【岡崎慎司/挑戦の心得】①「悔しいというか、試合には出たい!」

ワールドカップロシア大会後、代表引退を表明する選手が相次いだなか、岡崎慎司は2022年のW杯を目指すと宣言。コパアメリカで、約1年ぶりに日本代表に選出されたストライカーの挑戦魂を短期連載で伝える。


チームに足りない、最後のピースになる!

ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、コロンビア……といった列強国が名を連ね、4年に一度、南米王者を決めるために開かれるのがコパアメリカだ。毎大会南米大陸以外の国を招待していて、日本も再々のオファーを受けながらもスケジュールなどの関係で出場が実現できなかった。しかし今年は、来年に迫った東京五輪世代を中心としたチーム編成で、ブラジルで開催されるコパアメリカへ出場する。1999年以来の参加となる。

A代表の経験の乏しい選手たちのなかで、異色の選出となったのが、ゴールキーパーの川島永嗣とFWの岡崎慎司。ともに2010年、2014年、2018年と3大会連続でW杯出場を果たしている超ベテランのふたりだ。しかし、若手優先での試合起用が予想されており、ふたりの出場は確実ではない。

従来のA代表で構成された親善試合がコパアメリカに先駆けて行われたが、そのときも2試合連続でベンチ外だった。

「本来、代表選手というのはクラブで活躍している選手が招集されるもの。そういう意味で僕は今季あまりレスターで試合に出られなかった。だから呼んでもらえたことに感謝している」と語ったのは岡崎慎司だ。

ワールドカップロシア大会後、長谷部誠、本田圭佑、酒井高徳など、代表引退を表明する選手が相次いだが、33歳のストライカーは2022年のワールドカップカタール大会を目指したいと宣言。しかし、ロシア大会後に就任した森保一日本代表監督は、五輪代表との兼任監督。多くの五輪世代の選手を代表チームに抜擢し、チームの若返りを加速させた。

そんななか、岡崎は代表から遠ざかり、今回の招集はワールドカップ以来約1年ぶりとなった。チャンス到来と昂るものがあったかもしれないが、親善試合で「ベンチ外」というのは、「バックアップメンバー」もしくは「戦力外」と捉えることもできる立場だ。

「そこまで深くは考えていません。日本代表はそんな甘い世界じゃないと思っている。そんな易々とメンバーに入れるわけじゃない。でも、今ここに居るというのは、先に繋がるから。この悔しさもそうですし、ここの景色というか、日本代表の景色、チームメイトの景色を見ながら、それを活力にできる。悔しいというか、試合には出たいじゃないですか? 反撃のチャンスを狙いつつ。まあ、そんな焦る歳でもないので。逆に焦らなくちゃいけない歳なのかな(笑)。いい意味で淡々とやりたいなと思います。

でも、まだ日本代表には足りないところがあるという状況は続いている。このままじゃいけないというのは、誰もが思っているし、世界には遠く及ばないと。今の自分じゃなくて、今よりもうちょっと成長した自分がこのチームには必要だと思っている。それを目指していくという感じです」

立たされた状況を観察し、そこに足りない部分、自分にしかできないことを見抜き、チームにとって足りない仕事を担う。これは岡崎が常に意識していることだ。2015年夏に移籍加入したばかりのプレミアリーグ、レスターでも、「自分がチームに足りない最後のピースになろう」と務めた。それは快調のFW陣と中盤とのつなぎ役であり、攻守両面でのハードワークだった。高い身体能力を誇るライバルたちには当然、身体能力では劣る。だからこそ、ライバルができない仕事で活路を見出す。その結果、リーグ優勝という大きな結果を手にした。

淡々と状況を読み解き、客観視できるからこそ、組織にとって「必要な存在」になれた岡崎だったが、コパアメリカを戦う日本代表にとっても「必要な駒」となりえるのか? 

②に続く

Shinji Okazaki
1986年兵庫県生まれ。2018年、ロシアワールドカップのメンバーに選出され、W杯3大会連続出場を果たす。2019年、キリンチャレンジカップのメンバーに選出され、森保体制での代表初招集。コパ・アメリカ2019のメンバーにも選出された。国際Aマッチ 116試合 50得点 (2019年6月9日現在)。


Text=寺野典子