麗らかな夜を約束する 笑顔でもてなす美食店へ

接待や会食の場は、もちろん重要だが、今、ビジネスパーソンにとって安心して寛(くつろ)げるオフタイムのオアシスが必要だ。美味なる逸品と旨(うま)い酒、そして、それに寄り添う優しい笑顔......。今宵も男たちを癒やしてくれる"美人"な店、ここにあります。

まぶしい笑顔が輝く麗しき女将のもてなし

女将 松野芽衣さん/可憐な見た目とはうらはらに、内に秘めた熱いハートでゲストをもてなす

銀座うさぎや(銀座)

 シーンによって、グランメゾンや隠れ家的なレストランを使いこなすのも大事だが、こんな店を知っていてこそ、男の"ハク"がつくというもの。銀座のなかでも"華"のある7丁目に店を開いて今年で5年目。昨今は界隈の店の入れ替わりも激しく、この場所で根を張るには、生半可な覚悟では通用しないということは、容易に察しがつく。

女将のひと口カレー/〆(しめ)にぴったり。

「大変だったなぁと思うことはたくさんあるけれど、お客様に励まされてなんとかここまで来ることができました」と柔らかくほほ笑むのは『銀座 うさぎや』の女将・松野芽衣さんだ。着物を着こなす可憐な姿からは想像しがたいが、調理師学校に通い、鮨屋で修業した経験もあるれっきとした料理人。カウンターの後ろにずらりと張られたメニューは、食べ慣れた大人に喜んでもらえるよう、お馴染みの料理にもちょっとしたアレンジを加えるのがこだわりだ。

オープン当初からの人気のハムカツ/ハムを3枚重ねて肉厚に。自家製タルタルソースで。

 女将にしかわからない気苦労も多いはずだが、それでも「感謝のお言葉をいただいたり、海外に転勤されたお客様が一時帰国の際に寄ってくださるのが本当に嬉しいから頑張れます」

 そんなひたむきな姿に、こちらも、元気づけられるのだ。

銀座うさぎや(GinzaUsagiya)
TEL:03-3571-5922
住所:東京都中央区銀座7-7-14 博栄ビル2F
営業時間:18:00~翌2:00
休み:土曜・日曜・祝日(貸切の場合は土曜も営業)


ビジネスパーソンたちが愛する心の癒やし処

女将 高久ちぐささん/"舞台"がどこであっても人を楽しませたいという思いは不変です!

宵のま(荒木町)

 そこにいるだけで周りの雰囲気がパッと華やぐようなオーラの持ち主。店を始める前は女優として活躍した、荒木町『宵のま』店主の高久ちぐささんがカウンターに立ち、燗(かん)酒をつける姿は、まるで映画のワンシーンを切り取ったかのようだ。

手羽先と大根の煮物¥750/味の滲みた大根と軟らかく煮こんだ手羽先がしみじみと旨い。

「もともとのスタートは美術スタッフ。現場で働いていた時、映画に出てみないかと声をかけていただいたんです。貴重な体験を通して学んだこともたくさんありましたが、少し疲れてしまった時期があって。その時、出合った日本酒にとても心が癒やされたんです」

くんせい盛り合わせ¥750。

 いつかは自分で日本酒の店をやろう、と心に決め、料理やお酒について熱心に勉強した。着物姿で店を切り盛りするちぐささんは、水を得た魚のようにイキイキと輝いて見える。

「特に好きなお酒は無ろ過の生原酒系。日本酒も男性も個性がハッキリしているタイプに惹(ひ)かれるみたいです(笑)」

かなり悩んだ末、ちぐささんが「最近のイチオシです」と選んだ3本/お酒は¥600~(グラス)。
宵のま(Yoinoma)
TEL:03-6457-8047
住所:東京都新宿区荒木町7-1野崎ビル2F
営業時間:18:00~L.O.22:30
休み:土曜・日曜・祝日


ビジネスパーソンたちが愛する心の癒やし処

唎酒師(ききざけし) 海美(あみ)さん、女将 久恵さん/親子ならではの息ぴったりなおもてなしに心和む。事前予約は必須

酒どころ 海美(新橋)

 家族経営の店特有の温かな雰囲気に加え、女性ならではの細やかな気配りが人気の秘密。飲食店が軒を連ねる新橋で、界隈のビジネスマンが「常連になりたい店ナンバー1」に挙げるのが『酒どころ 海美(あみ)』だ。

左:人気のアジフライ¥500。常連客が必ずオーダーするひと品。衣はさっくり、身はふんわりで美味/右:おでん¥300(1品)。

 料理好きな母親で女将の久恵さんと、営業として全国を飛びまわっていた娘の海美さんが始めた小体な酒亭は、開店と同時に席が埋まることもしばしば。ふだんは友達のように仲のよい親子だというが、店での役割分担はきっちり。海美さんが選りすぐった銘酒と、久恵さんの心和む家庭料理のコンビネーションがお客の心を摑(つか)む。

「いつか、ふたりでお店をやりたいと思っていた」と久恵さん。

「ドラマの『相棒』に出てくる『花の里』みたいなお店がやりたいねって、ふたりで話していたんです。お客様と一緒に、居心地のよい空間を作っていけたら嬉しいですね」と久恵さん。

 優しい笑顔と料理の味に癒やされるオアシスで、つかのまの"休息"を楽しみたい。

酒どころ 海美(Sakedokoro Ami)
TEL:03-6205-7710
住所:東京都港区新橋3-6-14
営業時間:17:30~23:00
休み:土曜・日曜・祝日


爽やかな仕事姿が光る女性シェフ

シェフ 横手うららさん/多い日にはピッツァを40~50枚焼くことも。元気に働く仕事姿も必見

ピッツェリアジェラテリア ジィオ(神楽坂)

 イタリアの老舗リストランテの流れを汲む、知る人ぞ知る神楽坂の隠れ家が『ジィオ』。この厨房で料理長兼ピッツァイオーロとして活躍するのが横手うららさん、その人だ。

「昔、六本木にあった『サバティーニ』というイタリアンの姉妹店で働いていたんですが、その店の名前がジィオなんです」

サーモンとセルバティコのビスマルクと、いろいろキノコの包み焼きのハーフアンドハーフ/¥2,000・2,800の平日ランチコースにて提供。

 店が惜しまれつつも閉店するにあたり、うららさんや当時のスタッフが店名を継ぎ、神楽坂の路地裏に開いたのが、こちらの新生『ジィオ』。新たな店では、イタリアの街場にある大衆店を目標に、当時は珍しかったローマスタイルのピッツァをメインに振る舞ってきた。さらに季節の果実で作るジェラートは嬉しいことにコーンで盛り、ピッツァはいろいろ味わえるよう約30種類を用意。そんな女性ならではの優しく柔軟な感性が、店が長く支持されるゆえんなのだ。

 オープンから9年。節目の10年目に向け溌溂(はつらつ)と働く、うららさん同様に、店もますます輝きを増しているから不思議だ。

ピッツェリアジェラテリア ジィオ
(PIZZERIA GELATERIA Zio)

TEL:03-3267-1995
住所:東京都新宿区神楽坂3-1 本橋ビル1F
営業時間:11:30~L.O.14:30 / 17:00~L.O.22:30(土曜・日曜・祝日12:00~L.O.22:00)
休み:不定休


爽やかな仕事姿が光る女性シェフ

オーナーシェフ 坂本桂子さん/¥3,800のコースも用意していますし、ワイン1杯のご利用も大歓迎!

ビストロ エルミタージュ(麻布十番)

 カウンター越しのオープンキッチンで、いつも楽しそうに腕を揮(ふる)っているのは、オーナーシェフの坂本桂子さん。

 今から4年前、キャリアウーマンから専業主婦に転身。かねてからの趣味だった料理の勉強がしたいとクッキングスクールに通った。そこでフレンチの技術を学ぶうちに「温かで家庭的なレストランを開きたい」との思いが芽生え、夢を実現。一昨年12月、プロの道への一歩を踏み出した。

燻製をかけた大きな牡蠣のガーリックオイルマリネ カナッペ仕立て¥1,200/燻香が食欲をそそる。

「とはいえ、ここでお出ししているのは、ホームパーティーの延長線上のような家庭的な料理。ブルーチーズのクレームブリュレやハヤシライスなど、友人たちに評判だったメニューも載せています」

 だからだろうか、いずれの料理もどこか、ホッと心安らぐ美味(おい)しさがある。ゲストとのコミュニケーションを第一に考えるアットホームなもてなしもほどよいスパイス。桂子さんの柔和な笑顔と寛ぎの味が、今日もゲストを迎えてくれる。

チーズがとろける熱々牛すじの焼きハヤシライス¥1,600/クラシックなデミソースが美味。
ビストロ エルミタージュ(BISTRO Hermitage)
TEL:03-3452-5301
住所:東京都港区麻布十番2-13-7
営業時間:18:00~L.O.22:30
休み:日曜・祝日、第1・3・5土曜


家庭のような和食屋を目指す女性店主の才覚

店主 河津幸恵さん/趣味はアウトドア。友人と常連さんを集めてイベントも開催しています!

小料理 そま莉(目黒)

「要領が悪くて、まだまだ行き届かないことが多いんです......」と、店主の河津幸恵さん。けれども、この店を訪れると彼女の屈託のない笑顔と、スタッフが清々しく働く光景に心から癒やされてしまう。

 会社勤めをしていた幸恵さんだが「一生懸命仕事をしている人たちがホッとひと息つける場所を作りたい」と、飲食サービスの道を選んだ。物件探しに苦労するなか、やっと小さなバーを開店。軌道に乗り始めた頃、「地元熊本の美味しい料理で、もっと喜んでいただきたい」と、オープンしたのが『そま莉』だ。

馬刺し盛り合せ¥1,800。

 信頼する料理長による人気の、桜肉のしゃぶしゃぶやカウンターに並ぶ大皿料理と地元のお酒、そして、どこかアットホームな空気感も好印象。

「おかえりなさい」

 そんな声が聞こえてきそうな雰囲気に誘われて、訪れるゲストは毎夜、後を絶たない。

桜肉のしゃぶしゃぶ¥2,500(1人前/要予約)/軽くレア気味でいただくのが美味。〆(しめ)のそば¥300も絶品。
小料理 そま莉(Koryouri Somari)
TEL:03-3493-2051
住所:東京都目黒区目黒1-4-8 東レクビル2F
営業時間:18:00~L.O.22:00
休み:日曜・祝日

Text=小寺慶子、大西健俊、森脇慶子、盛岡ツトム Photograph=上田佳代子、菅野祐二、冨澤 元

*本記事の内容は15年1月1日取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)