【シリーズ女性起業家】Create My Life わたしたちが起業を選んだ理由

「年商1億だったエアウィーヴ社を5年で120億に」「知る人ぞ知る存在だった鍋を、入手まで12カ月待ちの人気商品に」。そんな夢のような話をPRの力で貢献したikunoPRのプロデューサー 笹木郁乃さん。新連載「シリーズ女性起業家 Create My Life」では、笹木さんをナビゲーターに毎回、新進気鋭の女性起業家にインタビューを敢行。初回は、女性向けセミナーやオンライン教材を提供する未来シフト代表で、コーチングのカリスマ・鈴木実歩さんをお迎えして、会社員時代の葛藤、起業から現在まで、そして鈴木流未来指針をお聞きしました。

笹木郁乃さん(以下、笹木)今回は第一回目ということで、私が起業するきっかけとなり尊敬して止まない女性、鈴木実歩さんにご登場いただきます。

鈴木実歩さん(以下、鈴木)光栄です! 何でも聞いてくださいね。

笹木 まずは、初回ということで自己紹介を。私は仙台市生まれの四人兄妹で育ち、母も専業主婦。大きくなったら専業主婦になるものもいいな、なんてのんびりしたものでした。

小学生の頃、2度も交通事故に遭い、それぞれ数か月入院する大けがを経験。献身的に尽くすお医者さんや看護師さんに影響され、私も「人の役にたちたい」と強く思いました。理系だったこともあり、安全なクルマづくりに貢献すべく、新卒時は自動車部品のエンジニアとしてアイシン精機に就職。やりがいはあったけれど、自分の能力の限界だったり、直接消費者の顔が見えないところにジレンマを感じ転職することに。

そこから2社を経験しますが、どちらもPRの仕事に邁進していました。仕事はとてもやりがいがあったのですが、途中、子育ても重なり周りの人に気を遣わせてしまうことに悩んでいたところ、2015年8月に実歩さんのブログに出会い、「起業という選択肢があるのか!」と開眼したのです。実歩さんも最初は OL だったという親近感が「自分にもできる! 私もやってみよう」という気にさせてくれました。

鈴木 私は、静岡県の静波海岸の近くで生まれ、父親は高校の教員。母は専業主婦。私自身は、ずば抜けて頭がいいわけでもなく見た目も標準。血液型もA型、おまけに苗字は鈴木だし! 何のドラマもストーリーもない自分は“普通コンプレックス”だったと思います。

高校生の時、地元で英会話の個人塾に通うことになり、その塾の“おばちゃん先生”との出会いが転機ですね。先生は海外からの留学生のホームステイを受け入れたり、本を出していたり。あの時代のあの田舎、あの世代にはなかった感覚をもった方で、その“エッジの効いた感じ”に大いに薫陶を受け、高校卒業後の進学先はカナダのトロントを選びました。これが自分の人生で初めて人と違う選択をした出来事です。人とは違う流れに舵を切ったこと、それが大変な自信と刺激に。「いろんな生き方があっていい」「みんなと同じじゃなくてもいい」と強く思いましたし、それが今の基盤となっている気がします。

笹木 日本に戻ってきてからの数年は、実歩さんもOLだったんですよね。何度か転職されてからの起業というのも、私にとっては親近感が湧きました。

鈴木 トロントではデザインの専門学校に通いましたが、何を成し遂げたわけでもなく21歳で帰国してからは初めての東京生活。新丸子駅すぐの6万円の狭いワンルームでのひとり暮らしが原点です。そこから会社員として化粧品会社2社とエンタメ系企業を経て起業に至ります。化粧品会社はどちらも女性がバリバリ働いていて、何から何までがむしゃらにやっていましたね。毎日終電まで働き、肉体的にも精神的にも疲弊していました。3社目の会社の場合、お給料はいいけど、自分の将来のビジョンというものが描けなかった。10年後、この会社でどんなことして働いているのかな、という未来が視えなかったんです。自分じゃなくてもいい仕事に情熱を傾けられなかったというか。

笹木 そこから起業はどんなタイミングでなさったのですか?

鈴木 30歳の誕生日にターニングポイントが訪れます。あるメルマガの主宰者が、2泊3日で台湾ツアーの参加者を募集していて。ちょうどその2泊3日の中日が自身の30歳の誕生日。これは運命だわ、人生変えるために行くしかない! と、現地集合現地解散のツアーにひとりで出かけました。私の30代はこれを転機に変わっていくはずだという幕開けのような予感で武者震いがしました。

笹木 そのツアーではどのようなことを?

鈴木  メルマガを発信している主宰者や、その仲間たちとのトークライブを聴いたり、台湾の名所を観光したり。私はとにかく主宰者グループの近くに付いて行こうと決めました。仲間を作りたいのではなく、このリーダーはどういう風に話すのか、どんな行動をするのか、起こったアクシデントにどう対応するのか、どのようなふるまいをするのか。彼らがどのように生きているのかを近くで見たかったのです。

笹木 きっと実歩さんの中で、起業したいという気持ちが明確になった旅だったのでしょうね。どのような分野で起業するか決める時、今のコーチングを選んだのはどういう理由だったのでしょうか。

鈴木 会社員の最後の約1年は、副業をしていました。まず参加者10人限定の食事を兼ねた交流会を開催、会費を4000円に設定。ひとりにつき1000円利益出るように3000円のコースのレストランを会場にする。10人集まれば1人1000円の利益が出て、1万円の儲けとなりますよね。それが初めて私が1万円のお金を生み出した経験でした。

平日の夜に楽しいことを企画して、会社員のお給料の以外で“プラス日給1万円作れた”というのは衝撃的体験でした。30人だったら3万円になるし、利益をひとり5000円にしたらまた違うし、お金ってこうやって作るものなのか、と。その体験が“お金は我慢の対価ではなく、人を楽しませて感謝されて生み出せるものだ”と気づいたのです。

笹木 自分が楽しいと思えることが、ビジネスにつながるという発見は、驚きを感じるとともに、本当に嬉しいものですよね。

そこからいろいろな副業を始めました。そうしているうちに「どうやってやるの?」と聞かれることが多くなり、対話によって自己実現や、目標達成を図るコーチングに結び付いていくわけです。新しい事をみんなのちょっと先に挑戦して、その体験が情報コンテンツになる。それを教えてほしいという人がいればコンサルという仕事になるんだと。人がまだやってないことを少し早めに体験することで、小さなコミュニティの中でのファーストペンギンとなるのです。

小さなコミュニティの中でも、何かを初めて挑戦する人はまわりから必要とされますし、経験自体に価値があるということがわかりました。会を企画したり人を紹介したり、以前からお金にならなくてもやっていたことがビジネスになるのですね。相談料や紹介料としてお金をもらう仕事、集客に困っているというところに送客するというのは、自分の好きなことが立派なビジネスになっているということ。我慢の対価じゃなく、その人の人間的な特徴を活かし、自分も楽しんで人から感謝される仕事って本当に幸せです。

笹木 私も同感です。私の場合も、PRする商品が素晴らしいのは大前提として、「郁乃さんが言うならやってみよう、使ってみよう」と言っていただけるのが武器になっています。実歩さんの現在の活動や10年後の目標を聞かせていただけますか?

鈴木 10年後は……実は何も考えていません。10年後にはどうしたいかと今の私が考えると、ものすごくスケールが小さくなってしまう気がします。実際、3年前には想像できなかった今の生活が現実となっているわけで。

たくさんの方々に接して感じるのは、みんな自分自身の人生のストーリーを生きたいと思っているんだということ。私は私の人生の主人公。郁乃さんは郁乃さんの人生のヒロイン。物語の主人公として生きているから、人と比較をすることもない。だって全く別のストーリーなのですから。自分の人生を生きているとエネルギーが発散されるというかキラキラと輝くのです。自分が自分のストーリーの主人公であれば、別の物語の主人公のことも尊敬できる。皆さん、どうして私のセミナーに来てくださるかというと、起業して稼ぐ方法知りたいのではなく、みんな自分の人生のストーリーをスタートするきっかけが欲しいのだと思います。

今の時代は選択肢も多く、どうしていいかわからない人も多いのではないでしょうか。コレだ! というものを掴んでほしいから、自分がそうだったように、私はその人の幕が開けていくきっかけの場を作りたい。多くの方々に、その人自身のストーリーを生きていく場を提供できたら、と思います。

『未来を自由に選ぶ力』WAVE出版 鈴木実歩


Miho Suzuki
静岡県出身。未来シフト代表取締役。女性のためのコーチングと、起業コンサルタントを行う。10年間の”会社員生活”に終止符を打ち、2014年11月、クライアントゼロから「未来シフト・コーチング」という肩書きで起業。独自のインターネットマーケティング・SNS活用術をフルで駆使し、3年間で3,000人以上の女性と関わり、ソーシャルメディア起業界を代表する存在となる。

Text=三井三奈子 Photograph=大江麻貴

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笹木郁乃
笹木郁乃
宮城県出身。ikunoPR代表。「エアウィーヴ」、「バーミキュラ」2社の飛躍にPRで大きく貢献した後、2016年2月に独立。2年で、約600名の経営者・起業家に対して、PRについて直接指導。 日本唯一の「PR塾」主宰。1期〜11期(定員30名)まで毎回満席・キャンセル待ちの人気に。その他、メディアとのアカデミー設立、企業や政府支援団体のPRプロデュースなどに力を入れる。
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