なんでも中止では進まない! withコロナのリスクマネジメント ~ビジネスパーソンの言語学97

各界のトップランナーたちのコメントには、新時代をサバイブするヒントが隠れている。当コラムでは、ビジネスパーソンのための実践言語学講座と題して、注目の発言を独自に解釈していく。97回目、いざ開講!

「プロ野球はできます。アマチュアはできません。違いは何??」ーーープロ野球の開幕決定について、プロ野球OB 上原浩治氏のTwitterより

緊急事態宣言の解除にともない、プロ野球が6月19日に開幕することが発表された。当面は無観客試合となり、夏場にかけて徐々に観客数を増やす予定だという。一方、いち早く中止が決定となったのが全国高等学校野球選手権大会、いわゆる“夏の甲子園”だ。高野連は、全国での緊急事態宣言解除が目前となっていた5月20日に中止を発表。事実上の予選となる地方大会も中止となり、現在高校3年の球児は、春も夏も夢の舞台に立つチャンスがなくなったまま、部活動を終えることとなった。この決定に疑問を呈したのが元プロ野球選手で、MLBでも活躍した上原浩治氏だ。

「6月19日に開幕。凄く喜ばしいことなんだけど…プロ野球はできます。アマチュアはできません。違いは何??」

この疑問は当然といえるだろう。プロ野球は6月に開幕する。夏の甲子園は8月の予定であり、そのころプロ野球では満員の半分の観客入りを目指している。プロは経済活動であり、アマチュアはそうではないという人もいるだろう。だが、アマチュアだからこそできることもあるはずだ。要は、リスクを前提に考えたときに、やめることを選ぶ人と前に進むことを選ぶ人の違いだ。

日本でリスクマネジメントという言葉をつかうとき、前に進まないための言い訳として使われることが多い。リスクがあるから、大きいからやめる。だが、それは本来のリスクマネジメントではない。リスクがあることを承知の上で、それでも前に進むための知恵を出すのがリスクマネジメントだ。

緊急事態宣言が解除されたからといって、新型コロナウイルスの脅威がなくなったわけではない。プロ野球開幕も例年通り行われるわけではない。さまざまなリスクを考慮した上で、最適な方法を模索しながら行われることになる。クラスター発生のリスクも、赤字開催という経済的リスクもある。それでも彼らは前に進むことを選んだ。

もちろん高野連もたくさんの協議を重ねたはずだ。学業優先の本分、練習不足による体力低下、そしてもちろん感染のリスク。でもだからといって早々に中止にする必要があっただろうか。“夏の甲子園”でなくてもよかったはずだ。時期をずらす、場所を変える、分散開催する、週末だけをつかった長期開催にする……。前に進む意志があれば、さまざまなアイデアがあったはずだし、少なくともプロ野球の動向、施策を見る時間はあったはずだ。

「あの高校球児たちの涙… 笑顔に変えれないかなぁ…」

上原氏はTweetをそう締めくくった。変わることを恐れず、細心の注意を払い、それでも前に進む。 “新しい生活様式”のなか、そういった“新しい意識”で、“新しい日本”を作っていかなければならない気がする。


Text=星野三千雄