きなゴロゴロと肉感がすごい。

「実はこれ、尾崎牛の肉味噌なんです」

こんなに美味しい坦々麺の肉味噌、初めて食べた。さすが山野辺シェフ、ひとつひとつの食材へのこだわりが半端ない。

既に全員が満腹なところへ、山野辺シェフのさらなるサービス精神が止まらない。

「いいウニとキャビアがあったので、こんなの作りました。まだ、お腹に余裕ある人、手を挙げてください!」

またも全員が挙手し、イクラとウニとキャビアと銀杏の、豪華炊き込みご飯が、特別オプションで、ふるまわれる。

最後は皆さんで記念撮影。帰りには、山田宏巳シェフのハムの残りが全員への手土産として包まれ、手渡された。

こうして奇跡の「北参道倶楽部」ゲリライベントが無事終了。我が「北参道倶楽部」のためにこれだけの貴重な食材を惜しげもなく提供してくれるシェフの心意気が、実に素晴らしい!

そんな、他では絶対に味わえない、美食のイベントが毎月行われ、しかも、こういったゲリライベントも突然開催される「北参道倶楽部」。

次回はいよいよ、芸能界では秋元康さんとアンジャッシュ渡部さんしか予約が取れないと言われている予約困難店「柳家」だ! 残席わずかなので、お早めの参加表明、お願いします。※「柳家」のイベントは完売いたしました。

Text=すずきB(放送作家)

【イベント概要】開催日:11月25日(日)
集合場所・時間:JR中央本線 瑞浪駅 11時集合
会場:柳家 (岐阜県瑞浪市陶町猿爪573-27) ※集合場所は「瑞浪駅」です。ご注意ください。
※瑞浪駅-柳家間はバスのご用意がございます。
※瑞浪駅までの往復交通費は各自ご負担となります。
※集合時間に遅れた場合は、如何なる理由があってもご参加いただけませんので、ご注意ください。
※本イベントはアルコールの提供があるため、お車でのご来場はご遠慮ください。 参加費:
北参道倶楽部 1名 25,000円(税込み)
ビジター料金 1名 40,000円(税込み)
※ドリンク代は別途テーブル毎のキャッシュオンになります。ご了承ください。
※1名まで同伴可。
※ビジター枠での参加は1回限りとなります。

【応募手順】
下記記事①よりGOETHE SALON MEMBERへご登録(無料)

下記記事②よりCHEF-1×GOETHE 北参道倶楽部会員へご登録
入会費:12万円(税込)※支払いはカード決済のみ
第一期会員期間:2018年10月~2019年9月末
※会員ご登録の時期に関わらず、第一期会員の有効期間は会員登録時から2019年9月末迄となります。
※この時点ではまだイベントへご参加いただけません。

下記記事③よりCHEF-1×GOETHE 北参道倶楽部
第二回イベント「柳家」へ申込み
参加費:2万5千円(税込)
※ドリンク代は別途テーブル毎のキャッシュオン

プレミアムイベントへご参加

さらに今回は特別にビジター枠を限定で用意!「北参道倶楽部」へ入会検討中の方が、柳家で特別な食事ができる絶好のチャンスだ。こちらも数に限りがあるため、ご希望の方はお早めにお申込みを!

【ビジター枠 応募手順】
※ビジター枠での参加は1回限りとなります。
下記記事①よりGOETHE SALON MEMBERへご登録(無料)

下記記事④よりCHEF-1×GOETHE 北参道倶楽部
第二回イベント「柳家」ビジター枠へ申込み 
参加費:4万円(税込) ※ドリンク代は別途テーブル毎のキャッシュオン
ビジター枠での参加は1回限りとなります。

プレミアムイベントへご参加

①「GOETHE SALON MEMBER」へのご登録がまだの方は、下記よりまずご登録を。

②「CHEF-1×GOETHE 北参道倶楽部」への入会はこちらから↓

③二回目のイベント申し込みはこちらから↓

④ビジター枠ご希望の方は「GOETHE SALON MEMBER」にご登録後、こちらからご応募を↓

Hitoshi Yamanobe
1980年東京都生まれ。天厨菜館グループで中国料理のベースを学び、銀座本店で調理長、天王洲アイル店で総料理長を歴任。2015年に「銀座 やまの辺」をオープン。TBS『おびごはん』やNHK『あさイチ』に新進気鋭のシェフとして出演する。


Suzuki B
1970年静岡県生まれ。放送作家。「秘密のケンミンSHOW」「ヒルナンデス」「ぷっすま」などを担当。これまで「ペコジャニ∞」「魂のワンスプーン」「龍虎飯店」「嗚呼!花の料理人」「メントレG」「元祖でぶや」「新どっちの料理ショー」といった多くのグルメ番組を企画・構成。またスターシェフがコラボする料理業界応援プロジェクト「CHEF-1」を企画・運営し、様々な料理企画やイベント、GOETHEとのコラボによる「北参道倶楽部」を立ち上げる。鹿児島県大崎町のPRムービー「僕はカブトムシ」を企画・構成。著書に「浮気とは午前4時の赤信号である」がある。
http://www.suzukib.net/