1300本収集! ウイスキー愛が爆発の医師が語るウイスキーの奥深さとは?【お酒コレクション】

「生涯の友」「人生を豊かにしてくれる宝」……。酒を表現する言葉は数あれど、共通する思いは「酒のない人生などありえない」だろう。酒をこよなく愛する男たちの熱狂と、自身の秘蔵酒を披露する。


外科医 兼 テイスター 松木崇

外科医としてハードな日々を送りつつ、プロのテイスターとして専門誌にも寄稿する松木崇氏。これまで6000を超すウイスキーを味わった。

「昔は麦をまったく感じないほどフルーティに熟成したオールドボトルを求めた時もありましたが、ここ数年は適度に麦の味や樽の香りもあって、ボディも感じられるウイスキーが好みです」

書斎は試飲室も兼ねており、すでに開栓済みのボトルが約300本。別室と貸倉庫にも大量に保管しているが、すべて「飲むため」に購入。昨今は高騰を見こんでボトルを集めるコレクターも多いが、彼らが「大切に保管してくれたお陰で私も状態のよいものが飲める」と感謝しつつ、自身はウイスキーを投機対象にしたくないと明言する。

「数十倍に高騰した銘柄もありますが、私は飲み時がきたら飲むのがポリシー。ウイスキーには"開け時"があり、タイミングを逸したら"腰"が抜けてしまう場合も多い。愛好家の間では今、’60年代に蒸留し樽熟成を経て’80年代にリリースされたボトルに敬服すべき味わいが多いと言われています。でも私は、度数と瓶詰め後の年数を見極めて、自分なりに開け時を探るのも楽しみのひとつなんです」


松木崇がデイリーに飲む一本

スプリングバンク 10年 ¥6,000(700ml)
「キャンベルタウンのシングルモルト。製麦も自社で行い、土地の特徴である塩気もある」

Takashi Matsuki
1980年生まれ。生死を預かる手術も行う頭頸部外科医。学生時代に「芳醇さにピンと来て」ウイスキーの魅力に開眼。専門誌『ウイスキー・ガロア』でテイスターを担当するほか、樽の選定にも携わり、国内外の品評会の審査員も務める。


Text=田代 格 Photograph=鈴木拓也