【シリーズ女性起業家】Create My Life わたしたちが起業を選んだ理由 vol.5

年商1億の売り上げをPRの力で120億にした伝説の敏腕PRプロデューサー、ikunoPR代表・笹木郁乃さんが送る「シリーズ女性起業家 Create My Life」。今回のゲストは、「パーソナルスタイリング」を切り口に累計26万部もの著書を売り上げるRocco style代表・山本あきこさん。証券会社のOLを皮切りに、現在の仕事に至るまでの仕事道をインタビュー。

笹木郁乃さん(以下、笹木) 山本さんとはSNSを通じて何となく知っているという間柄だったけど、半年前に開催された女性起業家のための勉強会で急接近したんですよね。数年前にネット上でお見掛けした時は、雲の上の人という感じで近寄りがたかったのですが、実際にお会いしたらとても気さくな方でした!

山本あきこさん(以下、山本) お互い、存在は知っていたけど、実際お目にかかる機会はありませんでしたよね。笹木さんに初めてお話しした時は、ネットでの印象とまったく変わらない方だなって思いました。

笹木 本当ですか? 私、いつも「思っていた印象と違った」って言われるんです。そう言ってくださるとうれしいです! 早速ですが、山本さんのこれまでを聞かせてください。社会人スタートは証券会社のOLさんだったとか。それがどうしてスタイリストに?

山本 高校卒業してすぐフリーターとして働いていたのですが「これではいけない!」と、できるだけかたそうな会社勤めをしたい……と思って某証券会社に入社しました。今はもう吸収合併されてなくなっちゃいましたけど。首尾よく証券会社という就職先を見つけたけど、勤めていた支店は家の近所だし、3時にはおやつ食べて5時ぴったりにタイムカード押して帰るという、何とも気楽なOLという感じで。そうこうしているうちに世は "109全盛期"、 "カリスマショップ店員ブーム" が到来。約2年勤めて109の販売員になりました。

笹木 なんと! 自らかたい仕事に飛び込んで行ったけど、染まり切れなかったということでしょうか。元々、ファッションには興味があったのですか?

山本 小中高と好奇心旺盛な子供でしたね。ファッションも好きでしたし。小学校1~2年生の時の大親友が、キッズモデルをしてたんです。彼女の撮影現場についていったことがあって、そこで「こんな世界があるんだ~」と衝撃を受けたのが、もしかしたら原点かもしれません。

その現場で、私が一番興味を持ったのがスタイリストでした。モデルにフィッティングしていく様子を見て、なんてカッコいいんだろう! と。目が釘付けになりました。話は戻って、109ショップ店員時代、それはもう毎日が楽しくて。ほぼ毎日、新着の商品が入荷してきて、店員はそれを着られるんです。マネキン代わりですよね。で、それがどんどん売れていく。

笹木 ショップ店員さんが最新のファッションを着こなして、それに女の子たちが憧れて……。そんな時代でしたよね。

山本 2年経った頃、アルバイトから正社員になる選考があり、そこで私は不合格に。挫折感を味わいますが、その頃の私は受け身でやる気もあるのかないのかという感じで、昇格できなかったのも自分で納得できました。その後、フランス系アパレルブランドに転職したのですが、ノルマもキツくてなかなかハードな日々でした。

でも、ここで転機が訪れるのです。勤務は原宿本店だったのですが、1階が売り場、地下がプレスルームという構造で、お店にお客様がいない時、スタイリストさんがリースに来る様子を眺めていたんです。当時そのブランドのプレス担当が私と同い歳でとても仲がよくて。

30分おきに訪れるスタイリストに彼女がテキパキとリースをしている様子や、MDとミーティングしているのをぼんやり見ているうちに、スタイリストになってみたいなと思うようになりました。彼女に紹介してもらっていくつかアシスタント募集に応募するうち、とある雑誌の専属スタイリストとご縁があり、首尾よくアシスタントに就くことになりました。

笹木 山本あきこのスタイリスト人生の始まりですね。当時おいくつでした?

山本 24歳です。スタイリストのアシスタントで24歳は遅いスタートで。でも、がむしゃらに働きました。3日寝ないとか当たり前で。2年アシスタントを務めた後独立して、雑誌を中心に撮影の仕事をこなす日々でした。毎日これでもかというほど忙しかったけど、仕事は楽しい。そんな生活に特に不満はなかったのですが、東日本大震災をきっかけに「これでいいのか」と思うようになりました。これからは本当に好きなことをしていきたいなと。

じゃあ、今の仕事で好きなジャンルって? と考えるうちに、方向性が見えてきました。昔はモードなもの、カッコいいものを創り上げる撮影が好きだったのですが、心から「楽しいな。うれしいな」と思えるのは、読者変身企画だったり、お悩み解消特集だったり、お父さん改造計画だったり。読者や一般の方対象のスタイリングで、グッと素敵に変わるお手伝いをすることが好きだということに気づいたのです。

笹木 モデルや女優ではなく、一般の方々のお手伝いに転換されたですね。

山本 まずはブログで告知してモニターを募りました。モニターの方々のご自宅に伺い、ワードローブを見せていただいて、コーディネートや買い足すものを提案して。とても喜ばれましたし、それが大いに励みとなりました。また、「ロールアップ」や「ブラウジング」など、業界では当たり前に使用するテクニックも、一般にはなじみがないものだと気づいたり、知っていたとしても取り入れ方がわからないから、そこをレクチャーしたほうがいいんだな……と、多くの学びがありました。

8名ほどで軽井沢に1泊2日の合宿に行く "シンデレラプラン" というイベントも、半年に一回を目安に開催しています。今は仕事の9割が講座やセミナーで、撮影は1割ほどですね。

笹木 一般の方をスタイリングする中で、何か印象的だったことはありますか?

山本 以前の受講生の中に、夫婦仲がギクシャクしているメンバーがいました。でも、講義の回数を重ね、着こなしが変わっていくうちにみるみる自信を取り戻し「2人目の子供ができました!」とうれしそうに報告を受けた時は本当に驚きましたし、つくづくスタイリングの力で人生は変わるんだと思いました。

他にも、平社員から、数段階飛びで部長に昇格されたという方も。服装が変わったら堂々と振る舞えるようになったとおっしゃっていました。「自分はカラー診断でこの色は似合わないと言われた」「私はこのタイプのスカートは無理」と敬遠していた色や形でも、取り入れ方で俄然輝くこともあります。そんな自由度が広がっていく楽しさを知って、キラキラ変化していく人はとても多いです。

笹木 やっているお仕事は同じだけど、対象者が変わるとやりがいも違ったものになるのですね。知名度がどんどん高くなっていっている山本さんですが、将来的にはどんな展開をお考えですか?

山本 今、オンラインサロンを主宰していますが、5月にリニューアルをしました。会員の皆さんの声を活かしたオリジナルアイテムを作るなど、 "周囲巻き込み型"  の新しい展開も考えています。また、私のように、一般の方々にアドバイスするスタイリング指導者を養成する講座も拡張していく予定です。協会をつくり、パーソナルスタイリングの裾野が広がっていけばと。着こなしひとつで人生って変わる、それを実感してほしいから、今後もサポートを続けていきたいです。


山本あきこさんへ一問一答

休日の過ごし方は?
夫と愛犬とワインや焼酎を飲んでゆっくりと。愛犬は8歳のプードルです。

尊敬している人は?
松下幸之助さん。名経営者に関する本をたくさん読んでます。社員思いだったり、人間としての考え方だったり、それを経営に活かしてところに感銘を受けます。

あなたを動物に例えると?
サル。野生的な部分があって、それでいて意外と頭も使う。人をじっと観察するところなんかも似てるかな。

Akiko Yamamoto
東京都出身。Rocco style. 代表取締役。スタイリスト・ライフ&ファッションスタイリストとして、女性誌や広告など多くのスタイリングを手掛ける一方、"センスは持って生まれたものではなく鍛えられる" という信念の元に、2013年よりファッションセミナーやコンサル、スタイリングについての講座などを行う。予約開始と同時に申込みが殺到する、予約の取れないスタイリスト。そのノウハウを詰め込んだ著書『いつもの服をそのまま着ているだけなのになぜだかおしゃれに見える』『毎朝、服に迷わない』『暖かいのにおしゃれになれる』(ダイヤモンド社)は、累計26万3千部を突破。

Text=三井三奈子 Photograph=坂田貴広


笹木郁乃
笹木郁乃
宮城県出身。ikunoPR代表。「エアウィーヴ」、「バーミキュラ」2社の飛躍にPRで大きく貢献した後、2016年2月に独立。2年で、約600名の経営者・起業家に対して、PRについて直接指導。 日本唯一の「PR塾」主宰。1期〜11期(定員30名)まで毎回満席・キャンセル待ちの人気に。その他、メディアとのアカデミー設立、企業や政府支援団体のPRプロデュースなどに力を入れる。
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