ファッションの帝王、ジョルジオ・アルマーニと闘う建築家、安藤忠雄のふたりの挑戦とは?

世界最大規模の家具見本市、ミラノ・サローネに合わせ、ミラノにあるジョルジオ・アルマーニの文化複合施設「アルマーニ / シーロス」にて展覧会『TADAO ANDO. The Challenge』が開催。ふたりの友情により実現した、夢のコラボレーションだ。


安藤忠雄の挑戦の軌跡に触れる

ふたりの親交は1998年、ジョルジオ・アルマーニ氏本人が大阪の安藤忠雄氏に電話をかけてきたところからはじまった。すぐにミラノに飛んだ安藤氏は、実際に会い、建築を依頼されることに。そして2001年、安藤氏の設計によるアルマーニの劇場「アルマーニ / テアトロ」が完成した。

アルマーニ氏は言う。「安藤忠雄の建築では、鉄、コンクリートといった質量のある物質が、人々を歓喜にいざなうものに変化させるように感じる。彼の光の使い方、その空間を特徴づける構成の組み立て方が素晴らしい。彼は、誰もが認める美しい感性をもった稀代の建築家である。彼の感性は私が求めるものにとても近い」と。

そして来る4月9日、ふたりが再びタッグを組むことになる。アルマーニ / テアトロに隣接するアルマーニ / シーロスで、安藤氏の個展が開かれるのだ。

この展覧会『TADAO ANDO. The Challenge』は、2017年、東京の国立新美術館での『安藤忠雄展-挑戦-』、2018年、パリのポンピドゥー・センターでの『TADAO ANDO. le defi』に続くもので、アルマーニ氏本人が、パリの展覧会を実際に訪れ、ミラノ巡回を決断。半世紀に及ぶ安藤氏の挑戦の数々が、「空間の原型」「都市への挑戦」「風景の創造」「歴史との対話」という4つのセクションに分かれて紹介される。

「デザイン大国イタリアの中心、ミラノで、自身の建築思想を人々に問う。この素晴らしい機会を、アルマーニ / シーロスという最高の会場と共に与えてくれたジョルジオ・アルマーニ氏には感謝の気持ちしかない。展覧会場に並ぶのは、半世紀にわたる私の建築の挑戦である。このイベントが、デザインの未来の文化的発展に少しでも貢献できれば幸いに思う。私は、永く残る建築をつくりたい。それは物理的な意味ではなく、人々の心に永く生き続ける建築ということだ」と安藤氏。

なお、展覧会では東京、パリで未発表の作品も展示予定。建築のみならず、社会や時代と闘い、常に新しいことに挑戦してきた建築家の軌跡を、安藤氏の盟友、アルマーニ氏の創造発展拠点でぜひとも目に焼き付けたい。


TADAO ANDO. The Challenge
会場:アルマーニ / シーロス(Via Bergognone 40, Milan )
期間:4月9日~7月28日
会場デザイン・監修:安藤忠雄建築展実行委員会、ポンピドゥー・センター
問い合わせ:press@armanisilos.com 

Text=八木基之(ゲーテWEB編集部) Photograph=Roger Hutchings


安藤忠雄
安藤忠雄
1941年生まれ。独学で建築を学び、’69年に安藤忠雄建築研究所を設立。世界的建築家として活躍する。現在、進行中のプロジェクトは50を超える。プリツカー賞、文化勲章をはじめ受賞歴多数。桃・柿育英会 東日本大震災遺児育英資金」実行委員長。イェール、コロンビア、ハーバード大学の客員教授歴任。97年より東京大学教授、03年より名誉教授。2017年、国立新美術館で開催された個展には30万人を動員した。
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