「休日ゴルフなど、自分の時間を妻に認めてもらう方法とは?」 ~夫婦の悩みはアドラー心理学で解決③

仕事に情熱を燃やし、持てる力を精一杯発揮しているという自負はある。けれど、家庭でのパフォーマンスはというと……、なんだかビミョー。世間でもてはやされている育メンやイケダンを目指して努力しているのに、妻からの評価は、いっこうに上がらない。そんなパパたちに贈るアドラー式「夫婦関係の改善策」。第三回は、「自分の時間を、妻に快く認めてもらうには?」。


妻に受け入れてもらうためのステップを考える

仲間とのフットサル、仕事抜きのレジャーゴルフ、ひとりでのんびり映画鑑賞。仕事への活力を養うためにも、休日はリフレッシュに使いたい。そう思っているのに、妻は、「待っていました!」とばかりに週末の予定をぎっしりと詰め込む。午前中は子供を近所の公園で遊ばせ、午後はショッピングモールで買い物、翌日は郊外の観光地にドライブ。強引に自分の予定を入れようものなら、「休みの日しか家族と過ごせないのに!」と、逆ギレされ……。これでは、当分趣味の時間なんて取れそうもない(泣)。

「子供が小さい時期はとくに、自由な時間は取りづらいもの。現状を踏まえた上で、どの程度時間が持てれば良しと思えるか、現実的な落としどころを探ってください。『今は月に1回しかゴルフに行けないけれど、せめて月に2回にしたい』なら、あと1回確保すればOKということ。それを妻に快く許してもらうには、どんなステップが必要かを考えてみましょう」と語るのは、『アドラー式働き方改革 仕事も家庭も充実させたいパパのための本』『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』の著者である熊野英一さん。

いつも「明日はフットサルの試合があるんだよね」と直前に切り出し、「もっと早く言ってよ!」と、妻の反感を買っているなら、月初めに「今月は第二週と四週の土曜日に試合が入っているんだけど、そこに家族の予定は入りそうかな?」と聞いてみる。ひとりの時間が欲しいと思っている妻には、「次の日曜は、オレが子供をみているから、出かけてきたら?」と勧めるのも、有効そうだ。

妻の気持ちや行動を操作するための言動は逆効果

「ただし、気をつけて欲しいのは、相手の気持ちや行動を操作しようとしないこと。『出かけてきたら』の見返りとして、『その代り、自分も出かけさせてくれ』という下心が見えては、妻の喜びも半減します。アドラー心理学では、下心のある褒め方や言うことを聞かせるために叱るという行為はNGとされているんですよ」

こちらの下心が見えれば、「自分がそうしたいから、言っているだけでしょ」と、反撃されかねない。ここは、“共感ファースト”を思いだし、「平日は自分の時間がとれなくて、大変だよね。本当にありがとう。次の休日は僕が子供をみるから、のんびり過ごしたら?」と声をかけてみよう。妻の中に「自分をわかってくれている」「感謝してくれている」という気持ちが芽生えれば、それはブーメランとなって夫に返ってくるかもしれない。

「ちなみに、子供に対しても同じです。たとえば、片づけを促そうと思って、『お片付けができるなんて偉いね。毎日できたらすごいね』などと、下心のある褒め方をしても、子供の心には響きません。それよりは、インタビュー。『お片付けができたね。今、どんな気持ち?』『嬉しい!』『そうか、パパも嬉しいよ』。そのやりとりの方が、子供のモチベーションは上がります」

夫婦で話をする時間をしっかりととる

もうひとつ、熊野さんが提案するのが、「夫婦で休日の過ごし方について、しっかり話し合う時間を持つ」こと。

「休日に次から次へと予定をこなし、ぐったりしてしまうのは考えもの。子供が小さいと、予定通りにいかないことは多々あります。なので、余裕のあるスケジューリングをした方が、ストレスフリーでいられるんですよ。それは、妻もきっとわかっているはず。なのに、なぜ妻は予定をツメツメに入れるのか。その理由を、一度話し合ってはいかがでしょう?」

遠くに出かけたがるのは、妻がリフレッシュしたいからかもしれないし、夫が自由な時間を持つことを嫌がるのは、子供と少しでも長く接してもらいたいという想いからかもしれない。そんな風に、夫が予想しているのとは別の答えが返ってくる可能性は大。

「実は、これに限らず、夫婦の問題はすべて“話をすることをはしょっている”のが原因。『夫婦なんだから、言わなくてもわかっているはず・わかってほしい』というのは、大きな間違い。一番近しい関係で、大切な相手だからこそ、お互いの気持ちを、きちんと口にすべきなんですよ。TIME TO TALKをはしょらない。これは、アドラー心理学で最も重要なアドバイスなのです」

そう言えば、子供が生まれてから、夫婦ふたりだけで会話をする時間がめっきり少なくなった気も……。

「平日はお互いに忙しいし、休日は常に子供がいっしょだからムリなどと、決めつけていませんか? 時間は、自分次第でどうにでもやりくりできるはず。仕事の場合は、どんなに忙しくても、打合せの必要があれば時間を捻出しますよね。それと同じ。『1日最低15分は妻と話をする』と決めたら、仕事と同じように、スケジュールに組み込んでしまえばいいのです」

妻の気持ちを聞き、それに共感し、自分の望みも素直に打ち明ける。そうすれば、案外すんなりと妻が受け入れてくれる……かも!?

Today’s Advice
「TIME TO TALKをはしょらない」


Eiichi Kumano
アドラー心理学に基づく「親と上司の勇気づけ」のプロフェッショナル。日本アドラー心理学会正会員。1972年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業し、メルセデス・ベンツ日本勤務の後、アメリカのインディアナ大学ケリー経営大学院に留学、MBAを取得。帰国後、保育サービス業などを経て、2007年、株式会社子育て支援を創業。著書に、『アドラー式働き方改革 仕事も家庭も充実させたいパパのための本』『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(共に小学館クリエイティブ)などがある。
もっと悩みを解決したいなら、熊野英一さんの著書『アドラー式働き方改革 仕事も家庭も充実させたいパパのための本』をチェック!


Text=村上早苗 Photograph=鈴木克典