高級レストランからラブコールが相次ぐラグジュアリービールROCOCOとは?

かつてはひたむきに酒に向き合う、職人気質な仕事と思われていた酒造り。しかし今は、経営やマーケティングセンスを武器に、イノベーションを起こす者が業界を牽引している。酒ビジネスの新境地に挑む猛者たちの熱き想いを追った。


「トップからアプローチするのがセオリー」

2018年3月にリリースされるやトップシェフやソムリエが採用し、一躍注目を集めたのがラグジュアリービール「ROCOCO Tokyo WHITE」。仕かけ人は、外資系消費財メーカーのマーケティング出身である若林洋平氏、証券会社出身のブラントレイ・ジェレル氏とマルティネス・キース氏の3人組だ。

「東京は世界で最もミシュランの星を獲得している魅力ある都市。メイド・イン・ジャパンのプロダクトをプロデュースし、大好きな日本に貢献したいと思い起業しました」(若林氏)

かつて世界最大のビールメーカーに勤め、ホームブリューイングの経験も持つジェレル氏、ラグジュアリーファッション・ブランドに在籍したキース氏がそれぞれのキャリアを生かし、ブランディングをゼロから開始。「トップからアプローチするのがセオリー」と商品開発前から星つきレストランやファインダイニングに飛びこみ営業し、1年を費やしてニーズを調査した。

銀座にあるミシュラン3ツ星の鮨よしたけ、広尾の茶禅華、麻布十番のたきやなど、都内屈指のレストランのみで提供。レフェルヴェソンスもそのひとつで、シェフソムリエの粂川恵輔氏(右)も「美味しい」と絶賛。

シャンパン&ワインラバーのエンドユーザーを招いて試飲会も繰り返したという。方向性が決まると、カリフォルニア屈指のビール専門家に協力を仰ぎレシピを開発。全国の醸造所を巡りベストなパートナーに醸造を委託し、苦味控えめで、フルーティな喉越しと上品な口当たりを兼ねるビールを造り上げた。

「特別なビールをご希望される方にお薦めしています。温度が上がっても味わいがふくよかで、料理とも合わせやすい」と語るのは、表参道にあるレフェルヴェソンスのシェフソムリエ・粂川恵輔氏。パリの3ツ星フレンチ、ルドワイヤンでの取り扱いも決まり、EU進出も目前だ。

「最終的に目指しているのは、世界に通用するグローバル・ブランド。ビールでラグジュアリーなイノベーションを起こしていきたいです」(若林氏)


Text=粂 真美子 Photograph=滝川一真