ザ・リッツ・カールトンが擁するミシュランシェフがコラボした珠玉のメニューとは?

シンガポール、大阪、香港、北京のザ・リッツ・カールトンで開かれたアジア限定のダイニングイベント「Stellar Dining Series(ステラ ダイニングシリーズ)『星の饗宴』by The Ritz-Carlton」が昨年11月~12月に初開催された。各国のミシュランスターシェフらがひとつのフルコースを作り上げるという前代未聞のダイニングイベントでは、想像を絶する食の〝共演〟が実現! 今回は、より多くのミシュランスターシェフが集結した大阪のイベントで供された、珠玉のコラボメニューを紹介する。


アジア限定で開催された特別なグルメジャーニー

泊まるのはもちろんのこと、世界中のグルマンたちが美味を求めて集うホテル「ザ・リッツ・カールトン」。世界のトップブランドであるザ・リッツ・カールトンには、ひとつ星のフランス料理「ラ・ベ」、日本料理「天ぷら 水暉(みずき)」、南イタリア料理「トスカ」、ふたつ星の広東料理「天龍軒(ティン・ロン・ヒン)」など、アジア環太平洋地域だけでもミシュラン星つきレストランが8軒(総計星9つ)あるのをご存知だろうか? 

そんなスターシェフを擁するザ・リッツ・カールトンが昨年末、アジアの都市を巡るダイニングイベント「Stellar Dining Series(ステラ ダイニングシリーズ)『星の饗宴』by The Ritz-Carlton」を開催。シンガポール、北京、大阪、香港の4つの地域限定で、名だたるシェフたちのコラボレーションが実現した。

ザ・リッツ・カールトンが誇る、ミシュランスターシェフたち

イベントを開催する4都市の中で、、ミシュランスターシェフ最多の4名が集まったのが大阪会場。「アジュール フォーティーファイブ」料理長の宮崎慎太郎氏(東京)と「ラ・ベ」の料理長のクリストフ・ジベール氏(大阪)の2名は、日本の食材を用いたオリジナリティ溢れる極上のフレンチを提供。

「サマーパビリオン」シェフのチェン・シウ・コン氏(シンガポール)は、「香桃(シャンタオ)」料理長ピーター・チョン氏(大阪)が迎え、それぞれの個性を引き出した広東料理を披露した。

その他にも、「天ぷら 水暉(みずき)」料理長の藤本健司(京))と「天ぷら 花筐(はながたみ)」シェフ深名 健氏(大阪)の日本人同士が共演し、旬の食材を生かした芸術ともいえる作品でおもてなし。

国境を越えて集ったシェフたち渾身の料理は、世界のグルマンを瞬く間に虜にしたが、異なるジャンルの料理を調和させ昇華させるのは至難の技。多忙を極めるシェフたちの時間を合わせるのはもちろん、地元の食材を輸送する際のトラブルや、言葉の壁があったりと、一筋縄ではいかなったのだという。

「アジュール フォーティーファイブ」料理長の宮崎氏は、大阪のイベントでジベール氏、そして香港のイベントでポール・ロウ氏(香港)と組んでみて、コラボレーションの醍醐味をこう語った。

言葉や文化、食材など、あらゆるものを考慮しながら、その土地にあったメニューを提供する宮崎シェフ。

「ほかのシェフと協力しあい、フルコースを仕上げるというのは私自身初めての体験です。食材の輸送時にはトラブルも起きましたが、チームとしての動きもスムーズで、始まってみれば何の心配もなく料理を作ることができました。なにより自分のなかで大きかったのは、今回共演したポール・ロウシェフや、同じフランス料理を手がけるクリストフ・ジベールシェフなど、優秀な料理人と競い合えたこと。自分自身、大変勉強になりました。来年は、ひとつのお皿に、各シェフの自慢の料理を並べて提供したいですね」

その言葉を受けて、今回共演したポール・ロウ氏も、刺激を受けた反面、食材の調整や言語の壁など、難しい点もあったと話す。

「お互いシーフードをよく使うので、食材を被らないようにするためにも相談は必然的に多くなりましたが、お互い言葉が通じない(笑)。しかし、そんななかでも、チーム内でなんとかコミュニケーションを取り、結果的には、ドキドキわくわくするような料理を出すことができたと思います。噂にきく宮崎さんの調理を間近で見られたのはとてもラッキーでした。新たなインスピレーションを受けつつ、コラボを楽しめたのも宮崎さんのおかげ」

まったく違う文化で生きてきた二人のシェフの、異なるジャンルの料理や技術によって化学変化が起こり、フレンチでも広東料理でもない、まったく新しい料理が誕生したのだ。

ショコラティエの細川雅正氏が考案した、月面に見立てた作品「ゼロ・グラビティ・チョコレート」。

また、このダイニングイベントのほか、パティシエ・細川雅正氏(大阪)によるデモンストレーションや、ミクソロジストの和田健太郎氏(東京)によるカクテルレッスンが行われるなど、世界で活躍する職人の技を間近で体験できるイベントも多く盛り込まれた本イベント。今後はアジアのみならず、様々な地域での「食のコラボレーション」が生まれる日も近そうだ。

Text=杉山 悠(ゲーテWEB編集部)