プロゴルファー小平智が一緒にラウンドして「強い!」と思う人は?【単独インタビュー】

2018年、もっとも活躍した日本人ゴルファーのひとりといえば小平 智の名を挙げないわけにはいかない。4月に世界最高峰のUSPGAツアーで初優勝を果たすと年末には日本ツアー最終戦で劇的な逆転勝利を飾り、改めて強さを印象づけた。躍進を続ける29歳は今どんな思考で戦いに挑んでいるのか。


自分というものをわかっている人は強い

静かで淡々とした語り口だが、小平智が話す内容は力強く、前向きだ。昨年、ゴルフ日本シリーズJTカップに勝った時もそうだった。大会前から、「この試合で優勝する」と予言めいたことを口にしていた。

「予感というわけでもなくて、前もって、ずっと言っていたんです。いろいろな人に言うことによって、優勝すると自分に思いこませるというか。3年ほど前に脳科学の権威である林成之先生に出会い、口に出して言うことの有効さを教わりました。ポジティブなことを言うと、自然とそうなっていくと」

小平の2018年をひと言で表せば、まさにポジティブだ。マスターズに初出場を果たすと、翌週には日本人5人目のU S PGAツアー優勝者に。12月には前述のとおり、自身通算7勝目で日本ツアーを締め括った。

ただその間、すべてが順調だったわけでもない。ブランドアンバサダーとして契約してから、毎年優勝を飾り、好相性を誇る腕時計のゼニス。そのイベント時に昨シーズンを振り返ってもらった。

「アメリカで初優勝してから、さらに上に行きたいと思って、急ぎすぎました。もっと飛ばしたいなどと考えたことで、少し自分のゴルフを見失っていたんです。つらかったですね」

初優勝以降、USPGAツアーで戦った15戦中、最高20位タイ。予選落ち8度。だが、小平はどこまでもプラス思考だった。

「趣味じゃないですけど、本当にゴルフが大好きで、どんな時でもゴルフをすることは楽しいんです。ゴルフをしていれば、ストレス解消にもなりますし。それに、『これを乗り越えたら本当に強くなる』と思えるので、つらい時でも楽しい。最近は、自分のゴルフができてきていますし、やるべきことがどんどん絞られてきている感じです」

直球すぎるとは思いつつ、「強い人とは?」という質問も投げてみた。小平は、「ゴルフの場合ですが……」と前置きしてから、やや強いトーンで話し始めた。

「自分というものをちゃんとわかっている人が、すごく強いなと思います。自分の長所をわかっている人。一緒にラウンドしていても、"この人はここで勝負しているな"というところが見える人は強いんですよ」

自分のことを言ったつもりはないだろうが、自分を再確認して実際に勝ったばかりの人が言うのだから、説得力がある。

Satoshi kodaira
1989年東京都生まれ。2011年にプロデビューし、’13年にツアー初優勝。通算7 勝を挙げる。’18年、USPGAツアーのRBCヘリテージで優勝し、’20年までの同ツアーシード権を獲得した注目のゴルファー。手元を飾るのはゼニスの腕時計。


Text=柴トシユキ Photograph=江藤義典