「アジアのベストレストラン50」発表! 日本料理の影響がアジア全域に浸透

アジア全域でのファインダイニングのランキングとして世界的な注目を浴びている、サンペレグリノとアクアパンナがスポンサーを務める「アジアのベストレストラン50」。2018年版リストが3月27日に発表され、その授賞式がマカオで華麗に行われた。

長谷川在佑シェフ率いる日本料理「傳」が2位!

アジアナンバーワンに輝いたのは、4年連続となるタイ・バンコクの「Gaggan」。トップにこそ変動がなかったものの、8軒もの新エントリーがあってランキング全体に勢いがあり、また、アジアの飲食業界全般で、日本の食文化が突出した影響力を持つことも感じさせる結果となった。

受賞式会場は、マカオに昨年オープンしたばかりの豪華絢爛なカジノリゾートホテル、ウィンパレス。受賞式前のカクテルパーティーでは、ラスベガスを越える規模の大型噴水が音楽とシンクロして舞うバックドロップに、ブラックタイとカクテルのドレスコードで、世界各国のシェフ、飲食業界関係者、メディアなどの招待客が、プールサイドでシャンパン片手に談笑し、親睦を深める姿は、飲食業界に今まで存在しなかった華やかさに溢れていた。

メイン会場に移動しての受賞式では、50位を皮切りに、司会者の軽妙なトークとともに次々とランキングが発表される。日本勢は2位が長谷川在佑シェフ率いる日本料理「傳」、3位が川手寛康シェフのフレンチ「フロリレージュ」(Florilege)、6位が成澤由浩シェフのイノベーティヴ里山キュイジーヌ「ナリサワ」(NARISAWA)、9位に山本征治シェフの「日本料理 龍吟」。トップ10のうち4軒を占める快進撃だ。

以下、初エントリー最高位となった17位「ラシーム」(La Cime)、「アジアのサステナブル・レストラン賞」も受賞した20位「レフェルベソンス」(L’Effervescence)、27位「鮨 さいとう」、28位「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン」(BVLGARI Il Ristorante Luca Fantin)、34位「ハジメ」(HAJIME)、38位「カンテサンス」(Quintessence)、48位「ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ」(La Maison de la Nature Goh)の合計11軒が日本からランクイン。昨年の9軒を超える過去最多、今年度国別最多を達成して圧倒的強さを見せつけた。

そして現地で受賞式の招待客が肌で感じた、日本の食がもたらしている強い存在感は、この数字を遙かに上回る。41位香港の「Ronin」、49位のインド・ムンバイの「Wasabi By Morimoto」など日本人以外のシェフが率いる日本料理店、16位「Ta Vie」の佐藤秀明シェフ(香港)、23位「Waku Ghin」を率いる伝説のシェフ、和久田哲也氏(シンガポール)など、海外で活躍する日本人シェフが腕を振るう店も台頭。スリランカからは日本人の母を持つダルシャン・ムニダサ氏の「Ministry of Crab」、「Nihonbashi」という2店が前回に続いてランクインを果たした。

さらに47位に初エントリーの龍吟の台北店「祥雲龍吟」に加えて、「Ta Vie」の佐藤シェフ(フレンチ)、「ブルガリ東京」のルカ・フォンティン氏、バンコクの「The Dining Room at the House on Sathorn」のファティ・トゥタク氏(トルコ料理)など、東京の「龍吟」での修業を経験したシェフが率いる店がランクイン。日本料理で身につけた調理技法や料理哲学が、彼らのシェフとしてのアイデンティティーの礎になっているという。他にも日本の食材や調理技術がレストランの重要なエッセンスであると謳っていない店の方がむしろ珍しく感じるほどで、日本の食文化への深いリスペクトがありがたくも伝わって来る受賞式となった。

全体としては、アジアのベストレストラン50というランキングの性格が、料理のみではなく、シェフのカリスマ性、サービス、インテリアなど、総合的なエンターテインメント性を重視したものになっていることは、4年連続1位の「Gaggan」、昨年から順位を大幅に上げて2位3位を分け合った「傳」と「フロリレ-ジュ」というトップ3の顔ぶれからはっきりとうかがえる。「傳」の長谷川シェフは、一緒に連れて来られなかった愛犬のお面を付けて壇上に現れ、会場を沸かせた。

部門賞として、「ダイナースクラブ(R)ライフタイムアチーブメント賞(特別功労賞)」が先日惜しまれながらも閉店したシンガポールの「Restaurant Andre」と、今回15位の台北「Raw」を率いる台湾人オーナーシェフ、アンドレ・チャン氏に授与された。他に「最優秀女性シェフ賞」は、バンコクにある「Paste」のシェフ、ボンコック・“ビー”・サトンガン氏に。シェフ同士の投票で選出される「シェフズ・チョイス賞」は成澤由浩シェフが見事受賞。「注目のレストランミーレ賞」にはマニラの「Toyo Eatery」が選出された。

国別では日本11店、香港とタイ9店、シンガポール7店、台湾と韓国が3店、中国本土、スリランカ、インド2店、マカオ、インドネシア1店という分布になった。

【「アジアのベストレストラン50」の選出方法について】
•アジア各国で活躍する、300名以上の「食」及びレストラン業界に精通するエキスパートの中から構成される、「アジアのベストレストラン50アカデミー」メンバーの投票により決定される。
•各地域にはフードライター、料理批評家、シェフ、レストラン経営者、著名な美食家などから構成される評議委員会があり、メンバーによる過去18ヶ月間における最高のレストラン・ダイニング体験についての投票を元に選ばれる。運営団体が指定する詳細な審査基準はないが、投票に関しては厳しいルールを設けている。
•2018年版のリスト作成にあたっては、昨年に引き続き、外部コンサルタント会社としてデロイト社を公式裁定パートナーとして迎えいれ、デロイト社の裁定基準を取り入れることで、「アジアのベストレストラン50」リストの投票・審査プロセスの厳正さと公正さがより一層確保されることとなった。

【サンペレグリノとアクアパンナについて】
「アジアのベストレストラン50」のメインスポンサーは、世界の代表的なナチュラル・ミネラルウォーターのブランドであるサンペレグリノとアクアパンナが務めている。このふたつのイタリアン・ブランドが提供するナチュラル・ミネラルウォーターは、世界中の美食家たちから高い評価を獲得している。

Text=甲斐美也子 Photograph=鈴木拓也