アジア企画 世界の食通が目指す、熱きバンコクへ!

「アジアのベストレストラン50」では名店「ガガン」が2年連続1位を獲得するなど、今、バンコクは世界の食通たちの間で大きな話題を呼んでいる。"暑き街の熱きグルメ"最新事情をレポートする。

セレブなビジネスマンが美食スポットへ案内
NAVIGATOR リサダ・クリス・クラップ氏

ある時はロック歌手、ある時はムービースター! そしてもうひとつの顔はラグジュアリーホテルのオーナーとして、ジャンルを超えてバンコクで活躍中。

美食バーで体験するタイ料理の温故知新

左:タイ風ソーセージ チリディップ添え250THBと卵麺(らんめん)包み180THB/右:3種のローカルウイスキーセット350THB。

 華麗な経歴の持ち主なのに飾り気のない人柄が魅力のクリス。そんな彼が今ヘビロテするのが、カジュアルながらも本格的なタイ料理を楽しめる「テップ・バー」だ。

「ここ中華街の近くは、古きよきバンコクの面影が残る地区。昔ながらのタイ料理とタイ音楽の生演奏をノスタルジックな雰囲気で楽しめるんだ」と話す。

 今、タイでは西洋文化を受け入れすぎた反省から温故知新的な動きがあり、料理も伝統的なレシピが見直されているそう。

 また、もうひとつ新しいブームが、小さな醸造所で造るタイ・ウイスキーだ。この店のメニューにも、3種のローカルウイスキー飲み比べセットを発見。木琴・ラナートの心地よい調べを耳に、珍しいタイ産ウイスキーと伝統的料理に舌鼓を打ちながら、旅の初日はこんな、今、最もクールなバーで最新のグルメシーンをおさえておきたい。

左:人気のカクテルNila Pat390THBとタイ風ジャイアント米煎餅180THB/右:最近モダンな店が増加中の中華街近辺エリア。
テップ・バー(Tep Bar)
TEL:09-8467-2944
住所:69-71 Soi Nana, Mitrijit Rd. Pom Prap, Bangkok
営業時間:17:00~0:00(金曜・土曜・日曜~翌1:00)
休み:月曜


世界の旅人たちが集う異国情緒満載の人気店

オープンエアーの気持ちいい空間で、遅くまでバックパッカーたちが語り合う。

「ビジネスマンにはちょっとハードルが高いかも」と言いながら、クリスが薦めてくれたのが「マダム・ムスー」。ムスーとはオーナーの出身地・チェンマイ近辺の民族の名前で、ここではチェンマイ地方の料理を満喫できる。代表的な郷土料理のナムブリックは、お皿に盛りつけた野菜をディップにつけて食べるヘルシーなひと皿。また、カレー味のラーメンに揚げた麺をたっぷりトッピングしたカオソーイも食欲をそそる。

卵麺のカレー味・カオソーイ120THB/ライムでさっぱりと。

 興味深いのは、この店が世界中のバックパッカーの聖地・カオサン通りのすぐそばにある点。店内にはソファでリラックスして食事できるスペースもあり、タトゥーを施したバックパッカーらしき欧米人たちが、アンニュイな雰囲気を醸し出しつつカクテルを傾けている。普段はビジネスシーンで活躍する人も、時にはこんな異次元な空間で脳を刺激してきて欲しい。

スパイシーなディップに野菜やハーブをつけるナムブリック200THB。
マダム・ムスー(Madam Musur)
TEL:02-281-4238
住所:41 Soi Rambutri Chana Songkhram, Phra Nakorn, Bangkok
営業時間:8:00~0:00
休み:無休
URL:http://facebook.com/madamemusur


スターシェフがプロデュースのカジュアルダイニング

左:手前はタイの漬物65THB。奥はスイカの種を乾燥させたおつまみ。85THB/右:チキンのさまざまな部位を煮込んだグリーンカレーと米麺320THB。

 アジアのベストレストラン50にランクインするバンコクのファインダイニング『ボラン』の姉妹店『アー』は絶対にチェックして」と、クリス。「ボラン」がオーセンティックなタイ料理なのに対して、ここはカジュアルでホームメイド感覚の素朴なタイ料理が魅力だ。とはいえ、今をときめくふたりのシェフ、ボー氏とラン氏がプロデュースしただけあって、味は本格的。材料もオーガニックなものにこだわる。名物は発酵食品で、発酵させた豚肉ソーセージほか酸っぱい料理も揃う。

 キッチュな内装や古いホーロー製の器もなぜかファッショナブル。仲間同士でワイワイ楽しみたくなる店だ。ちなみにErrとは日本語で「あの~」というような意味とか。そんな言葉を店名にするあたりも、ウィットに富んでいて面白い。

王宮から歩ける距離なので観光後に行くのが便利。
アー(Err)
TEL:02-2622-2291
住所:394/35 Maharaj Rd. Tatien, Phra Borom Maha Ratchawang, Phranakorn, Bangkok
営業時間:11:00~15:00/18:00~23:00
休み:月曜
URL:http://errbkk.com/#urban-rustic-thai


スタイリッシュな空間でタイ最新のセンスを満喫

フレッシュハーブと特製ソースを添えた豚肉のロースト380THB/こんがりと焼けた皮と、とてもジューシーな肉質が感動的な味。

 倉庫だった建物をレストランに改装した「ネバーエンディングサマー」は、今話題のチャオプラヤー川沿いのジャムファクトリーと呼ばれる複合施設の中にある。クリス曰く、「ニューヨークで言えばブルックリンみたいな所かな」とのこと。バンコクでブルックリン? 不思議に思い訪ねてみると、確かに本屋を併設するカフェや著名な建築家の事務所が並んで、静謐で洗練されたエリアだ。

左:ココナッツ風味のソースをつけていただくライスケーキ250THB/右:ポークグリーンカレー380THB。

「子供のころに食べていたオーセンティックなタイ料理ですが、素材選びにはこだわり、牛肉以外はすべて国内で調達し地産地消に努めています」と、パリで修業したヘッドシェフのナクール・カヴィンラット氏。料理はいずれも美しく、洗練されたメニューが続く。また、こういうスポットには自然とお洒落な人が集まるもの。センスのよいインテリアに包まれながら、話題の美食空間を楽しみたい。

去年パリから帰国してシェフに就任したカヴィンラット氏/「地産地消のタイ料理でお待ちしてます!」
ネバーエンディングサマー(Tha Never Ending Summer)
TEL:02-8610-9534
住所:The Jam Factory 41/5 Charoen Nakhon Rd., Klong San, Bangkok
営業時間:11:00~23:00
休み:無休


バンコクでは必須リバーサイドで食事を

開放的な空間のテラス席。夜は対岸の街の光が楽しめる。

 バンコクの中心地を流れるチャオプラヤー川沿いに立ち、三島由紀夫の小説にも登場する寺「ワット・アルン」を眺めつつボートで上流に向かうと、やがて「スティーブ カフェ」が見えてくる。「僕がオーナーを務めるホテル『ザ・サイアム』から近いからよく行くんだ。爽やかな風が最高だよ」とクリス。

 カフェとはいえ、毎朝マーケットから新鮮な食材を仕入れ、オーガニックなパームシュガーやホームメイドのカレーペーストを使い、こだわりのタイ料理を提供する。レモングラスのサラダやシーフードカレー、日本人に人気のパッタイほか、滞在中に何度も通いたくなるようなメニューが充実している。

 訪れるなら、夕暮れ前もお薦め。少し前に到着してテラス席を確保したら、川に沈む赤い夕陽を眺めながら、バンコクの旅の思い出を記憶に留めたい。

左:レモングラスのサラダ160THB。タイ特有のハーブの葉にくるんで/右:ココナッツチキンスープ160THB。
スティーブ カフェ & キュイジーヌ リバーサイド
(Steve café &Cuisine Riverside)

TEL:02-281-0915
住所:68 Sri Ayuthaya Rd., Soi Sri Ayuthaya 21, Vachiraphayabaan, Dusit, Bangkok
営業時間:11:00~23:00
休み:無休
URL:http://stevecafeandcuisine.com

Text=伊藤美智子 Photograph=岡村昌宏

※料金はすべて消費税・サービス料別。*本記事の内容は16年7月1日取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格) ※1THB=¥2.9(7月7日現在)