相手との距離を近づける鮨屋①『銀座 いち分』The Killer Restaurant

昨年、銀座に暖簾を掲げた鮨店。志は高く、敷居は低く。 若き店主の心意気は、接待にもうってつけ。

〝香り〞を纏い進化した炙り鮨

「〝香り〞は美味しさの大切な要素であり、エンタテインメント。鮨はそこが弱いので、炭火焼きを取り入れました。伝統は残しつつも、柔軟な考えで進化させていきたい」とは、店主の小川武士氏。昨年6 月にオープンした新店では正統派の握りに加え、炙り鮨にも力を入れている。

店主・小川氏。羽釜も欠かせない仕事道具。

苦心しながらも使いこなす豊後(ぶんご)備長炭は大きくて火持ちがよく、温度も600度と高い。中から火が入るので、焦げが苦くなるバーナーと違い軽さと旨さが特徴だ。

例えば、余分な水分を飛ばして旨味を凝縮させたレンコンの海老すり身詰め、藁でスモークして皮目を炙った金目鯛と、柔らかく炊いて炭火焼きした穴子の握りは悶絶もの。大トロを炙ったマグロのカルビ焼きなる裏メニューもそそられる。

レンコンの海老すり身詰め。右がアンチョビ、左が自家製明太子と2種の味わいで。

銀座エリアでも小体(こてい)な店が多い昭和通り向こう。営業は1回転のみ。価格も良心的で、来店頻度は高まりそうだ。

Ginza Ichibun
TEL:03-6260-6644 
住所:東京都中央区銀座2-13-19 銀座アルカビル1F 
時間:18:00~22:00 
休み:不定休 
席数:カウンター9 席 
料金:おまかせ¥17,000~

Text=粂 真美子 Photograph=上田佳代子