山田シェフが日本一のハムと絶賛! 33種類のハムを使ったネオ・フルコースとは?

去る6月某日、南青山に門戸を構える『テストキッチンエイチ』の1周年を祝うべく、会員制美食サロン「CHEF-1×GOETHE北参道倶楽部」でのスペシャルイベントが開催された。当初は1日のみの開催を予定していたが、公募前に『テストキッチンエイチ』の山田宏巳シェフが知人たちにこの会の詳細を伝えたところ、皆こぞって参加を希望。用意していた席が埋まってしまう事態に! これを受け、急遽2日間に渡って開催することが決まった今回の会。「この機会をみすみす逃すことはできまい!」と食通たちが息巻いた、山形からの刺客とは⁉


バリエーション豊かな33種のハムにノックアウト!

この日、『テストキッチンエイチ』の門をくぐると、目に飛び込んできたのはハムの塊をスライスするひとりのシェフの姿だった。そう、この日、山田シェフとともに厨房に立つゲストは、山形県山形市のイタリア料理店『イル コテキーノ』の佐竹大志シェフだ。

1枚1枚手作業で、ハムの種類にあわせて厚みを調整しつつスライスしていく。

佐竹シェフは、ハムをメイン料理として構成されたフルコースを振舞う、ハムのスペシャリスト。地元山形では、店名を知らぬ者はいないほどの有名店だ。その噂は感度の高いフーディーたちを通して全国に広まり、今ではその唯一無二のスタイルを体験しようと、東京からもわざわざ、料理人や著名人たちがこぞって訪れる。

とはいえ、東京駅から山形駅までは、新幹線で片道3時間弱。想いは募れどなかなか足を運べずに、歯がゆい気持ちを持て余している食通たちも多かった。

そこでひと肌脱いだのが、我らが『テストキッチンエイチ』の山田宏巳シェフ。自身の店の1周年を祝うスペシャルな会のゲストとして、佐竹シェフを招き実現したのが、この特別な美食会なのだ。

タンや青のり、つくねなど、ハムの中で食材の味を表現するさまは圧巻!

まず、はじめに供されたのは「プロシュートコット系」とくくられた、13種類の過熱されたハム。モルタデッラやポルケッタといった定番のものから、ゴマ生姜、豚タン柚子胡椒、鶏の青海苔塩レモン、鶏つくねのパルミジャーノといった変わり種、さらには、豚レバーのココア風味(!)など、その味が想像しがたい組み合わせのものまで、多種多様なハムが豪快に1皿に盛られ、テーブルに。北参道倶楽部のメンバーたちは、待ってました! とばかりにその贅沢な1皿に熱視線を注ぐ。

食事を楽しむ北参道倶楽部のメンバーたち。

「1人1種類ずつ食べていただくスタイルで、今日は33種類のハムを味わっていただければ。イタリアにならって厚めにカットしています」

と、佐竹シェフ。なんと、このコースの中で供されるハムは33種類! こんなに多くの異なるハムを一度に食す機会も、そうそう得られるものではない。そもそも、ハムは独特の塩気があり、たくさん食すことに向かない。だが、佐竹シェフのハムは、非常に食べやすく、フォークがどんどん進む。あれよあれよという間に皿は空に。一体、なぜだろうか?

「塩気より、甘みを強めに熟成させているんです」

そのために編み出した “佐竹流” の熟成法があるという。

「より軽く仕上げるために、塩漬け後、氷を入れた水に一晩漬けて塩抜きするんです。このひと手間をかけると、一般的なハムとはまったく違う味わいになる。少なくとも、イタリアでは絶対に行わない手法です」

佐竹シェフが語るハムづくりの秘話に膝を打っていると、続いて供されたのは、カラフルな5種の「煮こごり系(カルパッチョ仕立て)」。

「煮凝りは色合い重視。思いっきり遊び心を加えています」と佐竹シェフ。

5種の中でもひときわ目を惹いたのは、オレンジ色が鮮やかな豚耳カラムーチョ。

「山形の片田舎なので、仕事が終わって行けるところと言えばコンビニくらい。コンビニに行くと、こんなものがあるのか! と着想を得て、ハムづくりに活かしています。だから、カラムーチョなんてものも(笑)。こちらは、スナック菓子の “カラムーチョ” が元ネタなんですよ」

「ハムなんて、所詮はジャンクフードですから」と言い切り、よりジャンクなもの、よりファーストフード的なものを求めてコンビニで情報収集するという、驚きのエピソードを明かしてくれた佐竹シェフ。これも、6年間のイタリア留学の中で、トスカーナを始めとする6州、全10軒のレストランで鍛錬を積み、帰国後も実直にハムと向き合い、クラシックなものを極めたシェフだからこそ為せる技。このような遊び心と、それを作品へと昇華する力を併せ持っているのだ。

「ハムの面白いところは、熟成によって、味、食感、風味が変わるところ」特に、非加熱のハムの味を左右するのは熟成の仕方という。

続いて供されたのは非加熱のものが盛られた「プロシュートクルード系」全13種。メンバーたちは「ここまでくると、ハムの未体験ゾーンだな‥‥‥」と、1枚1枚を堪能していく。加熱したものと同様、クラシックなものから佐竹シェフのアイデアが活きたものまで揃う。

豚の背脂を使った「ラルド」は、噛むほどに脂の甘みがジュワッと口に広がり、豚レバーと5種のスパイスをあわせた「サラーメ ディ フェーガト」は、スパイスの香りが鼻に抜けた後、レバーの味が追いかけてくるという、驚きが隠された1品。生ハムを腸詰めにした「クラテッロ」は、ねっとりと濃厚な舌触り。ハムと一口に言えども、1品1品こうも違うのか! と、これまでのハムの概念を覆される品々に皆舌鼓を打った。

「キャビアの冷製カッペリーニ」

そんな風に、種種雑多なハムを堪能していると、怒涛のハム尽くしから一転、山田シェフの「キャビアの冷製カッペリーニ」がテーブルへと運ばれる。コースの流れを変える重要な1皿である「キャビアの冷製カッペリーニ」。この1皿には、ホストである山田シェフの想いが込められていた。

「佐竹シェフが徹底的に肉料理を出すのであれば、僕にできることは何か。最高の魚介料理で佐竹シェフの料理を盛り上げたい、と考えました。奇をてらったものよりも、直球のものを。キャビアの冷製カッペリーニは、手は込んでいなくて芸もないけれど、今回の内容であれば、シンプルなほうが喜んでもらえると思いました。ハムの余韻を残しておきたかったのです」

「ホストの役割は、あくまでゲストシェフを盛り上げることだから」と、真摯に語る山田シェフ。会の終了後、食事をひとしきり楽しんだメンバーからは、「コースの構成も素晴らしかった。ハム尽くしからの、キャビアの冷製カッペリーニの調和はさすがです!」という声が。シェフの想いは、しっかりと食べ手へ届いていたようだ。

「コテキーノ 2種」左からクラシック、ナポリ風。

さて、山田シェフの料理を味わった後はいよいよ、メインの「コテキーノ2種(クラシック&ナポリ風)」の登場だ。今回のメイン料理は、「どうしても北参道倶楽部の皆さんに食べていただきたい!」と、山田シェフたっての希望により決定したもの。佐竹シェフのマスターピースだ。

「クラシックなコテキーノには、“サルサペアラ”という胡椒を効かせたパン粥のソースを添えました。イタリアのソアヴェ地方では、コテキーノには必ずこのソースをあわせて食します。コテキーノは、もともと農民や労働者など貧しい人々の料理。だって、豚の皮ですよ。本来は捨てる部位をいかに美味しくするか、という人々の知恵がこの料理には生きているのです。イタリアへ留学していたときにコテキーノに出合い、感銘を受けました。新しい扉が開いたというか。店名にするほど、憧れの料理です」

"サルサペアラ"を盛り付ける佐竹シェフ。

そう、「コテキーノ」は、店名「イル コテキーノ」の由来にもなった、佐竹シェフにとって特別な思い入れのある料理。シェフの信念を支える逸品なのだ。

「豚の皮ってこんなに美味しくなるんだ!」という当時の驚きが原点となり、ここまで独自の道をひた走ってきた佐竹シェフ。「高級食材は使用しません」と語り、これまで、自身の技のみでハムのポテンシャルを開花させることに挑み続けてきた。

「もっともっと、マニアックなハムも作っていきたい。まだまだ、これからです!」

佐竹シェフの挑戦は、自身の好奇心の赴くままに続いていく。

【その他のお料理】


佐竹シェフ渾身のハム祭り33種! メニュー一覧表

プロシュートコット系
モルタデッラ
ポルケッタ
豚モモプレスハム
ゴマ生姜
羊のアラブ風(ガラムマサラなど各種スパイス)
豚タン柚子胡椒
鶏の青海苔塩レモン
鶏つくねパルミジャーノ
イカ墨と豚トロ
プロシュートコット
豚レバーのココア風味
牛レバーの抹茶 レーズン 松の実
とりレバー ハツのコンフィ

煮こごり系(カルパッチョ仕立て)
コッパ デ テスタ
豚皮ドラゴーネ(ビーツ、ケシの実)
牛アキレス腱の桜海老 ターメリック
豚耳カラムーチョ
豚皮モヒート風

プロシュートクルード系
スペック(北イタリアのスモーク生ハム)
フィノッキオーナ(フィンネルシード入)
ヴェントリチーナ(南イタリア風、辛口)
ミラネーゼ(牛肉を混ぜ込んだクラシックなサラミ)
モルタデッラ(大きな背脂入りサラミ)
ラルド(豚背脂)
パンチェッタ ア ロトラータ(ロール状パンチェッタ)
サラーメ ディ フェガート(豚レバーと5種のスパイス)
ブレザオーラ(牛モモ肉の生ハム)
カポコッロ(豚肩ロース腸詰生ハム)
フィオッコ(豚外モモ肉の生ハム)
クラッタ(腸詰していないクラテッロ)
クラテッロ(豚のお尻の部分。腸詰生ハム)


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CHEF-1×GOETHE 北参道倶楽部ラインナップ

<7月>
7/7(日)『テストキッチンエイチ』山田宏巳シェフの桃園で桃狩り&『クラッティーニ』でもぎたての桃を使ったスペシャルランチを堪能する桃づくしの会

<8月>
8/4(日) 食べログ日本一!全国の食通が通う岐阜の極上ジビエ料理の名店「柳家」で夏メニューを味わう

<9月>
9/16(月) 埼玉の割烹料理の名店「樋山」と山田宏巳シェフのスペシャルコラボによる松茸づくしの会

※他イベントも決まり次第、ゲーテWEB上にてお知らせいたします。
※内容・予定は変更になる場合がございます。