女優・中田青渚「いつまでも怖いもの知らずのまま、多くのことに挑戦していきたい」

公開中の映画『君が世界のはじまり』に出演する中田青渚(せいな)。今、注目を集める女優に映画について、そもそも芸能界に入ったきっかけ、そしてこれからについて聞いた。

「あの人って、なんかちゃうよな」

中田青渚が映画『君が世界のはじまり』で演じる琴子は、学年でも指折りの人気者・岡田が惚気た表情で放つこの言葉がふさわしい、“特別な女の子”だ。

「琴子は口も態度も乱暴ですが、とにかく正直で真っ直ぐな子。感情を理性でコントロールしない子だと思って演じていました。私はどちらかというと、琴子みたいな子を『すごいなー』と見ている側です」

「うち」という一人称で関西弁をまくしたて、親友の縁(松本穂香)が漕ぐ自転車の後ろにガニ股でまたがり、縁とのケンカで泥だらけになりながら大泣きする。野性的な琴子を演じるのに、理性は邪魔だった。

「『琴子だったら…』と考えると、自転車に横座りはしないな、と。どのシーンもエネルギーをものすごく使うので、毎晩、撮影後は疲れきって部屋から出られませんでした(笑)」

映画のタイトルが意味するものは、自分の世界が変わる、拓ける瞬間。

「この映画を観て、『いいなあ〜』という気持ちになりました。ひと目惚れも一方通行の恋も『まさに青春!』という感じで憧れます。この映画で、青春の疑似体験ができました(笑)」

ちょっと拗ねたような笑顔の彼女にドキッとしてしまう。俳優として彼女もまた、誰かの世界が始まるきっかけになる存在だと確信した。

「そんな存在になれたらすごく嬉しいですけど、まったく想像がつきません(笑)。もともと人前に出るタイプではなかったですし、友達といる時も聞き役で、わりと慎重な性格です」

4人姉弟の長女の彼女が芸能界に入ったきっかけは、中学生の頃に応募した雑誌のオーディション。お目当ては、賞品の図書カード(3万円分)だった。

「芸能界に入るなんて考えもしないまま応募しました。正直、この世界に憧れも知識もなかった分、すぐに適応できました。わりと大雑把な性格なので(笑)」

この順応性と、観察力が彼女の武器。演技のレッスンで、演じる人によって同じ役でも全然違う人物になることに気づき、芝居の面白さを感じたという。

「最初は怖いもの知らずでできていたことが、撮影を重ねると緊張して、できなくなるんです。今はそれを克服するために、入念に準備をして、丁寧に取り組むことを心がけています」

ワンピース ¥37,000(オールセインツ ジャパン TEL:0120-752-370)


君が世界のはじまり
2016年に第40回すばる文学賞佳作を受賞した短編小説『えん』『ブルーハーツを聴いた夜、君とキスしてさよなら』を再編し、作者であるふくだももこ自身が監督した。大阪の片隅の町を舞台に、まだ何者でもない高校生の男女6人がエネルギーをぶつけあう鮮烈な青春映画。
原作・監督:ふくだももこ
脚本:向井康介
出演:松本穂香、中田青渚、片山友希
配給:バンダイナムコアーツ

Seina Nakata
2000年兵庫県生まれ。’14年に「第5回Sho-comiプリンセスオーディション2014」でグランプリを受賞。映画『ミスミソウ』『見えない目撃者』『街の上で』などに出演。

Text=須永貴子 Photograph=滝川一真 Styling=九(Yolken)Hair&Make-up=内山多加子(コミューン)