Airbnb Japan 田邉泰之 革命的地方創生のスペシャリストは、唯一無二の"旅"で日本を活性化する

サンフランシスコで始まった旅のサイト「エアビーアンドビー」。当初、アジア展開は効率の面から、シンガポールを拠点とする予定だった。しかしAirbnb Japan 代表取締役の田邉泰之代表は、日本法人の立ち上げを強く主張したという。

隠れた魅力を掘り起こし、日本に利益を生むサービスに

「日本を理解する人が日本に合う形で根付かせるべきだと思いました。エアビーアンドビーのムーブメントは、ただの宿泊ではなく、ホストやゲストのコミュニティーから生まれています。例えば、地元に利益を生む新しいビジネスの可能性もある。それをシンガポールでやるのは無理だ、と説得したんです」

2014年に日本法人を設立してからは、このサービスを理解してもらうことに注力した。宿泊だけではなく、そこに生まれる体験こそがエアビーアンドビーの魅力と伝えるため、東京タワーでの宿泊を企画。また政府の民泊検討会などにも参画し、行政には海外の知見もシェア。ホスト、行政、マーケティングなどさまざまな相手や異なる視点のなかで生まれる障壁も、ひとつひとつ丁寧に解決してきた。

「サービスは海外発祥ですが、あくまでもこのプラットフォームを利用して、日本が利益を得ることが大事なんです。例えば定年後ホストとして海外の方と交流し、空き家を貸し出して収益に、また観光地以外の場所に旅行者を誘導する。それは高齢化、空き家問題、地方創生という日本が抱える問題への解決にもつながると思います」

実際に16年は海外から370万人が宿泊。自社試算で、15年は周辺サービスも含め5200億円の経済効果を上げている。

「どんな困難なことも乗り越えられるのは、このサービスがポジティブなインパクトを与えると信じているから。これからも、まだまだ紹介しきれていない日本の素晴らしいコンテンツを掘り起こし、楽しみやすくしたいと思っています」

Airbnb全社には、ホストとゲストの交流をピクサーのアニメーターが描いたオリジナルイラストが飾られている。
Airbnb Japan
2014年法人設立。部屋や家を貸したい人と泊まりたい人をつなぐサービス。08年サンフランシスコで始まり、全世界200万件以上の宿泊先が登録。

Yasuyuki Tanabe
1971年大阪府生まれ。米・リーハイ大学卒業後ミズノに入社。日本コカ・コーラ、ワーナー・ランバート、MTV Japanを経て、2002年米・ジョージタウン大学院にてMBA取得。13年Airbnbシンガポールに入社、14年Airbnb Japan設立と同時に現職。


Text=牛丸由紀子 Photograph=関 竜太

*本記事の内容は17年2月1日取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)