【オフィス探訪】Indeed Japanの急成長を支える最新オフィスの仕掛け

全世界60カ国以上、28言語でサイトを展開し、月間2億人以上のユーザーが使用している求人検索エンジンIndeed。世界で27箇所ある拠点の一つで、急成長を支えるIndeed Japanの麻布十番オフィスを訪問した。


随所にグローバル企業を感じるオフィス

Indeedは、機械学習を核とするテクノロジー企業であり、求人検索エンジンの運営を行っている。日本にも優秀なエンジニアを招集した開発拠点が恵比寿や目黒をはじめ、4箇所にオフィスがあり、営業拠点を麻布十番と大阪に構えている。

今回取材した麻布十番オフィスは、日本市場の営業拠点として昨年12月、事業拡大に伴う社員増加への対応のために移転してきた。

代表取締役/ゼネラルマネジャーである高橋氏の席の辺りからオフィスを見渡した風景。代表の席も社員と横並びだ。

「おかげさまで順調な成長を遂げております。営業拠点でもある麻布十番のオフィスではワンフロアで非常にコミュニケーションが取りやすく、代表や別チームとのコミュニケーションがとても円滑にできます」(PRマネジャーの秋山恵里佳氏、以下同)

麻布十番オフィスの約4,180㎡、前オフィスの2倍以上の社員を収容することが可能な広さだという。ワンフロアで、代表や役員などの個室はなく、抜けのよいスペースが広がっており、コミュニケーションが取りやすい環境だ。

Indeedは海外に不動産の立地や内装を管理する部署をもち、世界中のオフィスづくりは、その部署とローカルの代表の話し合いによって進められている。

「Indeedのカルチャーが顕著に表れているのがこちらです」と、通されたのは、オフィス中央に位置する広大なフリースペース。テーブルやソファが配置され、一人でもくもくと作業している社員もいれば、打ち合わせ、談話をしている社員もいる。

秋山氏が指さす先の壁には”We help people get jobs”というメッセージが。「人々の仕事探しのお手伝いをする」というIndeedの企業理念だ。このメッセージは、世界中のIndeedのオフィスに掲げられているという。もう一つ、”We help people get jobs”を常に意識できるようにするオフィスのデザインの仕掛けが、会議室にある。

「Jobseekers Chair(求職者が座るイス)」。このイスに仕事を探している人が座っているつもりで議論しているという。

「社内の会議室には、オレンジ色のイスを置いています。私たちは、このイスにはミーティング中にも求職者が座っていると考え、求職者ならどのようなプロダクトを必要としているのかを常に考えて意思決定をしています。これは、昔、米国で面接を待っている就活者が座わるイスがオレンジ色であったことからきています」

その他に、天井に掛けられた膨大な数のモニターでは、グローバルなコーポレート映像や各オフィスの映像、成果を上げた社員をたたえる映像を流しており、日本にいても、グローバル企業であるIndeedの一員であることが意識できるようになっている。

オフィスのコンセプトは「モダンな和」

冬の富士山が壁面に描かれている。

オフィスは、四つのセクションに分かれていて、各セクションの壁面には四季をイメージし、アーティストによるペインティングが施されている。

オフィスの各所にある紙素材のポールで組み上げられた仕切りや天井、会議室の名前が表示されたコンクリートブロックを積み上げたような壁のデザイン、細部まで和柄を使用するなどオフィス全体のデザインは、日本の文化を熟知した海外のデザイナーが手掛け、「モダンな和」を表現している。

特に目を見張ったのが、会議室とワークスペースの間にある「禅スペース」だ。

禅スペース

「モダンでありながら和をモチーフにした麻布十番オフィスを象徴する場所です。リアルとフェイクの植物を効果的に配置した、開放感のあるミーティングスペースにもなっています。リラックスして仕事できるので良いアイデアが浮かぶと、人気が高いスポットになっています」

三つのキッチンで社員をサポート

福利厚生の面にもこだわり、オフィスがつくられている。その象徴がオフィス中央のフリースペースには隣接するメインキッチンと、オフィスの左右それぞれにあるサブキッチンだ。

すべてのキッチンには飲みものや食べ物が常備されている。社員の健康にも気遣っており、メインキッチンには、旬の果物やドライフルーツ、ナッツ類なども揃っており、その内容は、社員のリクエストを反映し、定期的に品替えを行う。

フリースペースの脇にあるメインキッチン。旬のフルーツやドリンクを取りに社員が頻繁に訪れる場所だ。

また、月曜・水曜・金曜の朝と、火曜・木曜の昼の時間帯に日替わりでケータリングが提供されている。忙しい合間に外出することなく食べられると好評だという。

「多くの社員に使ってもらえるキッチンにすることを心掛けています。また、メインキッチンだけに食べものを置くことで、少し離れた場所にある部署の社員が、取りにいくことで自然と動き(流れ)ができ、それが社員間のコミュニケーション活性化にもつながっています」

社員を活躍させる仕掛け

Indeedでは裁量性やオープンPTOという制度をはじめとした社員が活躍できる環境や制度が多く整備されている。

麻布十番オフィスでは、社内研修などの様々なプログラムをより活発に行うために、大きなセミナルームを二つ整えている。

「Indeedは、社員を尊重しています。法律で定められた有給取得日数は、各国によって様々です。その不公平さをなくすため、有給日数をあえて設けず、上長と相談し、有給を取る仕組みがPTOです。さらに最近は、育休を取りやすくするために、プライマリー養育者(母親など主となる養育者)に対しては16週間、セカンダリー養育者(父親など)に対して6週間の有給休暇を取得することができる「ペアレンタル・リーヴ」という制度も整備しました。すべての人が働きやすい環境を整えるというのが基本的な考え方です」

すべての人が働きやすい環境というのは、新入社員に対しても同様である。Indeedで働く社員の多くはが中途採用だが、中途で入った社員がチームの一員として早く能力が発揮できるようにする取り組みがある。

会議室の名前は草木や惑星などの名前が付けられている。

「チームビルディングの一環として自分の行動思考分析するプログラムを取り入れています。人の様々な思考タイプを表した色のブロックを使い、自分がどのよう行動思考をしているのかを分析。その上で、チーム内でどのようなコミュニケーションをしていくことが最適なのかを学びます。チームメイトの行動思考を知ることも円滑なコミュニケーションを図る上で重要です」

同社には研修を行う二つのセミナールーム以外にも各セクションに会議室がそれぞれ設けられおり、例えば21番会議室は菫(Sumire)と名付けられるなど草花の名称や火星や木星などの惑星の名前付けられている。 

”We help people get jobs”(人々の仕事探しのお手伝いをする)は、すべての社員のためでもあり、Indeedのオフィスはそれを実現させるために存在しているのだ。

Indeed Japan
代表取締役/ゼネラルマネジャー:高橋 信太郎
所在地:東京都港区三田1-4-1 住友不動産麻布十番ビル6階
設立: 2013年10月
資本金: 非公開
従業員:非公開


Text=稲垣章(MGT)  Photograph=松川 智一