【新井恵理那】"順風満帆"ではない! 泣いてばかりの人生

2019年上半期テレビ番組出演本数女性部門1位に輝いた新井恵理那。そんなNo.1女子アナがありのままの半生を綴ったフォトエッセイ『八方美人』の刊行を記念して、インタビューを行った。 今や、朝の情報番組からバラエティまで、マルチに活躍する裏に隠された、知られざる一面とは……。


自ら決めたエッセイのタイトル『八方美人』に秘めた想いとは

子どものころは、「将来の夢」がなかなか見つからなかったという。流れるままにフリーアナウンサーになったが、そこから何度も泣くほどの苦労が待っていた。

「自分では“なんとなく”過ごしてきたような気がしていましたが、あらためて思い出してみると大変だったなあと。アメリカ生まれで、ミス青学になって、セントフォースでフリーアナウンサーというプロフィールだけを見ると、“完璧な人生”とか勘違いされるんですけど、実際はかなり回り道をしているし、自分でも驚くくらい泣いてばかりいます(笑)」

2019年上半期の「番組出演本数ランキング」で1位に輝いたフリーアナウンサーの新井恵理那さん。平日朝の生放送『グッド!モーニング』から始まり、『新・情報7daysニュースキャスター』、『所さんお届けモノです!』など、時間やテレビ局を問わず、活躍する彼女が自身の半生を綴ったエッセイ『八方美人』(宝島社)が人気を呼んでいる。見た瞬間、ギョッとするようなタイトルは、彼女自身のアイデアだという。

「タイトルは最後まで悩みに悩んで、自分でも100個以上考えたんです。私は昔からひとつのことに集中するより、いろんなことに興味があって、あれもこれもと手を出してしまう性質。それを“八方美人”と表現したら、おもしろいといわれてタイトルになりました。これにしようと言い出した時は、事務所内でも『大丈夫か?』と心配されたようです(笑)」

テレビではクールに見える彼女だが、実際は「おっちょこちょいで、ヌケだらけ」。本書ではそんな彼女の“実態”が垣間見えるだけでなく、それを乗り越えてきた過程も紹介されている。

「失敗もし、苦労もし、少しずつ成長しながら、自分なりの生きるルールを作ってきた。この本には、その子どものころからのプロセスをそのまま書いてみました。意識していたのは、どんなときもポジティブに、目の前のことをひとつずつ手を抜かずにやるということ。当たり前のことですが、それを見てくれる方がいてくれて、今の自分があるんだと思っています」

いつまでもフレッシュな印象があるが、もうすぐ30歳。そんな自分を冷静に見ている。

「今の状態を継続していくのは無理だと思っています。体力も落ちていくし、若さがなくなればチヤホヤもされなくなる。家庭も築きたいし、そうなれば“20歳代独身”という価値がなくなると思っています。以前はそう考えて焦ることもありましたが、最近それはそれで受け入れて、新しいスタートを切れればいいと思える余裕ができてきました。フリーなんだし、自分にあった仕事を楽しくやれればいいなと。出演本数ではなく、内容や質で評価されるようになりたいですね」

この本には、公園で寝転んだり、ビールを美味しそうに飲んだり、そんな普段見えない彼女の写真も収められている。当代きっての人気者の、人気の理由を知りたいならぜひ手にとってほしい。彼女の魅力に触れるだけでなく、人生をポジティブに生きるためのヒントも隠されている。

Erina Arai
1989年米国カリフォルニア州生まれ。青山学院大学卒業後、セント・フォースに。フリーアナウンサーとして、多方面で活躍。2019年上半期テレビ番組出演本数女性部門1位に輝く。今年、初のフォトエッセイ『八方美人』を発売。


『八方美人』
新井恵理那(撮影/藤代冥砂)
¥1,4040 宝島社


Text=川上康介 Photograph=藤代冥砂、斉藤大嗣(トップ画面写真)