シナモン平野未来「ビジネスAIの領域で世界ナンバー1を狙う!」【女性起業家】

SNSやインターネット技術が発展した現在、かつてないほど女性が起業しやすい時代が訪れた。豊かな感性や打たれ強いしなやかさ、そして、現状を打破する行動力を持つ女性起業家たちのビジネスに迫る。


経営者として、起業家として、後に続く人たちへの発信も!

人力だと30分かかる技術文書からの重要事項検索を10秒で、3日かかる英文契約書のポイント抽出を5分で。そうした業務の効率化を図るAIプロダクトを開発し、企業に合わせたコンサルティングを行っているのがシナモンだ。

「私が理想だと思う労働時間は、1日4時間、週4日。AIを活用すれば実現可能ですし、人はクリエイティヴなことだけに頭を使うことができる。趣味や家族との時間も確保でき、もっとハッピーに過ごせると思います」

創業者である平野未来さんがそう考えるようになったのは、2年半ほど前のこと。

ベトナム、日本、台湾、アメリカに事業所を置くが、月1回はオンラインで全社会議を行うなど、コミュニケーションを密に取り合っている。昨年は、ベトナムで合宿も実施した。

「私自身、時間に追われていたのに加え、世間では過労死が問題になっていました。そんな事件が二度と起きないよう、働き方を絶対的に変えなければと思ったんです」

折しも、シナモンがアプリ開発から、AIメインに事業をシフトした時期でもあった。

「アプリ開発がうまくいかず、このままでは倒産というほど追いこまれて。拠点にしていたベトナムから単身日本に戻り、システム受託の営業をかけたのが、2016年の5月。でも、全然ダメで、苦肉の策で、『AIもできます』と口にしたら、営業先の反応がガラリと変わりました」

実は平野さん、学生時代からAIに携わり、’06年に起業したネイキッドテクノロジーでもAIプロダクトを販売していた。もっとも当時は、AIという言葉自体普及しておらず、事業撤退していたという過去がある。

今年2月、東京ビッグサイトで開催された世界最大級のスタートアップイベント「Slush Tokyo 2019」では、シナモンの創業ストーリーについて講演。

「今思えば、早すぎたんですね。経営には、『タイミングを読む』ことが非常に重要だと、つくづく思い知らされました」 

シナモンは’16年8月にAIへ事業転換し、大企業の顧客を多く抱えるまでに成長する。

「ビジネスAIの領域では、日本は、アメリカや中国に先んじています。その領域で世界トップになりたい」

さらなる高みを目指し、平野さんの挑戦は続く。

平野未来の仕事における三種の神器

Miku Hirano
1984年東京都生まれ。東京大学大学院在学中に「未踏ソフトウェア創造事業」に採択され、そのメンバーと、2006年ネイキッドテクノロジー創業。’11年に同社をミクシィに売却し、’12年、シンガポールでシナモンを創業した。
https://cinnamon.is/


Direction=島田 明 Photograph=丸谷嘉長(カウンタック写真部) Text=村上早苗 Hair & Make-up=窪田健吾



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