鹿を狩り、まるごと一頭をフルコースで食す! グルマンたちの型破りな美食ツアー

去る2月某日、会員制美食サロン『CHEF-1×GOETHE北参道倶楽部』にて行われたのは、鹿狩り&鹿まるごと一頭食いのツアー。食材の獲得から、極上の一皿と変貌を遂げるまでを体感するべく、イタリア料理店『テストキッチンエイチ』の山田宏巳シェフと、フランス料理店『ラ フィネス』の杉本敬三シェフとともに、長野県大鹿村まで足を延ばし、現地のハンターが行う鹿狩りに同行! その後、獲得した鹿をフルコースで食すという、美食への飽くなき探求心が実現させた、超絶贅沢な食体験がかなう特別ツアーの全容をレポートする。


新鮮な鹿肉を贅を尽くしたメニューで堪能!

中央右から、山田宏巳シェフと杉本敬三シェフ。参加メンバーたちと。

この日、『テストキッチンエイチ』に集まったメンバーたちのお目当ては極上の鹿肉。この特別な美食会で、山田シェフとともに鹿をまるごと一頭使ったフルコースを供するのは『ラ フィネス』の杉本シェフだ。

オーブンで調理する前の前足部分をメンバーへ見せて回る杉本シェフ。

「特上の鹿肉を存分に味わい尽くすためのメニューを、山田シェフと考えました! イタリアンとフレンチがコラボレーションした特別な一皿もご用意しています。皆さんぜひ楽しんでください」

杉本シェフがこう挨拶を述べると、さっそく怒涛の鹿尽くしのフルコースがスタート!

「トリュフのスープ」

「トリュフのスープ」は、杉本シェフの代表的なメニューのひとつ。「鹿肉からは質の高いブイヨンがとれます。下層には、そのブイヨンを使用した菊芋のポタージュを。上にのせているのは、火をすこし加えたトリュフをブイヨンと一緒にミキサーにかけたもの。2層のマリアージュを楽しんでください」と杉本シェフ。

「野菜の炊き合わせ」

スープを飲み終わる頃に現れたのは、目にも美しい「野菜の炊き合わせ」。鹿のブイヨンのなかで野菜を炊き、旨みをたっぷりと吸ったサラダに、山田シェフお手製のハムを添えて。

「鹿肉の旨みが凝縮されたブイヨンは、別の料理にも入っているけれど、ブイヨンをしっかりと味わってほしいと思い、考えた料理です。フランス料理は、どうしてもコース全体を通して色彩を豊かにすることが難しい。この料理で、会に彩を添えられたら」と、杉本シェフは料理に込めた想いを語る。

「鹿肉のパイ包み」

「鹿肉のパイ包み」には、もも肉を使用。「パサつかないように、工夫を凝らしました。豚骨を合わせ、ピスタチオをアクセントに」と、杉本シェフ渾身の一品に、メンバーからも「口のなかでいろいろな食感が楽しめて、二重にも三重にも美味しい!」と声が上がる。

「鹿肉のパスタ」

鹿尽くしの美食に加えてお酒もすすみ、賑やかになってくる頃、山田シェフが腕によりをかけて作り上げた「鹿肉のパスタ」が登場! ベースはオーソドックスでありながら、ソースにはあえてトマトを入れず、白いミートソースで仕上げている。

「トマトは、煮つめると酸味がなくなり甘さが出てしまう。今日は、白ワインで整えたベースに、ブッラータチーズとパルメザンチーズ、酸味を残したトマトソースをかけました。ラザニアは、ホワイトソース、ミートソース、トマトソースを一皿のなかにわざとバラバラにして入れるんです。なぜかというと、食べるところによって味を変えるため。このパスタにも、その考えを応用しました。トマトソースだったり、チーズだったり、一皿の中で味の違いを楽しんで」と、呼びかけた。

「鹿肉のロースト グランヴヌールソース」

パスタに舌鼓を打っていると、いよいよメイン料理が姿をみせる。「鹿肉のロースト グランヴヌールソース」だ。付け合わせとして添えたパスタについて、「こちらのパスタは、あくまでソースの付け合わせ。イタリアンだとできないことを、杉本シェフのフレンチの一皿で実現しました。フレンチの美味しいソースに、パスタを絡めたら旨いだろうな、と前から感じていて」と山田シェフ。2人の異なるジャンルに属すシェフによって料理が完成される、これぞコラボレーションと呼ぶにふさわしい一皿が供された。

オーブンでじっくりと火を通した鹿肉にバターをかけていく。

「肩からお尻まで、背中の部分をすべての肉を使いました。サーロイン、テンダーロイン、フィレに加え、前足も。前足の肉は、オーブンで1時間じっくり火を通します。そうすると、温度が下がったときに肉は油を吸うので、オーブンから出した後は、美味しい油をかける。食材の乾燥も防ぎます。フレンチの技法では"アロゼ" と呼ばれるテクニックを行うことが肝ですね」と語った。

鹿狩りの様子を映した動画を観賞するメンバーたち。

会の中盤で流れたのは、鹿狩りの様子を映した動画。ディナーの参加メンバーのなかには、長野県大鹿村にて行われた鹿狩りにも同行したメンバーもいるのだ。 

ディナーの約1週間前に行われた鹿狩りツアーは、1泊2日で"人よりも鹿の数の方が多い" と揶揄されるほど、多くの野生の鹿が生息している大鹿村にて、現地で活動するハンターの協力のもと、鹿狩りを体感するという非日常の世界を体験できるスペシャルな野外活動だ。

「おより亭」の宿泊は1日1組限定。

都内から約6時間ほど車を走らせて到着したのは、大鹿村の宿泊施設「おより亭」。宿の主人である秋元光夫さんは、宿を営むかたわら現役のハンターとして活動する。

大鹿村では、鹿が畑を荒らしてしまうことが農産物に甚大な被害を与え、深刻化。この問題を解決すべく、鹿、猪などの野生鳥獣肉を使う、ジビエ(野生鳥獣肉)料理を地域ブランドとして確立させていこうという取組みが、観光協会を中心に行われている。秋元さんはこの協会の副会長を務める、漁師歴33年のベテランだ。

「ハンターを続けていると、感覚が研ぎ澄まされていくことがわかるんです」と語る秋元光夫さん。

「おより亭」は日本特有の古民家風の宿。食事をとるスペースでは、皆で囲炉裏を囲み、女将さん特製のジビエ料理を味わえる。宿に到着したメンバーたちもくつろぎの空間で、温かみ溢れる料理を堪能した。

さらに、「おより亭」の食事のほか、山田シェフが持参した特製ハムや、杉本シェフが持参した仙台のチャンピオン牛もその場で調理! 明日の鹿狩りに備えるべく、豪勢な食事の品々にメンバーたちは舌鼓を打ち、宴は幕を閉じた。

明朝、秋元さん船頭のもと鹿狩りがスタート。まずは、秋元さんが事前に仕掛けておいた罠に鹿がかかっていないか、順々に巡り確認していく。

秋元さんを先頭に、罠を仕掛けたスポットに向かう。

「鹿は、鉄砲で捕らえるよりも、仕掛けた罠にかかってくれたほうがいいのですよ。なぜなら、肉が傷まないから。鉄砲で打ち捕らえたとしても、打ちどころが悪ければ、大きな損失になる。例えば、大腸を打ち抜いてしまうと、その匂いは耐えられないほど。狙うべきところは、胸から首、頭、前足の付け根です」

普段は耳にすることのない話にメンバーは興味津々。秋元さんの話に耳を傾けつつ、数ヵ所にわたって罠が仕掛けてある場所を巡る。だが、この日罠にかかっていた獲物は0匹。気を取り直し、次の作戦へ移行する。

罠の近くに落ちていた猪の足。

続いては、鹿を見つけるべく秋元さん一押しのスポットを巡っていく。以前、秋元さんが鹿を仕留めるに至った場所にも訪れるが、ここでも残念ながら収穫は得られなかった。

さらに場所を移動し、村から遠のき川も超えた場所にまで足を運ぶが、検討虚しく鹿を見つけることはかなわなかった。

鹿を打ち捕らえた時の様子を、実際に銃を構えながら説明。

鹿を捕らえることはかなわなくとも、朝早くから大自然のなかを散策し、お腹を空かせたメンバーたち。「おより亭」に戻ると、朝食をいただき「鹿を捕らえるのは、来年に持ち越しだ!」と意気込み、ツアーは幕を閉じた。

鹿狩りに行き、鹿尽くしの極上ディナーを食す。今回、北参道倶楽部のメンバーたちが体験した美食探訪の旅は、ひとりでは恐らく叶えることのできない特別な体験だ。今回、北参道倶楽部でこの型破りなツアーが実現したのは、ひとえにシェフたちの人脈があったからこそ。山田シェフと杉本シェフは、数年前にも鹿狩りのために「おより亭」を訪れたことがあり、そこで、秋元さんと親睦を深め、今回のような特別な体験をメンバーたちに共有することが叶ったのだ。今後も「CHEF-1×GOETHE北参道倶楽部」では、シェフたちの人脈を駆使し、多種多様で新しい美食体験を提供していく。興味のある方は、ぜひ下記よりご応募を!


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CHEF-1×GOETHE 北参道倶楽部ラインナップ

<5月>
5/6(月・祝) 祝!新元号「令和」極上海老祭り!魚介料理を極めた銀座割烹「智映」×伝説のイタリアン「テストキッチン エイチ」山田宏巳SPコラボ!子供の日の翌日だけに大人の日ナイト  

5/13(月)、14日(火) 北海道の食肉料理集団による完全紹介制レストラン「ELEZO HOUSE」(松濤)でサマージビエを学ぶ!

<6月>
6/5(水)  テストキッチン エイチ1周年記念 もはや食べるお札?と言われる薄くて貴重な生ハムの数々!日本中のグルメがわざわざ山形まで生ハムを食べに通う、自家製ハムの超人気店「イル コテキーノ」佐竹シェフ×山田宏巳シェフがスペシャルコラボ!@テストキッチン エイチ

6/15(土)  # sushibaeで世界が注目「照寿司」×「やまの辺」初コラボ!寿司の都、北九州の旅 

<7月>
決まり次第、お知らせいたします。

<8月>
8/4(日) 食べログ日本一!全国の食通が通う岐阜の極上ジビエ料理の名店「柳家」で夏メニューを味わう

<9月>
9/16(月) 埼玉の割烹料理の名店「樋山」と山田宏巳シェフのスペシャルコラボによる松茸づくしの会

※他イベントも決まり次第、ゲーテWEB上にてお知らせいたします。
※内容・予定は変更になる場合がございます。

Text=加藤久美子(ゲーテWEB編集部)