【速報】世界一おいしい日本酒が決定!「SAKE COMPETITION」表彰式レポート

「ブランドによらず消費者が本当においしい日本酒にもっと巡り会えるよう、新しい基準を示したい」という理念のもと、2012年に始まった「SAKE COMPETITION」。第7回を迎える今年度は、454蔵から1772点がエントリーし、世界最大規模に。技術指導者、有識者、蔵元から成る予審37名、決審41名の審査員が、ブラインドでテイスティングをし、「純米酒」「純米吟醸」「吟醸」「Super Premium」「スパークリング」「海外出品酒」の7部門で審査を行った。日本のみならず、世界からも注目されるイベントの表彰式の模様をいち早くお届けする。

454蔵元から1772点がエントリー

表彰式が行われたのは、6月11日、ザ・ペニンシュラ東京のボールルームにて。蔵元といった出品者をはじめ、マスコミや業界関係者が会場内を埋め尽くし、スタート前から熱気に包まれた。冒頭の登壇したのは、農林水産大臣時代に日本酒の輸出に力を注いだ林芳正文部科学大臣。

「日本酒の輸出はここ数年飛躍的に伸びています。また、国内でも需要低迷が底を打ち、上昇に転じる兆しがあります。それを牽引しているのが、この『SAKE COMPETITION』でないかと思います」と、祝辞を述べた。

次いで、各部門の受賞酒が発表された。

最初に紹介されたのは、2017年に新設された「ラベルデザイン部門」。この部門の審査員長を務めたグラマラス代表森田恭通氏は、「ジャケ買いもあるので、ラベルデザインはとても重要な要素。とはいえ、デザインをし過ぎると逆効果になるので、バランスが大切だと思います。今回は152点の応募がありましたが、素晴らしいデザインが多々あり、選出するのはとても難しかったです」とコメント。

1位に輝いた「新緑の播磨路」(富久錦)のラベルには、「海外で日本酒を飲む機会が増えましたが、どこかワインに寄り過ぎたラベルデザインが多いような気がしていました。そこで、日本らしさを意識して、選ばせていただきました」と評した。

「スパークリング部門」(出品数74点)の1位には「南部美人 あわさけスパークリング」(南部美人)が、「純米酒部門」(出品数456点)の1位には「會津宮泉 純米酒」(宮泉銘醸)が、「純米吟醸部門」(出品数534点)の1位には「作 恵乃智(めぐみのとも) 」(清水清三郎商店)が、それぞれ選出され、そのたびに会場からは大きな歓声が沸き上がる。

1位を獲得した日本酒。左から、海外出品酒部門「Junmai Ginjo Nama」(Arisona Sake LLC)、 Super Premium部門「醸」(せんきん)、 吟醸部門「極聖 大吟醸」(宮下酒造)、純米大吟醸部門「南部美人 純米大吟醸」、 純米吟醸部門「作 恵乃智(めぐみのとも) 」(清水清三郎商店)、 純米酒部門「會津宮泉 純米酒」(宮泉銘醸)、 スパークリング部門「南部美人 あわさけスパークリング」(南部美人)、ラベルデザイン部門「富久錦 新緑の播磨路」(富久錦)

また今年度は、海外にある醸造所で製造した米を原料とする醸造酒というカテゴリーで、「海外出品酒部門」(出品数17点)を新設。1位には、「Junmai Ginjo Nama」(Arisona Sake LLC)が選ばれた。

アメリカから来日したArisona Sake LLC代表の桜井厚夫氏は、「日本・アメリカの友人、知人、ワイフに感謝しています。そして、会場のみなさん、どうもありがとうございます」と喜びに胸を詰まらせ、プレゼンテーターを務めたいとうせいこう氏は、「アリゾナという地で、こんなにおいしい日本酒がつくられているのかと驚きました。日本酒は、その土地ごとの物語と共につくられてきたもの。お米をどうやって手に入れるか、どう加工するか、ご苦労は多々あると思いますが、アリゾナという土地の物語と共に、これからもクリエイティブなお酒を味合わせてください」と語った。

なかでも「ゲーテ」が注目したのは、2016年に、中田英寿氏の発案で設立された「Super Premium部門」(出品数48点)だ。エントリー資格は、特定名称酒に限らず720mlで小売価格が10,000円(外税)以上、1800mlで15,000円(外税)以上の清酒。酒質だけでなく、外見(ラベル、方張り、ボトル、化粧箱等付属品を含むパッケージ)も加味した総合評価にて順位を決定するというもので、海外への輸出を見据え、外国人審査員を含むゲスト審査員で選定を行った。

その結果、1位を獲得したのは、「醸」(せんきん)。「うちのような変わったお酒ばかりつくる蔵が受賞できるとは」と驚きつつも、「蔵の頂点にふさわしいお酒をという想いで、これをつくりました。苦楽をともにしている杜氏やスタッフと喜びを分かち合いたいです」と語るのは、せんきん専務取締役の薄井一樹氏。

中田英寿氏の発案で設立された「Super Premium部門」で1位に選ばれた「醸」の蔵元、せんきん専務取締役の薄井一樹氏(右)

プレゼンテーターの中田英寿氏は、「先月末、香港で世界中のすばらしいワインメーカーが集まる展示会に行ってきましたが、日本酒が“世界の醸造酒”として認められ、海外のメーカーにとっても気になる存在になっています。また、世界のトップメーカーが集まるディナーに日本酒を出した時も、みなさん口々に『日本酒はすごい』と言っていました。この部門のような日本の高級酒を飲む機会は、今後益々世界中で増えていくと思います」と、日本酒の未来に期待を寄せた。


Text=村上早苗 Photograph=たかはし じゅんいち