やっぱり凄かった! 世界中の美食家が憧れる「徳山鮓」体験とは?

2004年に開業して以来、瞬く間にその名声が広まり、今や世界中の美食家が注目する「徳山鮓(とくやまずし)」。4月半ばに行われた会員制美食サロン「CHEF-1×GOETHE北参道倶楽部」のイベントでは、この滋賀にある和のオーベルジュで至福のランチを堪能。興奮の美食会の様子をレポートする。


「正直、なれ鮓は苦手だったが、こんなに美味しいとは」

琵琶湖の北側に位置する余呉湖をご存知だろうか。周長6,4km、2時間もあれば1周できてしまうくらいの小さな湖は、湖面が穏やかなことから「鏡湖」とも呼ばれ、風のない穏やかな日には周囲を囲む大自然の四季折々を映し出し、息をのむほどの見事な景色を作り出す。ナマズ、フナ、コイ、ウナギなどが棲息し、冬にはワカサギ釣りも楽しむことができる。

余呉湖。奥に見える賤ヶ岳(しずがたけ)の向こう側は琵琶湖。

今回の北参道倶楽部の舞台はその余呉湖のほとりに位置する「徳山鮓」。今や日本のみならず世界中のシェフや美食家たちがこの大自然に囲まれた(決してアクセスがいいとは言えない)和のオーベルジュを目指してやってくる。今回メンバーに同行してくれたイタリアンの鬼才、山田宏巳シェフをして「『徳山鮓』を知らずに食通を語るのは恥ずかしい」と言わしめるほどの名店だ。

美食会が開催されたのは、まだ肌寒さが残る4月中旬の日曜日。東京から東海道新幹線と北陸本線を乗り継ぎ3時間ほどで徳山鮓の最寄り駅である余呉駅に到着する。駅のホームからは余呉湖とそれを取り囲む山々や田畑が見え、長閑な景色が広がる。そしてこの景色こそが、「徳山鮓」の美味しさの秘密なのだ。

実は、徳山鮓はすし屋でない。「鮓」という名称がついてるので誤解されがちだが、余呉湖周辺の大自然で獲れる地元の食材を、和食として提供してくれる料理宿である。「湖、山、川、田畑が揃ったこの地でとれる物の中で何ができるのか、ということを考えます」と言うのは大将の徳山浩明さん。「そうでないとここまでお越しいただく意味がなくなってしまうので」。まさに地産地消だ。

さらにここに"発酵"というキーワードが加わる。

徳山さんはもともと京料理の料理人だったが、地元の発酵研究所に通ううちに、滋賀の伝統的な文化である”発酵”を取り入れている料理人がほとんどいないという事実に突き当たり、それならば自分がと2004年に「徳山鮓」を立ち上げた。

「発酵食品の魅力はすべてをコントロールできないところにあります。例えば揚げ物とか焼き物は目で見て、音で感じて、触って、食べ頃のタイミングというのがわかるんですが、発酵食品はそうでないのです。発酵は菌が調理するから、例えばあと一年発酵させたらどのような味になるのか、それはもうやってみないとわからない。だからこそ面白いし、一生極めることはできないと思います」

そんな徳山さんが創る料理はと言うと、一つひとつの料理に工夫があり、驚きがあり、そして文句なく美味しい。調理法もバリエーションに富み、食べ手を飽きさせない工夫がされている。

例えば「鯉のつくり」。

鯉のつくり。たまごがまぶしてある。まさに‟親子での共演”。

まぶしてある黄色い小さなつぶつぶは鯉のたまごだ。鯉というと、どろ臭い匂いがするイメージを持っている人もいるだろうが、幼い頃に食べていた鯉の味を追い求めていた徳山さんが「最近になってやっと探しあてた」というこの鯉は全く臭みがない。脂がのった鯉のぷりぷりとした食感と、たまごのぷちぷちの食感を同時に楽しむことができる。口にした参加者からも次々に美味しい!という声が上がった。

さらに「鱒のたまご」は運ばれてくるなり一瞬で皆の視線をくぎ付けに。

鱒のたまご丼。赤みが押さえられた上品な色合い。

一見、鮭のいくらに見えるのだが、色が微妙に異なる。鮭のいくらより赤みが少なく、ややグレーがかった不思議な色をしている。徳山さんによるとこの色は漬け方の問題ではなく鱒のたまご自体の色とのこと。これを「鱒のたまご丼」としていただくのだが、まさに絶品。たまごのぷちぷちとした食感、まろやかな味と少し硬めのシャリが最高に合う。たまごの漬かり具合も絶妙で、全て計算し尽くされているという感じがする。山田シェフが思わず「お土産に持って帰りたい」とつぶやくのも納得の美味さだ。

その他にも徳山さんが食材からこだわり抜き、見た目にも楽しめる料理が次々と登場する。

そして、「なれ鮓」。そもそもなれ鮓とはいわゆる江戸前寿司とは異なる、魚を塩と米で発酵させた日本古来のすしであり、滋賀の伝統食である。食べたことのない人も多いだろうし、食べたことがあってもその独特な匂いと酸味のために苦手意識を持っている人も多いのではないだろうか。実は山田シェフもそんな一人だったが、徳山鮓にきて「なれ鮓はこんなに美味しいものだ」と知ったという。

右からトマトソース&カチョカバロチーズをのせた鯖のなれ鮓。余呉産のはちみつがかかったふな鮓。発酵させた自家製のからすみ。ふな鮓のサンドウィッチ。

実際にこの日も、食べやすいようにチーズやはちみつでアレンジされており、参加者からは「正直なれ鮓は苦手だったが、こんなに美味しいとは!」と大絶賛の嵐。まさになれ鮓の概念がひっくり返されたといっても過言ではない衝撃の食体験だった。そしてこのなれ鮓の酸味が日本酒と最高に合う。普段日本酒を飲まないという参加者もついつい日本酒がすすむ。ちびちびと日本酒をやるには最高の肴だろう。

そのなれ鮓と並んで徳山鮓を代表するメニューの一つであるのが「熊鍋」。これを目当てに来るリピーターも多い。

脂と赤味が美しい色のコントラストを作りだす熊肉。お皿の形は余呉湖。

まず熊肉の赤味と脂が作り出すその美しい色のコントラストに目を奪われる。「脂をしっかり残したいので、ゆっくり剥いでいく」と、女将さん。なんでも熊肉をこの状態にするまでにかなりの時間と労力がかかっているそうだ。この熊肉を、地元で採れたネギ、水菜と合わせて女将さんが鍋に入れてくれる。出汁は昆布としょうゆだけだが、これに徳山鮓の熊肉と新鮮な野菜が入ると味にコクが出る。

熊鍋。肉は言うまでもなく、この出汁がまた絶品。


「一杯目、二杯目、三杯目とどんどん出汁の味が変わってくるので、出汁も一緒に楽しんでください」という女将さんの言葉通り、一杯目の濃厚でまろやかな味から、だんだんとあっさりとしたさわやかな味に変わる。体に染み入る優しい口当たりで、何杯でも飲めてしまう。

一方、熊肉の方も「いままで食べた熊の中で一番美味しい」と舌の肥えた参加者が言えば、山田シェフも血抜きがしっかりしていると絶賛。臭みがなく、やわらかく、食べやすい。これが極上出汁と絡まるのだから美味しくないはずがない。

さらに熊肉と一緒に食べるネギと水菜がまた絶品。甘味がありスープにうまく馴染んでいるが、瑞々しいシャキシャキ感はしっかりと残っている。

最後は、徳山さんが地元の知り合いから特別に仕入れているという卵と、熊の脂がとけたスープが絶妙に絡みあった雑炊にしてくれる。コースの終盤で皆お腹いっぱいのはずがあっという間に鍋は空っぽに。

熊鍋の雑炊。食べる前からその見た目だけで美味しいのがわかる。

この日は日帰りでランチをいただいたのみだったが、「徳山鮓」は宿泊施設も備え、美味しい夕食をいただい後は露天風呂から満天の星空を眺めることもできるし、山田シェフが「夢のような」と形容する朝食も供される。

もちろん季節によって使用する食材も異なる。今回は様々な魅力をもつ「徳山鮓」のほんの一部を味わっただけにすぎない。「今度は泊まりでゆっくり来たい」と北参道倶楽部メンバーが次々に口にしたように(実際に次回の予約をしたメンバーも)、「徳山鮓」はまたすぐにでも再訪したいと思わせる魅力に溢れていた。

「余呉駅」にて参加メンバー全員で記念撮影。山田宏巳シェフ(後列右から2番目)の他、この日は四ツ谷にある懐石「うぶか」加藤邦彦シェフ(前列左から2番目)も参加。


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CHEF-1×GOETHE 北参道倶楽部ラインナップ

<6月>
6/3(月) イタリア料理界を代表する2人の鬼才、『フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ』の小林幸司シェフと、『テストキッチンエイチ』の山田宏巳シェフがタッグ! 悶絶級の美食会@南青山

6/5(水) テストキッチン エイチ1周年記念 もはや食べるお札?と言われる薄くて貴重な生ハムの数々!日本中のグルメがわざわざ山形まで生ハムを食べに通う、自家製ハムの超人気店「イル コテキーノ」佐竹シェフ×山田宏巳シェフがスペシャルコラボ!@テストキッチン エイチ

6/15(土) #sushibaeで世界が注目「照寿司」×「やまの辺」初コラボ!寿司の都、北九州の旅 

<7月>
7/7(日) 『テストキッチンエイチ』山田宏巳シェフの桃園で桃狩り&『クラッティーニ』でもぎたての桃を使ったスペシャルランチを堪能する桃づくしの会

<8月>
8/4(日) 食べログ日本一!全国の食通が通う岐阜の極上ジビエ料理の名店「柳家」で夏メニューを味わう

<9月>
9/16(月) 埼玉の割烹料理の名店「樋山」と山田宏巳シェフのスペシャルコラボによる松茸づくしの会

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※内容・予定は変更になる場合がございます。


Text=河田智樹(ゲーテWEB編集部)