【シリーズ女性起業家】Create My Life わたしたちが起業を選んだ理由 vol.3

「年商を5年で120倍」「入手まで12カ月待ちの人気商品」。そんなミラクルな業績をPRの力で実現してきたIkunoPRのプロデューサー 笹木郁乃さん。そのノウハウを多くの人に伝えるべくPR塾を開講、こちらも即満席の大盛況ぶりだ。そんな笹木さんをナビゲーターに迎えての「シリーズ女性起業家 Create My Life」。今回のゲストは、ATTRICE代表取締役で、フリーアナウンサーの木村明日香さん。オリジナルのメソッドで話し方を指導する『一言で聴衆をファンにするアクトレススピーチ』を主宰する彼女に、仕事内容や、今後について語ってもらった。 

アナウンサー試験合格の秘訣は “なりきり高島彩”

笹木郁乃さん(以下、笹木) 木村さんはNHK地方局や民放各社でアナウンサーをされていたんですよね。どうしてアナウンサーを志したのですか?

木村明日香さん(以下、木村) かつてはびっくりするくらい人見知りがひどくて。それをなんとか克服したくてアナウンサーを志すようになりました。大学の専攻が心理学科だったこともあり、当初は心理カウンセラーを目指していたんですけどね。こじんまりしたアットホームな職場ではなく、大企業に勤めたらもしかして自分は変われるのかもしれないとぼんやり考えていた頃、ふとテレビで元フジテレビアナウンサーの高島彩さんを目にするんです。もし私が彼女だったら人生楽しいのでは? という仮説にたどり着き、「よし、私もアナウンサーに」と思い立ちます。

笹木 人見知りっていうイメージはないですけどね。そしてきっかけがおもしろい!

木村 次から次へとアナウンサー試験を受けるも、どこのスクールに通ったわけでもない私は、与えられた課題ができなさすぎて。試験の最中に泣いてしまったこともあります。「お金と時間の無駄だから、アナウンサー試験受けるのやめたら?」って3社くらいから言われました。

笹木 え! そこまで……。でもどうして諦めなかったのですか? そしてどんな逆転ホームランが?

木村 諦めたくなかったんです。ここで負けたら私の人生変わらないって思って。そこからはもう、高島さんの番組をすべて録画して、完コピというか、完璧な “なりきり高島彩” に徹したんです。そうしたら合格を手にすることができて。そこで、気づいたんです。もしかして、目標を設定して “なりきる” ってことはとても重要なんじゃないかって。だから私は理想の人になりきって話したり使う言葉を変えたりする「アクトレススピーチ」を提唱しているんです。

笹木 すごい。なりきり高島彩で一発逆転。

木村 今思えば、その頃の私はアナウンサーではなくて「高島彩になりたい」だったんじゃないかと。結果的に運よくアナウンサーになったものの、噛みすぎて「カワカミプリンセス」という競走馬の名前から、「カミカミプリンセス」というあだ名をつけられてしまったり。そのうちよくスポーツ選手が悩むというイップスのように失敗体験が沁みついてしまって、アナウンサーとしての戦力外通告も受けて。これはメンタル的な問題だと考え、学生時代の心理学を学び直し、現在はアナウンサー経験と心理学を応用した独自のメソッドを構築しています。

笹木 アナウンサー時代は大変な激務だったとか。

木村 局アナ歴は8年。忙しすぎて自分の生活は後回しで仕事に没頭していました。狂気じみていましたね。記者のような仕事もしていましたが、ネタをとりたい、男性に負けられないの一心。それに加え、アナウンサー30歳定年説に捉われ恐怖心ばかり。今、働くしかない、今しか働けない、という焦りですね。その後、フリーになるのですが、焦りや恐怖心が払拭されることはなく、思うようにいきませんでした。

フリーから一転、起業の道へ。局アナ時代から変化した働き方。

笹木 そこで起業しようと思うわけですね。現在のお仕事について教えてください。

木村 先ほどお話したアクトレススピーチを軸に、話し方のテクニックを教えているほか、「言葉で人生を変える」をテーマに、女性のロールモデルを育てたいという目標があります。女性の社会進出とともに管理職に就くことも少なくなくなりました。男性を部下にすることもある。周囲の巻き込み方を言葉で工夫して、女性らしさを活かしながら人の上に立てる人材の育成を目指しています。

笹木 今は7期目で卒業生は180名、1DAYなどをいれたらのべ800人ほどとお聞きしました。軌道に乗ってきたところですよね。局アナ時代との働き方の違いはありますか?

木村 今は未来における希望が持てるところが大きな違いでしょうか。年齢を重ねることが怖かった局アナ時代。でも今は、年齢を重ねたら重ねたなりの可能性ってあるんだなと考えます。30歳定年説に怯えることなく、これからも輝けることがわかりました。アナウンサーって目立ちたがり屋って思われるけど、本当は黒子。出演者の魅力を引き出すことが一番の仕事なのです。それは今も同じ感覚です。自分じゃなくて受講生が輝いてくれたらと思う。なんでこの人、今まで埋もれているんだろうっていう人を輝かせたい。

笹木 受講生に憧れて入ってくる方も多いそうですね。

木村 「結婚式の受付で立ち居振る舞いの素敵な女性がいて、どんな人なのかなと思ってその人のSNSを見たら、アクトレススピーチのことが書いてあったので申し込みました」という方や、「憧れている先輩が木村さんの講座を受講していると聞いて私も申し込みました」なんていう声を聴くと、私がどうのこうのではなく、受講生の皆さん自身が輝いていることがわかるんです。それがうれしい。

選ぶ言葉が変われば、人生も変わる。

笹木 なんと! 最高の宣伝ですね! 受講生さんが次の受講生を呼んできてくれるという……。忙しいからお休み返上で仕事に没頭されているのでは? 

木村 受講生のフォローも24時間体制・年中無休でフルサポートという感じ。受講生は毎回約25名ほどなのですが、日報を出してもらうので、その返信だけでもなかなか大変です。私自身がひとりではがんばれないタイプだからよくわかるんですが、日報を送るというプレッシャーが0.1%あれば、それが自分を変えていくのだと思うんです。そして、読んでいて思うのは、書くことって思考がそのまま出る。この人、大丈夫って言ってるけど大丈夫じゃないなとか。彼女は問題なさそうだからスタンプ1個だけ返す、とか。人や状況によって対応も違いますね。

笹木 日報という形で敢えてプレッシャーを課すというライザップ方式ですね。

木村 選ぶ言葉とか話し方が変われば、人生も変わりますよ。「5億円の契約がとれました」「テレビCM決まりました」「CNNに出ました」とか、受講生たちの劇的な変化を目の当たりにしています。私は議員のスピーチトレーニングも請け負っているのですが、「こういう言葉を使っているから落ちちゃうのかも」とか、「こういう言葉を使えるから当選するんだ」と感じることも。

笹木 今後の活動目標をお聞かせください。

木村 「グローバルに活躍したい」とか、かっこいいこと言いたいんですけどね。でも、言葉を仕事にしているからこそ、言葉にする重みやプレッシャーを感じてしまう。考えていることはあるけど、言葉にするまでの責任が持てるまで心の中で温めておきます。ただ、“話し方”を教えることとは違うステージの育成をやってみたいと思ってはいます。女性がもっと自由に羽ばたける仕組みづくりをしたい。枠にとらわれずにね。


木村明日香さんへ一問一答

自分を動物に例えると?
いのしし。猪突猛進で、アナウンサー時代は“小型戦車”って呼ばれていました。一度これと決めたら寝食忘れて突き進みます。

休日の過ごし方は?
受講生たちへのメッセージの返信。受講生からの日報が1日50通ほど届きます。オンオフの区別がないことが、やりがいでも悩みでもあります。

座右の銘は?
失敗しても死なない。挑戦しないで終わるのではなく、とりあえずやってみようよ、と受講生にも話しています。

尊敬する人は?
行動を背中で見せてくれる人。歴史上の偉人ではなく、身近な方に尊敬の念を抱くことが多いです。笹木さんも尊敬する人のひとり。

Asuka Kimura
北海道出身。ATTRICE代表取締役。フリーアナウンサー。元局アナが教える、人生を変える話し方『一言で聴衆をファンにするアクトレススピーチ』主宰。局アナ流の相手をファンにする "スピーキング技術" と、心理的アプローチから思考を変える "言葉の選択" を組み合わせたオリジナルのメソッドで、ロールモデルになる女性たちを育成する。3か月の長期講座は7期まで毎回満席で、現在3ヶ月待ち。これまで800人の女性に相手を一瞬で魅了する話し方を伝えている。

Text=三井三奈子 Photograph=坂田貴広


笹木郁乃
笹木郁乃
宮城県出身。ikunoPR代表。「エアウィーヴ」、「バーミキュラ」2社の飛躍にPRで大きく貢献した後、2016年2月に独立。2年で、約600名の経営者・起業家に対して、PRについて直接指導。 日本唯一の「PR塾」主宰。1期〜11期(定員30名)まで毎回満席・キャンセル待ちの人気に。その他、メディアとのアカデミー設立、企業や政府支援団体のPRプロデュースなどに力を入れる。
気になる方はこちらをチェック