名店へ駆け上がる超新星 未来を創(つく)るNewRestaurant

2014年のグルメシーンは、まさに当たり年。話題性の高い新店が続々と誕生している。なかでも革新的な“個性”を持つレストランが注目の的に。未来を創造し、挑戦を続ける期待の超新星が今、業界全体を驚かす新風となる!

極上のステーキが味わえる最強の黒船がついに日本上陸!

<東京/六本木一丁目>
BLT STEAK TOKYO
(ビーエルティー ステーキトーキョー)

28日熟成 ドライエイジング ポーターハウス(2名用)¥14,000。

モダンな空間で豪快に焼き上げられた極上肉を堪能!

 仕事やプライベートで海外へ行く機会の多いゲーテ読者のなかには、この店名に覚えあり、という人も少なくないだろう。
 アメリカを中心に香港やソウルに店舗を展開する『BLT』のステーキハウスが満を持して日本に初上陸を果たした。昨年のUSビーフの輸入規制緩和は記憶に新しいが、その“恩恵”によって、プライムグレードのTボーンや骨つきのリブロースを日本でも味わえるようになったことは、肉好きにとって朗報というよりほかにない。

マグロのタルタル¥2,200。ライムが香る醤油ベースのドレッシングで。

 同店の名物といえば、28日間自然熟成させたポーターハウスステーキ。925度のオーブンでミディアムレアに焼き上げられた肉魂を噛み締める(かみしめる)と、口中で容赦なく旨みが弾ける。ピリ辛のチミチュリや肉の熟成香が際立つ赤ワインソースを合わせて味の変化を楽しむことができるのもこの店ならではだ。
 天井が高く開放感のある空間はほどよくカジュアルでモダンな印象。ビジネスで利用するなら個室、デートで訪れるならテラス席もお薦め。ウェイティングバーで軽く食前酒を楽しんでからメインダイニングへ移動という使い方もスマートだ。肉食ブームの追い風になるだろう新店の存在から目が離せない。

BLT STEAK TOKYO
(ビーエルティー ステーキトーキョー)

TEL:03-3589-4129
住所:東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデン5F
営業時間:17:00~L.O.22:30
休み:無休
席数:151席
個室:4室(2~6名用、2~8名用)
駐車場:367台(泉ガーデン有料駐車場利用)
アクセス:地下鉄六本木一丁目駅直結


ジャンルを凌駕(りょうが)したNEWスタイル

<東京/四谷三丁目>
の弥七(Noyashichi)

和のエッセンスを盛りこんだ新感覚中華

 個性際立つ飲食店が軒を連ねる荒木町に、またひとつ、舌の肥えた大人の“食指”を動かす注目店が誕生した。
 店構えからここがどんな店か推察するのは、まず困難。屋号や生成りの暖簾が小料理屋の風情を醸す『の弥七』は、まったく新しいタイプの中華料理店だ。
 店主の山本眞也さんは、中国料理の名店『御田町 桃の木』出身。5年半の修業を経て、独立する際、ジャンルや既成概念にしばられることなく、自分のやりたい中華を追求することに決めた。

焼き胡麻豆腐。まるで白子のようにクリーミー。料理はすべておまかせ献立¥6,500より。

 食材や器使いで四季を盛りこんだ料理は、一見すると和食のようだが、ベースにあるのは、あくまでも中華。魚介に豚肉や鶏肉を加えた“清湯”と呼ばれる出汁(だし)を使うことで、料理の軸足をしっかりと中華に置く。
 小手先の“融合”ではないと感じさせるのは本質があればこそ。予約が取れない店になるのも、時間の問題。早めに訪れることをお薦めしたい。

の弥七(Noyashichi)
TEL:03-3226-7055
住所:東京都新宿区荒木町8 木村ビル1F
営業時間:11:30~L.O.13:30/17:30~L.O.22:00
休み:日曜
席数:14席
アクセス:地下鉄四谷三丁目駅4番出口より徒歩5分


<東京/外苑前>
鳴神(Narukami)

名シェフの探究心が生んだフレンチジャポネーゼ

 気鋭のフレンチシェフとして知られる鳴神正量さん。白木のカウンターに立つその手には、柳刃包丁。スッスッとよどみなく刺身を引き、皿に美しく盛りつけてソースを合わせる。これこそ、鳴神さんが到達した新境地。フレンチと和食の融合、その延長として、鮨や割烹さながらに“さらし”の仕事に挑戦する。
「フレンチ畑で長年やってきたそのルーツは大切にしながら、より自由で好きなことを」

北海道産ブリ ほうれん草のシャーレとエシャロットのソース。料理はすべて¥10,000のお見立てコースより。

 日本料理並みの素材を用い、フレンチのテクニックで供するのは「お見立て」と銘打つおまかせコース。料理は築地市場で自ら目利きする旬の鮮魚が中心。赤ムツならヒュメドポワソンで茶碗蒸しに仕立て、トリュフで香り高く。穴子なら、赤ワインとフォンドヴォーで柔らかく煮込みエッジの効いた煮穴子に。素材とアレンジが見事にハマり、親和性のある美味で驚嘆させる。
 カテゴリーを取り払った料理は楽しく、実に痛快だ。

鳴神(Narukami)
TEL:03-6447-4866
住所:東京都港区南青山3-4-6 AOYAMA346 102
営業時間:12:00~最終入店13:00/18:00~最終入店22:00※要予約
休み:不定休(休業日はHPにて要確認)
席数:カウンター10席
アクセス:地下鉄外苑前駅1a出口より徒歩6分


鮨の未来を担う若手の先鋒

<東京/東銀座>
鮨ふじ田(Sushi-Fujita)

シックでモダンな雰囲気の店内。

創意工夫を加えた仕事に胸が躍る楽しき新店

 先付けのフルーツトマトとキュウリの和え物は、軽いオリーブオイル風味に梅肉で変化をつけ、焼き物は塩麹に漬けこんだ香ばしいマグロのスジの塩麹焼き。そして、刺身にはコロ鯛やマナガツオなど、瀬戸内から直送される新鮮な魚が登場……と、珍しい旬の食材や、さり気ないひと工夫で、続く握りへの期待度を増幅させるのが、ここ『鮨ふじ田』。7月末にオープンしたばかりの期待の新星だ。

上から大間の本マグロの中トロ、九州は佐賀のコハダ、北海道のムラサキウニ。

 店主の藤田真一郎さんは、35歳ながらこの道ひと筋17年。銀座『かねさか』をはじめ、街場の店から大型店まで、数々の修業を重ねたキャリアの持ち主。
「いろいろな店で学ばせていただいて視野が広くなりました」
 その言葉どおり、技術的な鮨の基本や仕事の丁寧さはしっかりと守りながらも、生七味で食べさせるヅケマグロやアナゴの握りなど、独創的な味にも挑戦。独自のセンスを生かしつつ、新たな鮨のスタイルを追究し続ける若手の熱意を感じたい。

鮨ふじ田(Sushi-Fujita)
TEL:03-6278-7018
住所:東京都中央区銀座3-13-5 新山ビル1F
営業時間:11:30~L.O.13:30/17:30~L.O.22:00
休み:不定休
席数:8席
アクセス:地下鉄東銀座駅A7出口より徒歩3分


<東京/銀座>
鮨竹(Sushi-Take)

魚の旨さを食べ手に伝える“男前”な握り

 料理の世界に性差はないが、和食の第一線で活躍する女性は、フレンチやイタリアンに比べてまだまだ少ない。だからこそ、『鮨竹』の店主、竹内史恵さんが注目を集めるのは、彼女の宿命だったともいえる。
 “職人”と呼ばれる仕事に憧れて、鮨屋に弟子入りをしたのは8年前。負けん気と打たれ強さは人一倍。この道を選んだからには、いずれ独立して自分の店を持つ、という思いが実を結んだのは、今年の6月のことだ。

「銀座という場所にこだわったわけではなく、自分が仕事をするうえで気持ちがいいと思える場所がたまたまここだった」と柔和な笑顔を見せる。店に漂う清々しい空気感と相まって実に、爽やか。無駄のない所作でツケ台に差し出される握りの大きさもほどよく、旬魚の旨さがダイレクトに伝わる。
 コースはおまかせで¥15,000から。銀座の地で“水を得た魚のように”、女性鮨職人の先駆者となるに違いない。

上から北海道のブリ、天草のコハダ、富山のカスゴ。握りのみの注文も可。
鮨竹(Sushi-Take)
TEL:03-6228-5007
住所:東京都中央区銀座7-6-5 石井紀州屋ビル4F
営業時間:17:00~23:00
休み:無休
席数:8席
アクセス:地下鉄銀座駅B3出口より徒歩5分


肉の名店が打ち出す革命的な一手

<東京/西麻布>
焼肉ステーキ あつし
(Yakiniku Steak ATSUSHI)

店内は焼肉ゾーンと鉄板焼きゾーンに分かれる。シックで落ち着いた雰囲気。2タイプの個室も。

今宵は焼肉? ステーキ? 肉の隠れ家、西麻布に出現

 ステーキ店が軒を連ねる銀座で、肉好きの支持を集める『加藤牛肉店』が、西麻布に新たな店をオープンさせた。オーナーの加藤敦さんが打ち出すのは、焼肉とステーキを楽しめる肉好きにとってのパラダイス。扱うのは、加藤さんの御眼鏡にかなった“本物の山形牛”だ。
 店内は鉄板焼きゾーンと焼肉ゾーンに二分されており、焼肉をしながら、職人が焼き上げるステーキを味わうのも可能だという。

特注鉄板のうえで焼く山形牛の美味しさは格別/口中でとろける三角バラ¥2,900は必食!

 依然として赤身肉ブームが続いているが、ここではぜひ、その優美な味わいに脳までとろける霜降り肉をご賞味いただきたい。舌の上でトロンと消えるはかない肉と上質な脂のハーモニーに、忘れかけていた霜降り肉への慕情が再燃。噛むほどに旨みが溢れる赤身もいいが、甘やかな余韻を残す霜降りは、心まで幸福感で満たしてくれる。 超のつく話題店だけに、予約が取れなくなるのは時間の問題。一度食べたら夢にまで出てくる魅惑の肉体験を、ぜひ!

厚切りザブトン¥4,000/肩ロースの特級品を“大判”振る舞い!
焼肉ステーキ あつし
(Yakiniku Steak ATSUSHI)

TEL:03-6804-3829
住所:東京都港区西麻布1-10-7 Nishiazabu FT IIビル1F
営業時間:17:30~24:00
休み:日曜
席数:32席
個室:2室(4~8名用、2~8名用)
アクセス:地下鉄広尾駅3番出口より徒歩15分


大阪割烹の真髄に迫る期待の新星

<大阪/北新地>
北新地 たくみ
(Kitashinchi Takumi)

利き酒師の資格も持つ白須賀芳孝さん/希少酒の調達力にもファン多数。

40種の日本酒と料理の
マリアージュを創造

 瀬戸内の活(い)けもの白身など、プレミアム魚介を駆使した料理で人気を博した名店が、9月に場所を変え、アップグレード。
 凛と高級感ある現代数寄屋風情のフロアにワインバー感覚で40種の日本酒を常備し、和食との新たなマリアージュを提案する。多彩な単品料理は伝統的かつ端正な割烹料理に加え、鮪カツなど創作ものにも和の品格が艶やかに宿る。料理人と利き酒師が趣向を凝らす、それぞれの酒に合わせた料理のチューニングもまさに絶妙。まずは自慢の熟成古酒(60cc ¥1,500~)と、西京焼きのペアリングから、悩殺されるべし。

鮪のレアカツ¥1,300/昆布が利いたソースで和の風情。
北新地 たくみ
(Kitashinchi Takumi)

TEL:06-6341-7887
住所:大阪府大阪市北区曽根崎新地1-6-27 ニュー八千代会館3F
営業時間:11:30~L.O.13:30/18:00~L.O.22:00
休み:日曜
席数:カウンター8席
個室:1室(4~6名)
アクセス:JR北新地駅2番出口より徒歩2分


<大阪/京町堀>
京町堀 りきゅう(Kyomachibori Rikyu)

半年熟成させた、豆腐とチーズのもろみ漬け¥600。

伝統の割烹出身の料理人が高級魚を自在に美味へ昇華

 若き主人の山口吏(つかさ)さんは、西心斎橋の神話的名割烹で8年間鍛えた腕前だけあって、研ぎ澄まされた美意識はやはり別格のもの。毎日の仕入れに応じ、流麗な毛筆で書き替える単品料理は50品以上。白身魚の裏の王様アコウのほか、時には幻とも言われる高級白身メイチまで入荷。
 その極上素材を、伝統的調理法だけでなく、例えばアオサノリの香りとともに酒蒸しにしたり、冬には吉野鹿などジビエも和風に仕上げたりと、意気込みある攻めっぷりも頼もしい限り。凛としつつも肩のこらない快適なフロアの中、その闘魂の味でエナジーチャージできる。

主人の山口さん/毎朝鶴橋市場に足を運び魚介を吟味。

 若き主人の山口吏(つかさ)さんは、西心斎橋の神話的名割烹で8年間鍛えた腕前だけあって、研ぎ澄まされた美意識はやはり別格のもの。毎日の仕入れに応じ、流麗な毛筆で書き替える単品料理は50品以上。白身魚の裏の王様アコウのほか、時には幻とも言われる高級白身メイチまで入荷。
 その極上素材を、伝統的調理法だけでなく、例えばアオサノリの香りとともに酒蒸しにしたり、冬には吉野鹿などジビエも和風に仕上げたりと、意気込みある攻めっぷりも頼もしい限り。凛としつつも肩のこらない快適なフロアの中、その闘魂の味でエナジーチャージできる。

弾ける白身のコクが圧巻/アコウの酒蒸し、アオサあんかけ¥1,600。
京町堀 りきゅう(Kyomachibori Rikyu)
TEL:06-6450-8301
住所:大阪府大阪市西区京町堀1-7-12
営業:時間12:00~L.O.14:30/18:00~L.O.22:00
休み:月曜
席数:カウンター10席
個室:2室(2~4名)
アクセス:地下鉄肥後橋駅7番出口より徒歩4分


郷土料理を愛する剛腕シェフの新星イタリアン

<大阪/靭本町>
オンブラ(Ombra)

ゆったりとしたディナー以外に、カジュアルにカウンター使いも可能だ。

ヴェネト山岳料理まで、のアカデミックな魔界

 ヴェネチアを擁する北東イタリア、ヴェネト州といえば普通「シーフード中心でしょ」と思うもの。ところが「ヴェネトも北側は険しいプレ・アルピの山岳地帯。料理もまったく変わります」と出てきたのが写真のパスタ、クレスペッラ。ビーツの甘みとリコッタの酸味を手打ち麺で包む、斬新な味わいの郷土パスタだ。

上:鴨のロースト、ペヴェラーダソース¥3,200。鴨肝ソースのコクが鍵/右:ツブ貝とニンニクのズッペッタ¥1,200。

 そんな学究肌とも思えるアプローチで、ヴェネト州を中心にしたディープ郷土料理の魔味・妖味を強烈に発信するのが、シェフの北口智久さん。
 ヴェネト、ピエモンテなどで計2年修業したが「探求すればするほど、未知の料理が次々に出てくる。郷土料理は本当に奥深いです。お陰でお客様も、マニアックな方が多くて気が抜けません」と情熱をたぎらせる。
 ともあれ「郷土料理は食べ尽くした」という猛者にも、イタリアの広さと深さ、つまりは魔境度を、必ず教えてくれる。

<大阪/靭本町>
オンブラ(Ombra)

TEL:06-7777-9993
住所:大阪府大阪市西区靭本町1-7-18
営業時間:12:00~14:00/18:00~L.O.21:30
休み:水曜
席数:カウンター4席、テーブル12席
個室:1室(6~10名)
アクセス:地下鉄本町駅25番出口より徒歩4分

Text=小寺慶子、粂 真美子、森脇慶子、寺下光彦 Photograph=冨澤 元、菅野祐二、上田佳代子、菊池陽一郎、福森クニヒロ

*本記事の内容は14年10月10日取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。
14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)