蒐集癖 満たされない欲望 ~素人目線 松浦勝人の生き様~


ひとりで集めてひとりで撮る。誰も立ち入らせない世界

カメラはすべてを忘れさせてくれる。日の昇る瞬間、日が沈む瞬間、刻々と色彩が変化してく様を捉えたい。ファインダーを覗いて、その一瞬をずっと待っている。そういう時間を過ごしたくてカメラをやっている

使うカメラは大体決まっている。ライカのSLか、ソニーのα7SⅡ。それでもレンズやカメラが欲しくなる。ライカでは、ノクティルックスというレンズがあって、第1世代から第4世代ぐらいまである。そうすると全部集めたくなる。ライカ用のホロゴンという超広角レンズは、1000本ぐらいしか存在しなくて、価格も数百万円とものすごく高い。でも欲しくなる。かといってコレクターというわけでもない。欲しくなるから買うという感覚。 

触ってみて初めてわかることがある

欲しいものがあったら、海外のネットオークションに参加することもある。でも、海外のネットオークションではけっこう負ける。締め切り時間が夜中になったりするから、朝起きたら、さらに高値を入れられている。世界には、上には上がいる。

撮影:松浦勝人

撮った写真は、フォトショップでレタッチしてしまう。風景写真が撮りたいから、場合によっては、人やクルマはドット単位で消していく。色彩もどんどん変えていく。音楽でもそうなんだけど、僕は多分"リミックス"が好きなんだと思う。元があって、それを変えていく。その作業が楽しい。

松浦氏の写真はほとんどが風景。しかも、フォトショップで不必要なものは消す、色彩はどんどん変えていく。どう加工すればどうなるか。その実験を繰り返すことが楽しい。

そんなに加工しちゃうんだったら、カメラやレンズにこだわっても意味がないと言われるかもしれないけど、そのとおりなんだよね。本当は、レンズのひとつひとつをじっくりと使ってみて、そのレンズの味を楽しみたい。こんな撮り方をしたらどういう絵になるだろうというのを試してみたい。でも、今はそれだけのことをやっている時間がとれない。だから、リタイアしたら、釣竿とカメラ一式を持って、キャンピングカーで日本中を回ろうと思っている。

新しいカメラやレンズが発売されると、触ってみたくなる。古いものでも、気になると触ってみたくなる。触ってみて初めてわかることがあるから。でもいじり倒す前に、新しいものがどんどん発売される。それを繰り返していたら、いつの間にか、こんなに増えてしまった。

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松浦勝人
松浦勝人
エイベックス代表取締役会長CEO。1964年神奈川県生まれ。日本大学在学中に貸しレコード店の店長としてビジネスを始め、以降、輸入レコードの卸売り、レコードメーカー、アニメやデジタル関連事業などエンタメに関わるさまざまなジャンルに事業を拡大し続ける。本連載をまとめた単行本『破壊者 ハカイモノ』(幻冬舎)を2018年7月に発売。
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