【シリーズ秘書】ひとり数社は当たり前! 急増しているフリーランス秘書の生態

今や、秘書は単なる助手ではない。クライアントを掛け持ちし、さまざまなボスの右腕となってマルチに活躍する秘書の現在進行形を探るべく、3人のフリーランス秘書に話を聞いた。


クライアントを複数抱える超有能な秘書たち

スタートアップ企業を中心に、秘書業務をフリーランスへ外注するケースが急増しているという。その内容も秘書という枠を超え、営業や人事における裁量権まで与えられているケースもある。そんな噂を聞きつけて、3名の「フリーランス秘書」たちに話を聞いた。

「現在5社と契約中で、最もコミットしている企業では経営戦略会議にも同席しています」(酒井麻衣子さん)。酒井さんの場合、秘書というより参謀に近いイメージ。ITの進化とともに、秘書経験豊富な"プロ秘書"がきめ細やかにリモート対応する。

「不動産金融会社で社長秘書としてキャリアをスタート。情報サービス会社の役員秘書や法律事務所の代表秘書を経て、現在は某企業2ヵ所で秘書業務を行っています」(岡本佳乃さん)。

そして「レコード会社の秘書を経験後、AI関連の企業をメインに数社のお仕事を請け負っています。社長は海外にいることが多く、ベタ付きでいる常駐秘書ではなく、むしろこういった形を望まれているようです」(高橋りみさん)と、語る彼女たちに共通するのは「Slackやメールを駆使した遠隔業務」の増加。基本的秘書スキルと経験があれば、スマホのみでどこでも稼働できる彼女たち。9時5時の常勤秘書を雇うよりもボスにとっては効率がいいのかもしれない。

「女性はライフイベントで働き方を変えざるを得ないことも多いけれど、自分をアップデートさえしていけばどこでも続けていける」(高橋さん)から、双方にメリットがある"新時代の秘書雇用形態"と言える。「自分には秘書がいるというステータスが欲しい経営者も一定数いる」(酒井さん)そうだが、フリーランス秘書を雇うのに不向きな経営者はどんなタイプかと3人に聞いてみた。「ITに弱い人」「スピード感がない人」「指示が明確でない人」とのこと。

経営者諸兄、ご参考あれ。


岡本佳乃
不動産金融会社、大手情報サービス会社、法律事務所で秘書を経験。「オーナー社長とサラリーマン社長の違い」も熟知。メンタルケア心理士の資格を保持し、人心掌握も得意。クライアントは2社を掛け持ち。

酒井麻衣子
新卒でIT企業に就職後、セミナーのコンサル会社に転職。現在フリーの秘書として4 年目。「プロジェクト立ち上げ経験と、営業売上をつくることができるのが自慢です」。クライアントはコンサル、IT、ウェディング業界など5社。

高橋りみ
テレビ番組制作会社で総務・庶務を経験し、レコード会社の社長秘書に。現在は得意の英語を活かした秘書業務に従事し、将来は海外に住んで秘書業務を受託するのが目標。クライアントは1社+α。


Text=三井三奈子 Photograph=西村裕介