食べログフォロワー数日本一・川井 潤の 「違和感の多い料理店」【まとめ】

過去に広告代理店のマーケティング部門に在籍し、さまざまな食のプロジェクト(伝説のテレビ番組「料理の鉄人」のブレーンも!)を担当。現在は日本一の食べログフォロワー数を誇る、食に精通した筆者が、昨今のレストランや食のあり方に感じる違和感、そして変化のあれこれを14回にわたって綴ったシリーズをまとめて全公開。


vol.1  予約困難な店、超高額店が続出

食べログ等ネットの評判サイトの影響もあり、レストランの予約困難店が続出している。やっと取れたと思っても、次の予約は2年先なんてことも多く、食がいつの間にか人生のスケジュールを左右してしまっている。また高級店の価格がどんどん上がって、特にここ1年はインフレ気味だ。


vol.2  お酒をあまり飲めない人に対する件

酒や飲料は、お店にとって利益の根幹だ。しかし、体質的にお酒を飲めない人もいれば、宗教上の理由で飲めない人もいる。さらに20歳以上の6割がアルコールをほぼ飲まない時代になった。そんななか、レストラン側はお酒を飲めない人にどのように対応していくのか。


vol.3  非常識な客

年間の被害額が750~2000億円とも言われる、レストラン飲食店で起こるノーショー(無断キャンセル)。さらに、店内で今、そんな非常識な客の増加のために、店側による逆襲が起きている。要は店が客を選ぶ時代になってきたのだ。


vol.4  料理作りに大切なモノは何か?

函館のミシュラン掲載(ビブグルマン)された中華の「星龍軒」が昨年廃業した。「仕込みがきつい。60半ばになるのに、こんなに働いて、みんなが喜んでくれればいいけど、知らない人にまでそこまでやって、果たして楽しいのかなって」と店主は語った。これは、この店だけの問題ではない。料理人が心折れずに、楽しく店を続けるために大切なモノとはなんだろうか。


vol.5  グルメ有名人の追っかけ族 & 食のスタンプラリー化

有名人がオススメしているすべての店を追いかける人、ミシュラン星持ちの店や食べログゴールド・シルバー・ブロンズ受賞店に何店舗訪問したかを競う人など、スタンプラリー的行動をする人たちが出現している。しかし、それは食本来の楽しみ方なのだろうか。


vol.6 グルメ事情百花繚乱

日本で開催されるラグビーW杯やオリンピックなどの国際的なイベントによって、2020年までは増え続けるであろう訪日外国人。これを日本の食を味わってもらうチャンスと捉えて、今後どうして行くのか、方針や戦略、対応がそれぞれのレストランにも求められている。


vol.7 料理店に対する満足度の法則

魯山人が料理を食べた後に感じる言葉として「心が喜ぶ」と言う言葉をどこかで使っていた。人によって料理店に対する満足度を測る指標は異なるが、「この店良かったなぁ」と言うのは、味だけでなく価格や店主(シェフ)の姿勢も大きく関係するのではないだろうか。


vol.8 違和感ある現象、対応などあれこれ

同じコースで飲んだ量も同じくらいなはずなのに、人によって値段を変えるなど会計が不透明な店がある。どうかと思うが、料理店にとって来て欲しい客、来て欲しくない客がいるのはわからないでもない。また、緊急時の対応力が備わっていない店もある。日頃のホスピタリティ同様、その時の対応力が実は客との関係を長続きさせられる大きな要素になる。


vol.9 経営権と料理人と

最近、いわゆる大箱のレストランやフランチャイズ店だけでなく、小規模な店でも経営と料理現場が分かれているケースが増えているという。料理を作れれば商売ができるというどんぶり勘定時代は終わり、人材の確保やSNSでの広報対策など多面的に対応できる経営、組織が必要となってきた。しかし、その経営者が、料理や料理人、店そのものへの愛情を持っていないと不幸が起こってしまう。


vol.10 勘違いしている料理店

「アニサキス」による腹痛や鶏肉などに火がしっかり通っていないことによる食中毒がニュースで報道されているが、これを不運という言葉だけで片付けてはいけない。そのたった一度のことで食物アレルギーを発症したり、命を落としてしまうこともあるのだ。客は、料理人に対して自分の命を預けていることを改めて認識し、向き合っていく必要がある。


vol.11  飲食店からの選民が進む時代。SNSやらあれこれ

会員制や住所連絡先完全非告知、SNSへのアップ禁止など、クローズドな店が増えている。昔からそういった秘密の店は存在していたが、それは客を選び、店の雰囲気を保ちたい、と言う狙いだった。しかし最近は、プロモーションの一環でそういった手法を用いる店が増え始めている。


vol.12 ハレとケのメリハリが重要

日本のレストランは、鮨もフレンチも中華もどんどんと高級化が進んでいる。そのなかで、2019年版ミシュランのビブグルマンにおにぎり専門店が選ばれていた。食事にはハレもケもあって、そのメリハリが大切。結局のところ料理は愛情、お店とは相性なのだから。


vol.13 2018年、食の総括。光と陰。ボーっと食べてんじゃねえよ!

古くからある東京のレストランや食堂が知らぬ間に閉業になっていた。後継者問題やブランド価値のゼロ化は頭の片隅に置いてはいたものの、何をするのでもなく、刹那的になかなか予約の取れない店に行けただけで喜び、レストラン側のジワジワの値上げ断行にも、基本ただただ流されているだけ。たまには顧みないと。


vol.14(最終回)  世界へチャンス。店と客は良きパートナーでありたい。

今、世界から日本の料理界が注目されている。これは、日本の料理界や料理人がリスペクトされる絶好の機会。その飛躍のチャンスを得るためにも、店と客が相互に協力し合い、よきパートナー関係を築いていくことが求められているのではないだろうか。





川井 潤
川井 潤
元博報堂DYメディアパートナーズ。テレビ番組「料理の鉄人」ブレーン(1992年〜97年)。現在、食品メーカー、コミュニティ運営会社、新聞社等アドバイザーを務める。ここ数年は、滋賀県近江地区の美食プロジェクト、愛媛県真穴地区のみかんのブランディングなど地域や食のため、料理人の地位向上のために日本中のみならず海外まで出かけている。食べログフォロワー数日本一。食雑誌dancyuなどへの執筆多数。現在新たな食ビジネスへ料理人とコラボ企画進行中。
気になる方はこちらをチェック